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苦手な場所で息をつく、あるいは待春

学校が苦手でした。
学生時代の話です。
今でも、僕の中には、
学校というものを、素直に受け入れたくない部分があります。

ー 協調性 ー
  苦手ですねぇ。
ー 学ぶことの大切さ ー
  てらいもなく言える人、ついていけません。
一 ひとりはみんなのため、みんなは一人のため ー
  駄目だ、吐きそう。

周りから見たら、ちょっと変わった子供でした。
いえ、かなり変わっていたと思います。

でも、僕から見て変わっている子達と仲良くなれたかと言ったら、
そうではなかったのです。

そういう子達と一緒にいると、
自分が周りに馴染めていないのが決定的になってしまうと思っていました。

だから、一人でいました。

「ふつう」の子供達のグループ(ふつうって、悪い胸騒ぎのすることばです)
ちょっと変わった子達のグループ。
どこにも所属しない、ぼく。

大人が要求することをこなす器用さは、
最低限ですが、あったので、一人でも困りませんでした。

大人になった僕の好きなものに、森があります。
森は、人間以外のものが棲む場処だからです。
通りすがりの僕を、少しの間しのびこませても良さそうです。

だから、森の中に学校があると、ほっとします。
そういう学校は「いい学校」に見えてしまいます。


春待つや森は学舎のまどを開け  梨鱗


窓を開けているのは、学校で働く大人か、学生です。
でもその学舎を離れて見てみると、
森が窓を開けて春を呼びいれようとしているみたいです。


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