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「DJENTガイドブック」買いました

書評っぽい何か

10年たってもDjent好きっていう話です。

というわけで先日購入しました。「Djentガイドブック: プログレッシヴ・メタルコアの究極形態 (世界過激音楽)」著:脇田涼平 氏 です。

結論から言うと良書だと思います。既に閉鎖されたポータルサイト(got-djent)の話題や、国内外問わずここぞという人に焦点を当てた充実したインタービューなどなど。懐かしく読めるネタがしっかり盛り込まれていて、本に残す意義を見据えて作られている印象がありました。一方でディスクガイドとしてのチョイスの幅広さも確保されていて、2020年の新しいアルバムまでちゃんと入っているので懐かしいだけに終始していない。マイナーな1枚を探してニヤニヤできるのも素直に嬉しいところです。

当然ながら知らない作品も沢山で、世界広いなとしみじみ。

ひとつ不満があるとすると…ディスクガイド部分にAtoZ索引が無いことでしょうか。地域→国→AtoZという並びになっているので「あのアルバム採り上げられてるかな~」と自分のお気に入りを探す、という読み方をするときにやや煩雑でした(自分のお気に入りがどの国出身かちゃんと把握しとけという話でもある)。

まあ、この種の本は普段ほとんど手にしないので比べてどうこうみたいのは言えないんですけども。インタビューも個人的には基本興味のないコンテンツでして、細かい良し悪しまで突っ込んだ感想は言えなかったりします。

何はともあれ。真摯にまとめられた読み応えある一冊として推せます。

そして振り返り雑談

何を隠そう私もDjentが好きでして。2010~2012年ごろは特に積極的に買い集めてブログやらなんやらに情報を落としていたひとでもあります。

↑この記事も2012年末ですが、ガイドブックでの言及と概ね似たような主張をやってると思います。というかこの本読むのも答え合わせみたいな感覚がうっすら脳裏にありましたね実際。

答え合わせついでに、ガイドブックでの扱いは小さいが個人的に超好きなものと言及の無いバンドの作品を数枚挙げたいと思います。あとがき曰く敢えて執筆リストから外した作品もあるみたいなので、そこを突いて補完っぽいことをしようという作戦。

"Bar-Do Travel" by Proghma-C 

ガイドブックでは73pに掲載。

ダークで幻想的な空気を主軸にした音はあんまりスラッシュ然としておらず、Toolなどに雰囲気が近い。2009年作の本作以降リリースが無いので、たまーにネットで動向を探りつつ聴き返す、みたいなことを繰り返しています。

いまCD流通どうなってるんだと思ったらspotifyで聴けた。

"Ecstatic Trance" by A Life Once Lost

ガイドブックでは127pに2003年のデビュー作が掲載。シーンにおける重要度は実際デビュー作の方が高い気がする。が、個人的には2012年作のこれ。

「エスニック トランス」というアルバム名に違わず、酩酊感が圧倒的にハマる。特殊なテンションの時の作業用BGMとして長くお世話になっている一枚だったりします。

こちらもspotifyを。

"Amoeba" by HACRIDE

ガイドブック未掲載(のハズ)。フランスのバンドです。目下の最新作は2017年リリース。

ポストメタル然とした叙情性を強く持ちながら、界隈特有のリズムセンスもふんだんに取り込んだスタイルが非常に魅力的。そして、2ndとなる今作には、特異点めいた曲が収録されています。

それがこれ。カヴァー曲です。「Ojos de Brujo」というフラメンコとヒップホップを融合させるスタイルのバンドによる楽曲を基にDjent味へ仕立て上げたという逸品。情報量の渋滞っぷりが凄い。

比べて聴いても面白い。

閑話休題。
カヴァー曲以外ももちろん格別です。アコギの醸し出す荒涼とした雰囲気と不協和音を活用した狂気スラッシュがないまぜになった"Fate"など、他にない魅力が詰まってます。

"LMNTS" by RXYZYXR

こちらもガイドブック未掲載(のハズ)。今作は2012年作ですが、2018年にもインスト作を出しています。

乱暴に言うと、非常にMeshuggah寄り。ドゥーミーな空気でグルーヴを展開させる手腕は無類の引力があるというものです。その中で今作はクリーントーンの利用やエスニックな要素のトッピングも散見され、独自の聴きやすさも。バランス感覚のある逸品です。

bandcampだけかなと思っていたけど、こちらもspotifyあった。

そして振り返り雑談後半

twitterの過去発言を掘り返してみたのでかいつまんで。twitterアカウントが当初ブログ宣伝のために作ったものというのもあって、結構頻繁に言及している。

ちかくて遠いFear Factoryの音楽性。

2012年ですでに一度シーン飽和してたという認識で、この時点で結構な細分化があった。

2021年現在が廃れた後かどうかはさておき、ゆるっと追っかけてます。

2013年の私、流行りという視点では結構悲観的。ちなみにというか、音作り方面は全然掘り下げてなくてリフのリズムにずっと注目していた関係もあって、そういう意味では狭い視野での見解である。

ぼんやりとした観測だけしている。

「収束した」と見ている2015年の私がこのガイドブック発刊を知ったらどういう顔しただろう。いまと大差ないか。

2012年の私は結構息巻いてました。

ブログ一番書いてた頃はタワレコでバイトしながら音楽ライター目指してました。今?いまはクラウドインフラエンジニアです。それはそれでなんでやねん。



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