電気自動車(EV)の普及について。

 世界的に車の電動化が加速し、2022年7月世界で新車販売の1割、77万8千台がEVで、新時代に突入したと言っても過言ではない。しかし、この30年ほどの科学・技術の驚異的な発展を見ると、もっと速く進歩しても良かった。
 21年のメーカー別ランキング上位20位の販売台数の合計は、476万3千台を示した。1位はテスラで販売台数は93万6千台、2位の比亜迪(BYD)は59万4千台を販売した。
 上位20位以内の中国メーカーは、BYD、上汽通用五菱汽車、上海汽車集団、長城汽車、広州汽車、小鵬汽車、長安汽車の8社で、ドイツはフォルクスワーゲン、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディの4社、その他の欧州メーカーはボルボ、ルノー、プジョーの3社が入った。
 電気自動車の実用化は10年程度のことで、ガソリンエンジンを主体とする既存の自動車メーカーではなく、電機メーカー、家電メーカー、モーターメーカー、蓄電池メーカーなどが製造するのではないかと思っていた。
 わが国はそれがそうではなく、既存の自動車メーカが電気自動車の製造を引き継ぐようだが、外国では新規参入の企業も多い。これではこれまでの利権の上に新しい利権が加わり、思い切った規制緩和ができない。
 電気自動車(EV)の開発や生産には、電池を含めて多額の投資が必要で、思惑通りに需要が伸びる保証はなく、車メーカー各社は道なき道を切り開くような厳しい経営判断を迫られるという。しかし、性能が良く、廉価な車は飛ぶような売れ行きを見せるのが普通で、いずれEVが主流になる。
 中国では20年後半以降急速に市場が拡大した。14億人の生活を変えるような格安EVが出現し、60万円台半ばの価格で売り出された。外国のEVは日本市場参入を狙っており、大挙してわが国に上陸する時期が迫りつつある。
 中国のEVの普及は始まったばかりで、現在でも電動二輪、電動三輪は中国社会には欠かせない移動手段となっており、年4千万万台の電動二輪、年千万台の電動三輪の販売がある。
 車は子どもの送り迎えから宅配便やフードデリバリーまで必要である。さらにもう一つか二つタイヤを増やして四輪にすれば、もっと安定性が高まり、荷物も積めるという素朴な発想から、小型EVが誕生した。
 まだこの辺りはカオスの状態で、電気自転車のシステムにタイヤと屋根を足しただけの10万円程度で購入できる激安の車があったり、金物メーカーが販売するボディをシャーシの上に置くだけという車もあったりするようだ。電動自転車に毛の生えたような程度の車なら、明日からでも低速EV販売会社が開けそうな熱気があり、大きな革新が起こりそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?