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5月病:名前をつけてみること 

今回は、みんなで5月病をテーマに書いてみませんかと、メザニン広報室から提案をいただきました。

このため、他のカウンセラーのnoteや、メザニンのコラムでも5月病について書かれております。同じテーマでも様々な視点があり、まとめて読むと、読み応えがある企画だと思いました。
よかったら、ご覧になってみてください。

「5月病」が指している症状は「適応障害」の診断基準に近いとする意見が多くみられますが、「5月病」自体は医学上の診断名ではありません。

しかし、正式な診断名ではないことを理解した上で、「もしかして、自分は、5月病かな?」と、この言葉があることによって、セルフチェックのような使い方も出来るのではないかと思います。

●自分の状態に名前をつけてみる

自分の状態に名前をつけてみるのは、「当事者研究」と呼ばれる分野で行われている、自己理解の手法の一つです。
発達障害やうつ病など、自分自身が困っていることについて、理解を深めるために、自分だけのオリジナルの言葉として「自己病名」をつけてみます。
もともとは、医学的な診断名のある人が、症状のメカニズムや解決を専門家に丸投げせずに、自分個人の状態・症状などの理解を深めるために始まった手法ですが、最近では医学的な診断名のない人にも対象が広がっているようです。

ここからは、私が自分に対して気になっていることを当事者研究して、自己病名をつけてみます。

私は仕事でPCに向かって文章を書いたり、調べものをしたりと、デスクワークも多いのですが、その際につい集中しすぎて、呼吸が浅くなるか、完全に止まってしまうことがあります。このため、締め切りが差し迫っているなど、何時間も集中が必要な仕事の後は、呼吸をしていなさすぎて酸欠で頭がクラクラすることがあります。

すでにこの症状には名前が付けられていて、ハフィントン・ポストのリンダ・ストーン氏が「電子メール無呼吸症候群」という造語を生み出しています。この言葉を知った時に、まさに自分もこれだなぁと思いました。

さて、当事者研究では、さらにこれを自分オリジナルの状態にまで落とし込んで名前をつけていきます。
私の場合は「メール無呼吸:PC文章作成時発生型・歯を食いしばりタイプ」という自己病名を考えてみました。 

本来は、これを複数人とグループワークで話し合ったりして、理解を深めたり、対処法を探していくのですが、個人で自己病名をつけてみるだけでも、いろいろと見えてくるものがあると思います。 
こうして短いキャッチフレーズにすることで、今度から文章作成の仕事の時は、「メール無呼吸に気をつけよう」と、思えますし、「歯をくいしばりタイプ」と、まで細分化しているので、自分の顎の筋肉が緊張しているかな?それとも、程よくユルユルできてるかな?と、身体の状態にも気づきやすくなれます。 

このように、自分の言葉でラベルを貼ってみて、眺めてみる、という手法は、自己理解を深めるための一助になるかなと思います。
また、これは必ずしも「◯◯病」と、病名ばかりにする必要はなく、自分の強みとして認識する時にも使えます。 

例えば、先程の「メール無呼吸」の自己病名ですが、裏を返せば、それだけ集中力があるということです。このため、自分の強みに名前をつけるとしたら、「文章書く時、集中力を爆発させるチカラ」とも言えます。つまり、私のメール無呼吸は集中力という良さの出すぎた所、という視点も忘れずにいたいなと思います。 

自分の状態に名前をつけたり、誰かと考えてみたくなった時は、カウンセリングがお役に立てるかと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
カウンセラーSATOMI
編集:メザニン広報室




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