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【おさんぽ俳句】この草のうえに、晴と雨

何日か前のお天気ニュースによると、
今年は十年に一度しかないほどの暑さなのだとか。
え~。
そんなこと言われても。
もう9月なのに。
ということで、秋らしい話でも書きます。


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すこし早く起きた休みの日が
昨日までよりひんやりと感じたら。
散歩に行きたくなるフラグ。
朝ごはんの時間ももったいない。
さっそく出発です。

土手にのぼって川下へ。
残暑が長引いているとは言え、
朝から虫の鳴く、そんな季節になりました。
おっと。
草生の中から伸びているのは
吾亦紅ではありませんか。
高原のような場処でお目にかかる秋の草。
この土手で会うのは、3年ぶりでしょうか。

一本の吾亦紅が見つかると
その周りにも見つかります。
あそこにも。
ここにも。
吾亦紅だらけの土手ではありませんか。
3年前にたった一本見つけた時は
どこかの業者がおこなった草刈りで
咲いている最中に刈られてしまったのに。

歳時記をひらくと「吾亦紅」という季語には
淋しさや暗さといった印象が託されています。
え~?
昔から吾亦紅を見るとウキウキするんですけど。
バラ科の一種と聞くだけで、華やぎます。
だからという訳でもないのですが。
雨の日にも、吾亦紅を見にいきます。
今年も刈られていないか心配しつつ。

乳白色の雨はすっかり秋ではありませんか。
その中にあってこの草は
晴れの日とはまた違った姿をしているのでした。


    休日にき句点うち吾亦紅     梨鱗

    楽聴ける子の眼しつとり吾亦紅

どちらかが晴れの、どちらかが雨の吾亦紅です。



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