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パキポディウムで見るよく見る植物の学名

生物の基本単位は「種(しゅ)」

生物を形態などの違いにより区別することを生物分類(Classification)と言います。似ている形質を持つもの同士を分けて分類していきます。

分類階級は「界(かい)」「門(もん)」「綱(こう)」「目(もく)」「科(か)」「属(ぞく)」「種(しゅ)」の7段階です。

階級が上になるほどより広い共通点でくくり分けられています。

(例)ヒト(ホモサピエンス)
学名:Homo sapiens

この学名は「種」を表しています。より詳細に位置づけるなら、
「脊索動物門 哺乳類 霊長目 ヒト科 ヒト属 ヒト」となります。

通常は同じ種の個体間でしか繁殖はしませんが、植物ではベンケイソウ科のセダム属とエケベリア属は交配できるものも多いです。

これ動物ではウマ科にウマがありますが亜科にはロバ、シマウマがあり、それぞれ生殖ができることは知られています。

今回はパキポディウムを例にとってどういう種があって、どのように表記されているのか見てみましょう。

varietas(.var)は変種名

変種というのは、各種の内で見られる、種々の型、個体的・集団的な変異、地方による変異種のこと。地域的な変異を「亜種」と呼ぶこともある

つまり 亜種∋変種ということになります

種の集団の中で自然に起きた変異の特徴は継代的に遺伝されていきます。

(例)パキポディウム デンシフローラム
学名:Pachypodium densiflorum var. densiflorum

属名+種小名+「var.」+変種名なので、
パキポディウム属デンシフローラム 変種名デンシフローラム

subsp(.ssp)は亜種名

亜種同じ種でも分布する地域により色や形に違いがみられ、地域間で異なる集団と認められる場合、これらを「亜種」という

(例)パキポディウム グラキリス
学名:Pachypodium rosulatum subsp. gracilius

属名+種小名+「.ssp」+亜種名なので、
パキポディウム属ロスラツム 亜種名グラキリス

この亜種は生育地が同種の仲間と地理的に隔離されており、交雑は通常起こらないが遺伝的には可能とされています。またその地理的な違いにより異なる形態を示すことが多いです。

グラキリスはロスラツムという種の中でも、細長い槍先上の葉を生やす種を指しているということです。

forma(.f)は品種名

属名+種小名+「f.」+品種名(f: forma の略)

(例)パキポディウム ビカラ
学名Pachypodium rosulatum forma. bicolor

パキポディウム属ロスラツムビカラであるがspp.との表記もある

cultivar(.cv)は栽培品種

人為的に選択や改変がされた種

(例)パキポディウム タッキー
学名:Pachypodium cv.'Tackyi'

デンシフローラム(Pachypodium densiflorum var. densiflorum)の縮れ葉園芸種として作出された品種。 名前を「''」シングルクォーテーションで囲う



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