第118回医師国家試験参戦レポ①

初投稿です。第118回医師国家試験を受けてみたので記録です。前日~Aブロック編です。3つか4つくらいに分けて書きます。


はじめに

これは私個人の感想や経験をもとに書かれた記事です。全員に当てはまる内容ではないので参考程度にお願いします。

勉強法やコンディション等は後回しにして、とりあえず国家試験当日やその前後のことを書き連ねたいと思います。参考になれば幸いです。

試験前日(持っていくもの)

ホテルは前日入りでした。この日は昼過ぎくらいからQBをちょこちょこ解いてました。なぜかこの日が一番緊張していたような気がします。

慣れないベッドで寝られるかなと不安に思っていたのですが、友達曰くスマホ置いて10秒で寝息を立てていたそうです。ナルコレプシーかも。

前日にやっておくべきことは、明日持っていくものの用意です。

・受験票

・写真付き身分証明書(受験票忘れたときに使えるみたい)

・筆記用具(鉛筆、消しゴム、鉛筆削り、黒ボールペン、定規)

・腕時計

・防寒具(上着、カイロ等)

・食料

・勉強道具

・イヤホン、耳栓

勉強道具は最低限でいいです。どうせあんまり見ません。周りの声をシャットアウトしたい人はイヤホン必須です。普通に答え合わせ勢います。

基本的に、受験票、鉛筆、消しゴム、定規以外は机の上に出せません。鉛筆のキャップも外させてました。鉛筆削りは試験官に伝えれば試験中も使わせてもらえるみたいです。

試験当日~試験会場

朝は5時に起きました。いつもは絶対しない朝風呂なんか入っちゃって有意義な時間を過ごしました。

会場に到着したのはだいたい8:30くらいでした。他の大学の学生さんもたくさんいて雰囲気に飲まれながらも、鉛筆を他の人より多く出してみたり、使いもしない定規を机の上に出してみたりして心の中でマウントを取ってました。ちなみに定規は鉛筆の転がり防止くらいにしかならなかったです。心電図や腫瘍径に定規使ってる人は尊敬します。

あと説明はとても長いです。最初は注意しながら聞いているのですが、1日目の終わりあたりからあまり聞いてませんでした。寝てる人も何人かいます。名前と受験番号は後から不安になると困るのでしっかり話を聞きましょう。

Aブロック

ここからは自分が躓いた問題、印象に残った問題、割れ問等を中心に感想を述べていきたいと思います。解説ではありません。問題番号の横には正答率を付してあります。記事の執筆当時の講師速報の正答率なので多少違いはあるかもしれません。

・A1(93.1%)無症状で発見される心血管疾患
例年1問目は難しい問題が出るというジンクスがあるみたいでかなり構えていたのですが、今年はそうでもありませんでした。これで調子に乗れた…はずです。

・A7(86.1%)たばこ対策
118回で初めて躓いた問題でした。喫煙者なら迷わず答えられるんやろうな…と思いながらなんとか正解を選ぶことが出来ました。ちなみに喫煙者の友人は普通に間違えてました。ざまあ。

・A10(78.2%)梅毒
ずっと出る出る言われ続けていた梅毒さん。思ったより早い登場でした。RPRが治療効果判定に使われた気がするな…と思いながらも神経梅毒を選んでしまいました。神経梅毒はどの時期においても見られるっていう記述はどこかにあった気がします。シンプルに勉強不足です。

・A15(94.7%)急性白血病の診断
いわゆる実家問題です。臨床問題の1問目がこの子ですごく助かった人も多いのではないでしょうか。正答率も高めです。

・A19(97.1%)肺塞栓の検査
正答率も高く、病歴や検査結果も肺塞栓そのものです。正答が「胸部~下肢造影CT」だったのですが選ぶ前に腎機能を確認できました。落ち着いている自分に自惚れただけでした。それだけの問題です。

・A21(42.8%)横隔膜弛緩症の診断
118回初の全くわからない問題でした。Bochdalek孔ヘルニアは新生児が専門機関で治療しないといけないレベルの疾患だからこの年齢まで生きてるわけないよな…と思って切りました。他の疾患も病歴と画像が合わなかったため切れました。国試で見たことのない選択肢って選ぶの怖いですよね。と思ったらどうやら91回で出題されていたようです。でも私は許しません。薄い膜なんて見えてません!!!!

・A24(97.3%)コレステロールポリープの治療
確かほぼ同じような問題が直前模試に出題されていたような気がします。正答率も高く、回答を絞るのにそこまで苦労はしませんでしたが、国試本番で経過観察選ぶのが怖かった…。模試だったら迷うことなく経過観察選べたのですが、本番は禁忌の恐怖がちらつきました。ちなみに模試では経過観察で禁忌踏んでました。今回の場合は胆嚢癌だったとしても腹腔鏡下で摘出はしないので切れましたが、禁忌の恐怖に怯えた問題でした。

・A25(54.8%)母子感染症
正答率がかなり低いみたいです。自分はそんなに迷わず消去法でサイトメガロウイルス感染症を選択したのですが、どうなんでしょうね。誰か教えてください。

・A28(60.2%)食道裂孔ヘルニアの診断
これも正答率がかなり低いです。食道裂孔ヘルニアの上部消化管造影を初めて見ました。ここ最近の国試で胃軸捻転が上部消化管造影で出題されていたのでそれに引っ張られた人が多かったんですかね。なんとなく食道造影されてるし、造影剤が胃を通過してるなと思ったので正解を選べました。

・A33(55%)Warthin腫瘍の診断
ワルチンは両側性!!とXで言い続けていたのですが満を持してその通りに出題されました。割れ問みたいなので目をつけておいてよかったです。友人は患者が男性ということで選んだみたいです。ついでにTcシンチも覚えておくといいことがあるかもしれません。

・A35(73.9%)C型肝炎の治療薬
これは1:1対応で覚えていたので迷わずDAAを選べました。これを使ったインターフェロンフリー療法が主流みたいです。軽く割れているみたいなので主要疾患は第一選択まで抑えておくといいかもしれません(他人事)

・A43(53.3%)アレルギー性鼻炎の治療
普通に手術選んで普通に間違えました。確かに点鼻ステロイドってすぐ効きますもんね。根治という意味で手術選んだのですが短絡的すぎました。シンプルに反省です。
ここの選択肢では「副腎皮質ステロイド点鼻」となっていますが他の問題では「グルココルチコイド」表記になってますよね。何か違うんでしょうか。わかる人は教えてください。

・A48(86.6%)マラリア
確かマラリアってワクチン開発されてたよな…と思いながらも圧倒的正解である脾腫を選択しました。紛らわしい問題ですが、国試ってbestを選ぶ試験なので他の変な選択肢に惑わされないようにしなければなりません。ちなみに巨大脾腫をきたす疾患はCML、骨髄線維症、真性多血症、マラリア、特発性門脈圧亢進症を覚えていました。これが役立つときが後ほどまた来ます。

・A49(94.4%)Boerhaave症候群の診断
これも直前模試で同疾患が問われていたような気がします。突然の胸痛といえば、急性冠症候群、大動脈解離、気胸、肺塞栓とかが挙がると思いますが、特発性食道破裂も仲間に入れてあげていたのでよかったです。病歴も特徴的で、正答率は高めでした。

・A50(60.7%)Peroneal nerve palsy(?)の診断
英語めちゃくちゃ苦手なんです…。「なんかfractureして足動かなくなったんやな~」くらいしか読み取れませんでした。選択肢もDVT以外わからないですし。橈骨神経麻痺のことを''Saturday night palsy''とか''honeymooner's palsy''とか言ってるよなと思って''palsy''が入ってる選択肢を選びました。結果正解で、日本語訳は「腓骨神経麻痺」らしいです。''palsy''は麻痺っていう意味らしいです。
英語苦手な人も諦めなければなんとかなる、ということを伝えたいです。ちなみに私は英語問題を2問落としました。なんとかなってません。

・A51(82.5%)PSVTに対するATPの投与方法
PSVTにはATP効くよ~とか喘息禁忌だよ~とか言っていたらまさかの投与方法。問題文で喘息の既往は聴取済みでした。さすがです。
「急」がつく投与方法だった気がしたので急速静注を選べました。間違った友人に聞くと、「急速静注な気はしたけど禁忌が怖くて選べなかった」みたいです。確かに急速静注ってちょっと怖い。しっかり勉強していた人は自信もって選べたんじゃないでしょうか。

・A52(82%)Marfan症候群のフォロー
「βブロッカーが治療だ!!わーい!」と思って飛びついたのですがよく見たら誤りを選ぶ問題でした。危なかったです。正答率が少し低めですが、何で割れたんでしょうか。わーいしたんでしょうか。

・A54(96%)冠動脈瘤の原因
川崎病のフォローはしっかりしましょうというメッセージを感じました。「3歳時に発熱と皮疹で入院」で川崎病を示唆してたみたいです。普通に読み飛ばしてました。

・A60(74.5%)高血圧緊急症の検査
高血圧緊急症を疑ったら眼底検査(網膜出血、乳頭浮腫)してね!っていうメッセージのはずです。でも普通に医師やってて眼底検査なんかできるんだろうかと思ってしまいました。直像鏡くらい見れないとなんですかね…。研修楽しみ!!!!

・A61(75.9%)妊婦健康診査
妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群の定義、妊娠中の体重増加等正確に覚えてないと解けない問題です。「HDPなりそうやな~」とか思いながら消去法で解きました。ここら辺は頻出なので正確に覚えたほうがいいかもしれません。

・A63(51.9%)百日咳
「吸気喘鳴!woopingだ!」と思って飛びついたら間違いでした。よく見たら「呼気喘鳴」でした。基本消去法で解く問題で飛びついてしまったのはNG行為でした。反省してます。

・A71(14.9%)カンジダ血症の検査
Aブロックで最低正答率を叩き出した問題。黄ブ、カンジダ菌血症は治療期間決定のために血培を陰性化するまで検査するのは知っていましたが、もうひとつはなかなか選べませんでした。「血培とってるのにβ-D-グルカン測定しても意味あるかな?」とか「カンジダ眼内炎ってあったよね?」とかいろいろ考えた挙句、眼底検査を選ぶことが出来ました。A60もそうですが、眼科以外の問題の選択肢に眼底検査があれば注意したほうがいいかもしれません。

・A74(61.2%)ういるすたくさん(?)
これでんたんだ!と思って選択肢を見たらまさかの3つ。普通の風邪の病状ではないと思いライノウイルスを切り、皮疹がないことからVZVを切りました。急性HIV感染症で伝染性単核球症みたいな症状をきたすそうです。残りの選択肢がライノウイルスとVZVでなければ間違えてたかもしれません。危なかったです。

・A75(99.5%)にけたのかけざん
Brinkman指数の問題でした。ほんとにこれでいいのか?と思いながら20×30を計算しました。初めて掛け算習った時よりちゃんと考えました。正答率もAブロック最高です。

Aブロックのまとめ

1問もったいないミスはありましたが、基本的に勉強不足での間違いでした。周りの声でもAブロックは得点できている人が多かったみたいです。印象に残った問題のMVPは腓骨神経麻痺にあげたいのですが、ただ英語ができないだけなので横隔膜弛緩症がMVPです。何年ぶりの復活なんだ…。何度でも言いますが、膜なんてなかった。

おわりに

だいぶ主観的な感想になってしまって申し訳ありません。ご意見、間違い等ありましたらコメントお願いします。
118回生のみなさんも印象に残った問題やいい問題の解き方があればコメントやDMで教えてください。追加するかもしれません。
119回以降のみなさんは「こんなもんなんだな~」くらいの気持ちで考えてくださると助かります。確実に全問解けなくても案外適当で解けるので重く考えなくても大丈夫です。

長々と申し訳ありませんでした。暇があれば続きも作りたいと思ってます。必修は絞るので次はB,Cブロックになると思います。勉強法とかスケジュール、教材についても合間に書きます。
ご覧いただきありがとうございました。




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