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イタリア旅行記 |夜

雪原
のしたには
石畳が続く

凸凹の道を歩くのも得意になってきた

背中にタンクを背負い
ヘルメットをつける
そんな格好は自分のみで
周りのヒトはどこか
社会に溶け込んでる気がする

私たち仲間は不機嫌な空気に包まれていた
旅の中で
決まった行動、共に同じ宿を過ごす仲として
こうなることはいつでも覚悟していた

私はヘルメットをつけたまま歩き、
息苦しさにも気づかず
どこか
違うどこかへ
知らないところへ逃げたいと思っていた。

先に見える通りを
右に曲がって、目の前の仲間から姿を消そうか
、と思って私は道端の店に入った。

仲間は振り返らずに歩いて行った

店の中に私の居場所はないようで
でも、
ここにしか逃げ場がないと感じた
店の中は
洞窟の岩肌と
光沢なもので
一度だけヘルメットを外すと
私が触っていたものは
ただのコンクリートで
光沢で宝石だと思ってた物は
ただの豆電球だった

店を出て
右を向くと、道の先の方で止まって振り返る
仲間がいた
不機嫌だったのは、どこか掴めない心があったのは
自分だけだった

メットの苦しさで
息ができないなか
私はそろそろどこかに帰りたいと思っていた

※これは旅行記を勝手に物語として描いたものです

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