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LIBRARIAN|維月 楓の小部屋

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モーヴ・アブサン・ブック・クラブの司書、維月楓の小部屋。詩人・研究者・翻訳家。古今東西の女性/クィア詩人の作品を読み解くことを通して、新たな生の軌跡に敬愛を捧げている。
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2023年12月の記事一覧

維月 楓|反射しあうビリティスの娘たちへ

*  霧とリボンと私を結びつけたのは「ビリティスの娘」だった。フェミニズムの過剰の美学と透き通ったエレガンスの部屋を携えて、『若草物語』のジョーとベスを行ったり来たりしながら、新幹線で首都へ向かい虚空の街を歩きながら見つけた。人生の新たな扉が開く瞬間は不意に現れる。約束が果たされるまで鈍い幕をいくつも開ける。最初はそれとは分からない横雲に触れるとだんだんと目が眩んでくる。サッフォーの手招き。霧の中にたなびくリボン。灰色なのは曇天だったか、それとも指に結ばれたリボンだったか。