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削ってみる

グリーンウッドワークという言葉がある。生木を削って、スプーンやボウルをつくることだ。樹木を切り倒して建築に使える立派な建材にするには、材料となる「木」に一定の直径や長さが必要となるし、乾燥という行程、保管場所、加工設備など、僕みたいな素人には想像もつかない道のりに思える。ところがグリーンウッドワークは、生木を削ってスプーンにしましょう、という初心者でもとっつきやすい行動に思える。

岐阜県の森林文化アカデミーの活動が素敵で、久津和先生の書いた本から学ぶことにした。

イギリスではロンドンの都心で働く人が仕事帰りにスプーンを削ったり、スプーンフェスなんていうムーブメントもあるらしい。日本にも広がって2017年から「さじフェス」なんてものも開催されている。

さて、個人的には10年ちょっと前から(2015年あたりかな?)山の管理の話をよく聞くようになった。神戸であれば、六甲山の間伐がどうだとか、里山の管理がどうだとか。人間が手入れしなくなったから山が荒れてきたという課題だ。竹林もその一つ。里に住む人か山の木を切らないから荒れたり、広がり過ぎる。昔からの知恵を継承して、実践する人がいれば山え維持できるとか。人々の生活様式の変化や経済発展による影響が大きいのでそんな簡単なことではないと思うが、自分自身に木を取り扱う知恵やスキルはあるにこしたことない。ありがたいことに神戸にはシェアウッズの山崎さんという哲人(鉄人かもしれない)がいて、色んなことを教えてもらえた。

山は農地よりも巨大で手に負えないと思っていた。ただ関わっていけばいくほど、山も草も黴(かび)も同じように思える時がある。人間視点の黴と、地球視点の山と、どちらも地球上で自身が生存していくための機能と他者と共存するための知恵みたいなものを進化させている。そして、どちらも人間社会に密接に関連してる。地球は自浄作用がある、何があっても復活する強い存在と考えると、人間だけが驕らないように、取り残されないように、滅びないように心がけたい。


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