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ドイツ旅行記

茶グマの群れの中
幼い私は
宇宙飛行士として
雪国の中を歩いていた
目の前にいる
クマたちは
私を導いてくれる

違国の地である私にとって
カメラをぶら下げる異邦人にとって
この白はあまりに居心地が悪く
肌が慣れるまで時間がかかった

4足のクマ
高さは私と変わらず1.5m
しかし、2足になった時
彼らは2mいくだろう

彼らと同じ目線でいても
どこか高い視点をもっていると思う
そして、この違国の森を散策しても
ある程度は平気なのだと思う

私たちが出会って
一緒に行動するのは必然的だった

周りを歩くシロクマの中
目の前を横切る木こりの背中を見て
遠くを走ってる鹿を追いかけた
自分が
自分たちだけが
どこか異人であることが分かり
ここに居るべきではないと思って
走るのをやめた

そして、出会った

最低3回
1日の中、私はヘルメットを外さないと
息ができなかった
その都度、近くの雪原に
崩れるように落とした
そして、額の汗が引くのを待ち
再び歩こうと言った

言葉が通じるのは彼らしかいなかった

彼らは茶色いクマである


※この創作物は、今ドイツを観光している最中に
 書いている。そのため、旅のエッセイみたいな
 ものである

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