普通のふりして生きてきた~ちょっと病気がちな奴が健康なふりをしている回想録⑬~

~前回のあらすじ~

 聞いた事無い臓器の聞いた事無い病気で手術する事になった。

検査入院

小さい頃にお世話になった医科大学病院にまた入院する事が決まった。一回目は二週間程度の検査入院で、日を置いて二回目の入院で手術する事になった。

この時の検査入院が、べらぼうに楽しかった。

私が入ったのは泌尿器科病棟で、人見知りだったので個人的にはやめて欲しかったが、六人部屋に通された。

脳炎以来の入院だったので私は心細い事この上なくって同室のお姉さんたちに挨拶する事もままならなかったが、同室のお姉さんたちは優しかった。

丸一日経ったら打ち解けて、いろんな話を出来る様になった。巡回に来た看護師さんから、「この部屋はいつも随分楽しそうだね」なんて言われてた。

メンバーは子持ちの可愛らしいお母さんに、ちょっととぼけた感じの可愛いおばあちゃん二人、面白系姉御肌のお姉さんに、背が高くてスレンダーでユーモラスなモデルみたいなお姉さん、それに私だ。

どうやら色んな科でベッドがいっぱいで、ここにみんな集められたらしい。みんな科が違うから、この部屋だけやけに色んな先生が出入りしていた。

私は暇つぶしに本やらなんやら色々持って行ったが、正直つぶす暇がないくらいの面白さだった。今となってはどんな話をしたんだかすっかり忘れたけど、とりあえずすっごく面白かった事だけは覚えている。

病室で血圧測定中に、面白い話でめちゃくちゃに笑ってて数値が爆上がりした。以後、当時の病気と血圧が密接な関係にあった私が血圧を測定する時は、みんな静かにする事がまるで暗黙の了解の様になった。

直前までどれだけ盛り上がってても、看護師さんの巡回で私の番が来たらピタリと話を中断する。なんだかシュールな絵面で逆に吹き出しそうになったものだ。

当時病室内で彼氏(旦那)がいなかったのが、私と面白系のお姉さんだけだった。調子のいい日に二人で外出届を出して外に遊びに行こうとした時もあった。

直後に私が酷い生理痛でぶっ倒れて行けなくなったんですが。(笑

外で人と会う予定があったお姉さんの方は、外出してお土産を買ってきてくれました。ありがたい……

それにしても外に出られない理由が生理痛って……。

結果的に、私の腫瘍がホルモン異常分泌をさせてるせいで生理痛が酷くなってるんじゃないかっていう話になってますけどね。左の副腎取ってからはそこまで酷い生理痛じゃないんで。

でもあの時、出かけたかったなぁ~。シャバの空気吸いたかったなぁ~




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おべん・チャラー
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