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漠然とした憧れだけでテレビ局、新聞社に就職したかった ~わたしの就活を振り返る~
結局わたしは何になりたいんだろう。
大学4年間、ずっとずっと考えていました。“やりたい”も“なりたい”もないことが本当にコンプレックスでした。
やりたいことがなかったから、いつかやりたいことが見つかった時選択肢を狭めないようにという指針だけで高校も大学も選んできました。
大学3年生6月そろそろ就活、夏インターンの時期。入学当初から卒業後は地元に帰ると決めていたわたしは地元の企業に絞って就活を始めました。やりたいことは分からないけど、地元のために働きたいという点は譲れませんでした。
それなら地元のテレビ局とか?新聞社もいいな、なんかキラキラしててかっこいい。あの社屋でわたしも地元のためにバリバリ働きたいな。
そう思ったわたしはすかさず夏インターンに応募。本選考よりも夏インターンのほうが通るのが難しいんだよなんて言われたインターンも参加することができ、わたしもあのキラキラした社員さんの一員になれちゃう?なんて思っていました。そしてインターン参加でわたしのマスコミ業界への憧れは最高潮に。この場所でこの人たちとわたしも地元のために働きたい、そう強く思いました。
キラキラした世界への憧れだけが先行したまま季節は冬に。ESに取り掛かったわたしは薄々自分の表面的な考えに気づき始めました。書けば書くほど、考えれば考えるほど違和感が。
何となく地元で実現させたいこと、思いは浮かんできたけどこれってテレビ局じゃなくてもできるよな。むしろ、テレビ局じゃないほうができるんだよな。
でも、そんな違和感を抱えながらもあのキラキラした世界への憧れは捨てられませんでした。自分の辿ってきた道を何とか頭の中で正当化させながらESを作成、提出。書類選考の結果は、テレビ局は2/4局通過、新聞社も通過でした。どこも倍率が約100倍で書類で一気に落とすと聞いていましたが、書類通過率はそこそこでした。
そして迎えた一次面接。テレビ局は2局はどちらもここで不合格。オンライン実施で面接時間はそれぞれ10分、20分。面接をする前はこんな短時間でわたしの何が分かるのだろうと思っていたけれど、面接後には自分がこの会社に入るべき就活生ではないこと、わたしが1番よく分かっていました。
全然的を得た回答ができない。自分でもしっくりこない。表面上の憧れなんて、一瞬で見透かされてしまうのです。
一方新聞社はオンラインで実施された一次面接、二次面接は通過。面接ではところどころ違和感を感じてはいたけれど、上手くいかないところもあったけれど、通過の連絡をいただくたび一歩ずつ憧れの場所に近づけている感じがして浮かれ気分でした。
そして迎えた三次面接。本社での面接でした。浮かれ気分のわたしは何度も立ち入ったことがある場所なのにも関わらず前日にしっかり下見をし、憧れの場所で働く自分の姿を思い浮かべました。
三次面接で聞かれた質問、
この会社でどんな仕事、どんなことでもやりたいってことですか?
上手く答えられなかった。
そう、そうだよな、わたしはこの会社の一員になりたかっただけ、この会社のキラキラした社員さんに憧れていただけ、このキラキラした世界に憧れていただけ。
結局この核心をつかれる質問に“用意していた”やりたいことなんて、自信を持って答えられませんでした。頭が真っ白になりました。表面上の憧れだけでここまできたけれど、全部見透かされました。
強い憧れがあったから、これが自分のやりたいことなんだと思いたかった。これが自分の将来だって思いたかった。でも多分違う、薄々気づいていた。
数日後に来た不合格通知、やっぱりなと思いながらもこれまで浮かれていた自分に恥ずかしくなりました。結局はやりたいことがないというコンプレックスに辿り着くんだなと。
わたしは、テレビ局でも新聞社でもない地元の企業から内定をいただき就活を終えました。
上手くいかないことの方が多かったからこそ気づくことが沢山あった。表面的な憧れに惑わされながらも、惑わされたからこそ自分と本気で向き合う、そんな時間でした。
この長い人生。就活、これからの進路がほんの少しでも、自分の“やりたい”を見つけるための一歩になっていたらいいな。
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