見出し画像

2020年上半期お気に入りスト:柔らかい編

まえがき

前回:重たい編からの続き。今度は柔らかめという所で、前回よりは万人にお勧めしやすいチョイスになってるんじゃないかなあと思う。本人は緩急ごちゃまぜで聴くのが常なのでリストとして分割されているとむしろ新鮮だったりする。
改めてルールは以下。

- 2020年1月~6月の間に購入して聴いていた音楽が対象
- リリース年は気にしない
- 基本的に順不同

 「This Heart」by  Loah

アイルランドのR&B / neo-soulシンガーによる2017年作。
芯のあるヴォーカルラインを主軸に、アフロビートや民族音楽の要素が丁寧に脇を固める。
この手のジャンルは全くの門外漢で購入もめちゃくちゃ珍しい。基本的には解像度低い「ええこえやね」の感想に留まる。

「Frame and Curiosity」 by Nikolov-Ivanovic Undectet

フランスのジャズグループによる2019年作。アコーディオン奏者を擁する構成が独特で、Ethno Jazzと類される民族音楽的な要素を取り入れたどこか旅情を感じるゆったりとしたアンサンブルが楽しめる。

「5」by SAULT

UK産ポストパンクバンドによる2019年作。
曲ごとの個性に幅があり背景となる音楽素養がどこまで広いのか測りかねる独自の癒しサウンド。アフリカンなパーカッションが目立つがエレクトロやファンクの色も濃い。捉え処がないがとにかくグルーヴィーで、ゆったりとした空間で浸るように聴きたい一枚。

「Momentum」by Sunnyside

オーストラリア産2019年作。強めのドラムと小気味いいギターが踊るfunkの妙味よ。11月のリリースだが、カラっとした熱量あるサウンドはこれからの暑い季節にとても合う(と書いたところで、11月のオーストラリアが夏である事に思い至る)。

「Blueprint EP」by Odd Chap

ニュージーランド産2018年作。ひところサブカル界隈で賑わったElectro Swingのおしゃれダンサブルなサウンドは気分を上げる時の音楽にうってつけだ。「スチームパンクの比喩」「”驚き”の詩的表現」といった表現の似合う、キャッチーな魅力に溢れた一枚。

「Cheap Dreams」by Foilverb

日本のチップチューンアーティストによる2020年作。
チップチューンはゲーム的な印象から『冒険』のエッセンスを強く感じがちだが、このアルバムについてはその独特の柔らかさゆえに『旅情』くらいにトーンダウンした空気になっている。
個人的に引っ越しのタイミングで聴いていたこともあり、旅立ちの季節に似合う、贅沢な一枚として印象に残った作品。

「Year of the Dog」by Polyenso

St. Petersburgの3人組による2019年1月リリースのEP。こちらについては既に言及済みなのでそちらを参照ということで。

「Arche」by mouse on the keys

東京のジャズユニットによる2020年作EP。ピアノふたりにドラムという編成だが、今作はベースのサウンドが交ざりやや雰囲気に変化がある。切々と迫ってくるような核心の部分は健在。雨の似合うジャズピアノ作品として今時期にも合う。

「General Dome」 by Buke and Gase

NYのミニマルロックユニットによる2013年作。可憐なヴォーカルと鋭角的なリフ捌きの取り合わせが絶妙で、ヘヴィにもソフトにも偏らないバランス感覚が素晴らしい。素朴でスパイスの効いた滋味あふれる一枚。
2020年にもリリースしているので、そちらもチェックしたい。

「Prisma」by Prisma

フランスのタンゴ/ジャズユニットによる2016年作。
しっかりタンゴだがエレクトロ色も強く、先述のOdd Chapにも似た温故知新クロスオーヴァーのエネルギーを感じる。バンドネオンの音色が演出するしたりげな空気とエレクトロの冷徹な要素が合わさるとこうなるのか、という新鮮な驚きがある。
facebookでは継続しての活動が確認できるので、次のリリースも楽しみにしたい。

なおこちら出会いのきっかけは↓。彼の音楽話は自分にとって発見の連続だ。tangoで深堀りしていくのは今度やってみようと思う。

・・・

これで10枚。聴き返したりしていると興が乗るもので、徐々に紹介の口上が長引いているのが読み返してておもしろ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?