ゲームから始まる神と人々のすったもんだ

※この記事にはゲームキューブソフト【ギフトピア】のネタバレが含まれます。
その上、２０年ほど前にプレイした記憶を元に書いてます。
その点、よろしくね。

オルタナティブRPG【ギフトピア】

私にはもう1度やってみたいゲームがある。

今でこそこうして見えない存在や見えない世界に関わって生きている私だけども、小さい頃はゲームが大好きでやっぱりそんな私の心に残るゲームってやつは神々との関わりを知らず体験するものが多かった。

その１つが【ギフトピア】。
今となってはプレイすることが出来ない懐かしの神ゲーである。

ギフトピア - Wikipedia

あらすじをちょこっと話すと舞台になるのは神が宿る島ナナシ島。
この島では大人になるには【大人式】というものを受けなければならない決まりがある。
主人公(私)はそんな自分の大人式をうっかり寝坊してしまった男の子、確か名前はポックルである。
(やっぱりめっちゃ覚えてる。)

島に住んでいる島民は、みんな個性的。
そして、みんな何かしらの事情を抱えている。
島唯一のコンビニを営むギャルママ、そんなギャルママの父親がいない1人息子、そんな1人息子を遠くから見守るガテン系、決まりを守ることに命をかける村長、みんなから変人扱いされるシャーマンのおじいさん。

今、プレイしたら私は彼らに何を感じるんだろう？
あぁ、やっぱりもう1度やってみたいな。

大人になるってどういうことなんだ！？

プロローグで大人式をすっぽかしてしまったポックル。
これからどうなるのかなーとコントローラーを握り締めていた２０年ほど若い私。
なんと初っ端から大人式をボイコットした罪で投獄され、その上囚人服に手錠に足枷、顔にはご丁寧にモザイクまでかけられてしまった。

私は震撼した。
『大人式をするってそんなに大事なことなのか！？』と。
ポックルは再び大人式をするために資金の500万マネを貯めることになったのである。
当時の私はとってもモヤついた。

大人式をうけたから大人。
人はそれだけで大人になれるのか？
そして、大人式を受けないと大人にはなれないのか？

島の変わり者のシャーマンおじいさんは言う。
『私は大人式をうけていないがこうして年を取った。
大人式をしなくても大人になれる。』
同時に私は思った。

【大人式をうけても大人になれない人もいるってことだね。】と。
ポックルは自分の大人式の資金を集めたり、島民の願いを叶えたりして、大人になるってどういうことなんだろうに向きあっていく…というストーリーだと私は思っている（笑）

ゲームの中で神と人々のすったもんだを体験して、その後リアルに神々と人々のすったもんだを見ていくことになった私の礎の１つである。

神様に奉納するのは。

この島に宿る神様の祠がポックルの家の隣にある。
今では誰も足を運ばない寂れたその場所。
ポックルはその神様の祠から勾玉のようなものを賜り、島民の願いを吸い込ませて【ネガイダマ】に変え、島民の願いを叶えて【ネガイダマ】を【カナエダマ】に変えて神様へと奉納する。

これによって神様が成長して、ポックルの行動範囲やら行動時間が広がっていくのだ。

私は今でこそ思った。
神社に行って神様にお伝えするのは【ネガイダマ】じゃなくて、本来は【カナエダマ】なのだ。
それによって神様は成長したり、力をつけたりしていくのだと。

『うう…！
さすがじゃ…！
そう受け取ってくれるとは…じゃからお前さん、神に愛されるんじゃ…わしみたいな！』

うっわ！
ビックリした！！
伊奘諾のおじいちゃん！！

『なかなかに良いゲームじゃ。
今のお前さんがやったら受け取り方も変わるじゃろうて。
神々はいつの間にか願いを言われる立場になったがの。
神々が1番その身に力を宿すのは【カナエダマ】を奉納された時なのじゃ。』

…人がたくさん出入りするような神社さん。
その【ネガイダマ】と【カナエダマ】のバランスが崩れてしまったらどうなるの？

『神とて人との関係によって変化していく。
人の【ネガイダマ】と【カナエダマ】のバランスによって神社自体は綺麗で手入れされ、管理され存続したとしても神としての存在が弱まるということは確かにあることなのじゃ。』

神様と人の営みは常に繋がっているんだね。

『うむ、そのゲームの中の【ネガイダマ】は人々の人生や営みの中から生まれるもの、また【カナエダマ】もそうなのだ。
お前さんはそれを既に２０年前に感じ取り、神々と人々の関係性や人々の多様性を学んだのだな。』

あー。
やっぱりもう1度やってみたいな【ギフトピア】。
間違いなく今の私の生き方や感性に多くのギフトをくれたゲームだから、今だからこそもう1度やってみたいよ。
この記事を読んだ人で興味が出た人はぜひちょっと調べてみてほしいな。
そして出来ればプレイしてほしいな。
まさしく神ゲーだから（笑）