先日、2011年11月にフランス・パリで開催された「第21回世界空手道選手権大会」の女子個人『形』の部で初優¬勝した宇佐美里香選手の動画を観ました。私はその存在さえも知らなかったのですが、『形』という競技は、相手と拳を交えて試合をするのではなく、ひとりで『カタ』だけを披露する審美競技です。
個人的には、審美競技というのは観戦するのに今一つ興味を惹かれない競技であり、ましてや、空手の『形』となるとその何たるかさえ全く知らないので、観ても面白くないだろうなと軽い気持ちでそのYou Tube動画を再生し始めたのです。
するとどうでしょう。はじまるとすぐに引き込まれ、その美しく、力強い動きはもちろん、静止している姿からにじみ出る『気』とでもいうのでしょうか、それに魂を揺さぶられます。動画が終わるその最後は会場総立ちのスタンディングオーベーション、そして涙が止まらなくなって茫然としている自分だけが取り残されていました。
そこで素晴らしかったのは試技だけでなく、実は観客の方でした。試技の終盤までは皆息をのんで静かに見守り、最後には皆で手拍子、そして最後の蹴りが終わると同時に全員がスタンディング。。。何とも感動的な動画です。
そこで感じたのは、我々の日々の活動はすべて相手との共鳴による心の震えに支えられているのだなぁという事でした。どちらが不足していても成り立たない繊細なものですが、もし起これば、素晴らしい瞬間となります。どうか今回のコレクションが皆様の琴線に触れ共鳴するものでありますように。
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