映画感想「ルパン三世 The Fast」

1月を頑張ったご褒美に、優雅に一人映画鑑賞してきたので、感想をば。

おべん・チャラ―はルパン三世が大好きです。どのくらい好きかというと、テレビスペシャルと劇場版を全てレンタルで鑑賞した後、テレビ放映版の一期(通称緑ジャケット)をレンタルして毎夜鑑賞する様な、しつこいくらいの偏愛ぶりである。(一週間レンタルした同じ一本×6日間鑑賞)

もっと言うと、愛し方がストーカーに近い。改めて客観視すると若干怖い。因みに自分で録画した再放送の水戸黄門でも同じ事をしたおかげで、導入部で大体どんな話か分かるという何の役にも立たない特技を持っている。

そのくらい好きなんだから、モンキー・パンチ先生ご存命の内に、毎年夏に浜松町でやってるルパンフェスに行ってみたかったですね…。道民なのに…。


そもそもなぜルパン三世にハマったか

確か金曜ロードショウで、ジブリとルパンのコラボ・名作「カリオストロの城」を見て、当時はルパンのスタイリッシュさと五右衛門のカッコよさにまんまとハマったんですわ、確か。

それから、面白そうな奴から順不同にテレビスペシャル版と劇場版を借りては毎夜鑑賞した。ルパンと銭形のとっつぁんとの追いつ追われつながら育まれた絆に感動し五右衛門のかっこよさに目を輝かせた。そして、ノーマークだった次元に心を奪われた。


「盗まれたのは、あなたの心です」

次元大介はひたすらにズルかった。ただの、タバコとハードボイルドとロマンを愛する早打ちガンマンだと思っていた。

愛しいポイントとして分かりやすいものを上げると、テレビスペシャル「アルカトラズコネクション」で虫歯を患っていた彼は、銃を撃つと虫歯に響いちゃって泣きそうな声を上げて蹲っちゃうのである。

こんなヒゲの男、愛さずにいられるか!かっこよくて可愛いとか次元ちゃん最強かよ!!

私は自分を懸命に落ち着かせようとした。いやいや、テレビスペシャル版に多少サービスしちゃったのかもしれないし。という事で当時小学五年生の私は母にねだってテレビ放映版のレンタルビデオを毎週借りた。

全部次元ちゃんは可愛かった……。

なんという事だ。もう私は次元ちゃんが可愛くしか見えない色眼鏡を外す事が出来なくなってしまったのだ。もうルパンが「頼んだぜ」って言ってるのに対して「任せな、相棒」的な返しをしているなんてことないシーンでも、すべてがキュンとする。可愛い。国民的アイドルとはお前の事だ。

小栗旬の実写版映画のルパンには色々言いたい事があるが、全部の不満をひっくるめても玉山次元の料理男子設定に不覚にも全てを許した。お料理にナツメグ使う系次元ちゃん尊い……!!!!


ルパン三世 The Fast

シリーズ初めての3DCGによる映像作品は、観に行く直前に仕入れた情報「監督が、ドラクエファンを激怒させたという例の監督さん」だという事で半ば覚悟して観に行きました。実写ルパンを耐え抜いた私だから大丈夫…!

とっつぁんがルパンに取引持ち掛けるなんてシーンが無い限り、大丈夫…!!(実写ではあった。私は激怒した)

ネタバレを含みますので、これから鑑賞予定の方はご遠慮ください。




次元ちゃん安定の可愛さ!!(まだ言うか)

次元ちゃんの基礎知識として帽子の下の前髪があるか、無いかってのがあるんですけど、

今回は無いバージョン、つまりオールバック次元だったわけで!

それだけで監督GJ!ってもんですわ!!よくわかってるね!よくわかってるね!!(血の涙)

はい、すみません、落ち着きます。

中盤とっつぁんを呼ぶ所とか、終盤とか「ルパンだったらこう来るだろうな」って所はすごくファンとしては読めてしまったぶん、よく作られてるな、と感じました。ルパンへの愛はちゃんと感じました。

ただ、テレビ予告であんだけ謎めいていた「ブレッソン・ダイアリー」のカギが些かあっさり開きすぎな気がしたけど。

「このカギに彫り込まれてるアルファベットでできるキーワードってなんだよ!」ってレティシアしかねぇよ!!あそこだけ二人共知能指数低くなりすぎだろ!!

ってやきもきした時間もあったけど。

ルパン作品が好きな者からしたら、謎解き部分がちょっとな…とは思いましたがアクションシーンとカーチェイスは◎。

ルパンを語るにはカーチェイスなんですが、まあぶっちゃけ物語の大半はお空の上で繰り広げられるので、そのカーチェイスも「ICPOとだけですか、そうですか…」と若干残念に感じた次第です。

ルパンたちがよく作られてる分、レティシアや敵キャラ達はもう少し書きこんでも良かったかなぁっていうくらい。いくら養護院出という背景を加味しても、「例の事って大学の事かーい!」と内心突っ込んでしまいました。

うーん、なんか……浅い。

レティシアを足蹴にしていたランベールが、突然レティシアをかばったりな。「わからん…体が勝手に…」って言い訳しちゃう意味が分からん。「情が移ってしまった」という事は所々分かりやすく匂わせていたけれど、明らかに薄い。ぺらっぺらだな、ランベールおじいさま(笑)

ゲラルトは、もっとよく分からなかった。だから最終決戦なんてなんか、本当に、よくわからなかった。

斬鉄剣の件りの五右衛門、すぐ寝っ転がっちゃう次元ちゃん、ルパンの使いどころをよくわかってる不二子ちゃん、とっつぁんの執念、根性、人情。そしてスタイリッシュにすべてをやってのけるルパン。

それらは本当に良かった!でもなんか、「ルパンファンが作った映画作品だな」って感じでした。世界観への愛情は感じたが、でも、なんか、もう一味欲しい。そんな映画でした。


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