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絵本の翻訳家体験イベントに行きました。

絵本が好きだと言いまわっていたら、こんなイベントがあるよ↓と教えてくれた方がいて、土曜日に巣鴨にある童心社に行ってきた。

JBBY子どもの本の日フェスティバル「ひろげよう! こころのつばさ」〈今年はオンライン 3/5より開催〉 | JBBY

アンデルセンの誕生日(4月2日)に合わせて、毎年3月に複数の出版社がイベントを企画しながら絵本・児童書に触れるお祭りだそうで、調べてみたら今まで知らずに生きてきたことを心からもったいなく思う垂涎の催し物が目白押しだった。
絵本屋さん体験、POP作りワークショップなどある中で目に留まったのは翻訳家体験。これは是非受けたい。

翻訳家体験を受けたかった理由


最近、上の子が小学校の国語の授業で「ずうっと、ずっと、だいすきだよ」という話を習ってきて、その音読を聞きながら、ふと「う」とか「、」が気になり、原題は何だろう?という思いを抱いて調べたところ

「I'll Always Love You」

だったという出来事があった。

英語で言うと極めてシンプルなのに、どうやってこれが 「ずうっと、ずっと、」 になったのか
なんで いつまでもだいすきだよ とか ずっとだいすきだよ 
じゃなかったのか。翻訳家の人は普段どうやって文字や日本語と
向き合っているのか、どのくらいかけてしっくりくる単語に落ち着くのか、色々想像するだけで鼻息が荒くなったし聞いてみたいと思っていたところだったのだ。

ところが、
peatixでさっそくイベント申し込みをしようとしたところ、大きな勘違いをしていることに気が付いた。

参加者名欄が子供の名前を指定してきている!
戻って確認すると、参加資格は小学生以上ではなく小学生のみではないか…!!
受けたいのは私なのに。手を挙げたいのは私なのに!!!

普段は特に思わないのに、娘の若さがうらやましい。
5秒停止した後、付き添いを装って参加してやろうと思いなおし、
本人に許可も取らず申し込んだ。
(当日のイベント2時間前にどこに向かってるの?と聞かれて道々伝えた)

いざ、イベント参加


当日は野坂悦子さんというほんわかした雰囲気のオランダ語の翻訳家さんが、翻訳家の仕事について語ってくれた。

この子はうさこちゃんかな?ミッフィーかな?ふたつ名前があるなんて面白いね 
本当はナインチェって名前なのよって話しているところ。
ナインチェ(こうさぎ)→英訳されてmiffyに 和訳されてうさこちゃんになった

イベント時間が30分のみだったこと、それから小学生向けだったことから深い話まで至らなかったのだけど、自身の翻訳した絵本を紹介しながら
「翻訳家は文字以前に絵をとてもよく見ている」
ということを説明してくれた。

この絵はなんだろうと思って、言葉に置き換えてから、答え合わせのように文章を見るのだそうだ。

りんごがだんだん削れて芯になる絵を4枚見せて
なんだと思う?とクイズを出す
ちょっと食べた 全部食べた と答えている子もいたが、答えは シャク! シャクシャクシャク!
だった。


それを聞いて、うまく説明出来ないけど
人は誰しも翻訳家なんだな と思った。

人は誰しも絵本を翻訳している

人と人は対面する時に大体目の辺りを見るけれど、
絵本を開く時には、ページの端から端までどこをみているかは人によって異なるし、なんなら一人の人の中でも読む度に違うと思う。

きっと文字を除いた絵を見ながら
どんな話かを想像して文字をあてたら
人によって違う話が出来上がっていくのではないか

翻訳された文字に軌道修正されていくけれど
ひょっとすると自分の中のベストな単語というのは別にあって、別の解釈になる可能性もあると思った。

(プロの翻訳家は、それに加えて時代背景や
作者の別作品からどんな作風なのかなどを研究して、読者年齢も考えて言葉を選んでいるようだということもわかった
youtubeで翻訳家が紹介する絵本シリーズの動画もあって、これもまた面白い)

そう思ったら、世界中にある沢山の絵本を
言葉が読めないだけで読まないのはもったいないな
と思った。

学生時代からなんとなくやっていた
海外旅行に行ったら本屋に行って、その国の絵本を買ってくる、がここに着地したのかと密かに興奮した。(読めないから読んであげてない)

今年の自由研究は、集めた絵本を使って
子どもと一緒に翻訳家体験をしてみたいと思う。

子どもをダシにしてど真ん中で講義を聞いて来た絵本好きの大人のお話でした。




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