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自己紹介にかえて

 私は自己紹介が苦手だ。自分のことと言われると何を話したらいいか分からなくなる。年齢、出身、年収なら言える。身長とか、体重とか。でもそれって自分のことを話しているんだろうか。まあ、サン=テグジュペリのいうところの「おとな」は数字が大好きなので、そういうデータを見てきっとこっちをわかった気になるんだろう。インフォ・グラフィックスとかいうグロテスクなものが世の中を席巻してるのと同じだ。

 でもそんな自己紹介はつまらないので、私は自己紹介をしてくださいと言われたとき、たいてい自分の好きなものについて喋ることにしている。SF映画が好きとか、ゲームが好きとか、お城があって、大きい川があって、田んぼのある町に住んでいることとか、打ちっぱなしのコンクリートの壁の自宅で過ごすのが何より好きとか、そういうこと。好きなものだったらいくらでも話せるし、もし同じものが好きな人がいたらそれをきっかけに話せるし。

 そんなわけで、自己紹介は苦手だけど、キライなわけではないです。今回もnoteの一つ目の記事だからと、自己紹介のための文章をせっせと書いている。さて、自己紹介にかえて、好きなものをつらつらと書いてみることにしようか。

・好きな本
 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」フィリップ・K・ディック
 SF映画が好きになって、SFといえばこれみたいな小説をいくつか買ったけれども、ちゃんと読破したのは実はまだこれとあと一冊だけだ。
 世界観と、刑事物っぽいスリルが心地よい塩梅だった。

・好きな人
 桜井政博さん
 星のカービィの生みの親。だけどカービィが好きだから開発者も好きになったというわけではない。大乱闘スマッシュブラザーズ関連のYoutube動画でものづくりへの誠実さを感じて好きになった。上司だったら怖そうだなあとは思うけど。

・好きな映画
 「スカイ・クロラ」
 初めて小遣いで観に行った映画がずっと心に残ったままだ。SF好きもアニメの趣味も、だいたいこの映画が根底にある。わかりやすい起伏のある物語だけでなく、散りばめられた暗喩を読み解く物語が好きになれたのもこの映画のおかげ。

・好きな音楽
 「.」または界隈曲
 活動終了したとあるインディーズ作曲家のファンたちが、その作家性を模倣して制作した曲を指して「界隈曲」という。インターネットミームの特徴をよく抑えた文化だと思う。

・好きな漫画
 「王子様と灰色の日々」
 貧乏な女子高生が自分とそっくりの顔をした金持ちの男子高校生のふりをすることになってしまった話。たった4巻しかない中に、静かに、誰かを大切にすること/されることについて描かれている。

・好きなアニメ
 「桜蘭高校ホスト部」
 原作漫画ももちろん好きなのだが、アニメになったときの画面や展開の完成度がものすごく高い。監督の作家性がまたいいエッセンスになっている。映画ではなくテレビアニメシリーズ26話でこれをやってのけるおそろしさ。

・好きなゲーム
 「FINAL FANTASY IX」
 女好きだが義理人情に厚い義賊の主人公がひょんなことから世界を救う話。ただ本人にその気負いなく様々な人を助ける精神性がまた愛しい。種族や性別の区別なく仲間にしていくところも。作中のセリフは人生の指針になるものばかりだ。

 これから、どうぞよろしくお願いします。

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