立憲民主党の政権交代への挑戦。

 2024年9月23日午後、泉代表(50)の任期満了に伴う立憲民主党代表選挙は、東京都内で開かれた臨時党大会で投開票が行われた。予想通り野田元首相(67 衆院千葉4区9期)が新代表に選出された。
 同氏は「本気で政権を取りに行く覚悟だ。戦いはもう今日から始まる」と挨拶し、「今日からノーサイドだ。挙党態勢で政権を取りに行こう」と団結を呼びかけた。野党第1党の党首として政権交代へのリーダーシップが期待される。
 当初、代表選には出馬に慎重な姿勢を示したが、党内から野田氏の安定感と経験を求める多くの要請を受け、決断したというが、本人は最初から出馬に意欲満々、盛んにPR活動に奔走した。今回は長老で2回の政権交代を成し遂げた小沢氏の支援を仰いだ。今後の党の運営にその影響が強く出る可能性があり、それが良くも悪くも、選挙の顔として期待される。
 年内に行われる可能性が高い衆院選に向けて、野田氏は経済対策の失敗や裏金問題、旧統一教会、防衛費2倍増などで支持率が極めて低い自由民主党を過半数割れに追い込むと強調した。
 場合によっては自民党に失望した自民支持層の心をつかむとして、また一部の議員を取り込むつもりで、日本維新の会や国民民主党も含めた野党連携を強化する計算があるようだ。
 共産党との関係については対話をできる関係が必要だが、同じ政権を一緒に担えるかと言う点について連立政権の可能性を否定した。といっても、政権交代には他の全野党との協力体制の構築が急務であり、共産党やれいわ新選組などとも可能な限り候補者調整が必要である。
 野田氏と言えば、民主党政権の最後の代表で、自民党に政権を明け渡した張本人で、その後野党となった民主党のメンバーは離合集散を繰り返した。その間に安倍元首相にして
自民1強、安倍独裁体制を築かせた。
 もう一つの責任は消費増税で、税率を5%から8%、10%へ2段階で引き上げることを決定した首相で、消費税増税は経済低迷する中、さらに冷や水を浴びせる結果となり、長期にわたって景気を低迷させる原因を作った。消費税への対応についてはベーシックサービスを実現するには、財源として含まれるとした。この時期に安易に減税するのではなく、現状維持が基本だと主張した。
 今のところ、新しい自民党総裁の石波氏は、政治と金の問題、最低賃金の引き上げ、労働分配率の改善などを打ち出している。これらの政策は、どちらかと言えば野党が主張する政策と言える。
 野田氏の立場は一層苦しくなった。

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