見出し画像

母の愛ってどんな愛?

皆さんは、母のことを何と呼ぶだろうか。

母?母親?ママ?オカン?

このあたりが一般的な呼び方だろうが、僕は敢えて、「おふくろさん」という少々古臭く、かつぬくもりのある呼び方をしてみたいと思う。だって、「母の味」よりも、「ママの味」よりも、「おふくろの味」って言ったほうが、田舎の素朴な味が表現されそうな気がして。

しかし、母親像は時代とともに変わってきた。今は父とともに母も外で働く時代。ギャルママやママタレなども普通。こうした時の流れには逆らえないものの、僕には何だか腑に落ちないところがある。かつては「人のため社会のためなら何でもしなさい」と叱る母親が普通だったのが、今では「別に他人のことなんか気にしなくてもいいから自分のことを大切にしなさい」と教える母親が増えてきたからだ。

母親として、家族として、家族に愛を向けるのは当然のことだ。でも、その愛の範囲を拡張して、赤の他人にも献身的に寄り添える。そんな普遍性を持った愛こそが本当の愛である。キリストのように、どんな人にも分け隔てなく無償の愛を送る。母の愛とは、そのようなものであるべきだろう。

他人に対して、世の中に対して、献身的になれよと教えてくれた僕のおふくろさんは、既に他界した。でも、だからこそ、心では霊的につながっている。そして今でも雄大な自然を見ると、あの雄大な愛のおふくろさんを思い出す。というか、自然の至るところにおふくろさんが宿っているのだ。

空を見上げたら、おふくろさんは空にいる。雨が降った時には傘になって僕を守ってくれたおふくろさんは、「お前もいつかは世の中の傘になりなさい」と教えてくれた。

花を見つめたら、おふくろさんは花にいる。花は寿命が短いけれど、それでも潔く生きている。「お前もそんな風に強く生きなさい」と、花は教えてくれる。

山を見上げたら、おふくろさんは山にいる。雪が降った時には僕にぬくもりをくれたおふくろさんは、「お前もいつかは世の中に愛をともしなさい」と教えてくれた。


家族だけじゃなく、世の中の人々すべてに無償の愛を与えることを、おふくろさんは身をもって僕に教えてくれた。そんなおふくろさんの愛に対して、僕たちはどんな風に応えればいいのだろうか。よくありがちなのが、「いつも心配かけてばかりの、いけない息子の僕でした」という風に、感謝と謝罪の気持ちを述べることだ。でもそれは個人的な範囲にとどまっている。そうではなく、おふくろさんが教えてくれた真実を忘れることなく、世のため人のために普遍的な愛を与え続けることが、真の意味でのおふくろさんの愛に応えることなのではないだろうか。



#おふくろさん #森進一 #川内康範 #猪俣公章  #歌謡曲 #昭和歌謡 #昭和ポップス #歌詞 #ShowaLyricNote


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?