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四季・あわき色よりならべゆく


    いろ紙の舌にあましや春の夕    梨鱗


小さい頃は、家にばかりいる子でした。
色紙やクレヨンを色順にならべ、ひとり遊ぶのでした。
暗い遊びだ…。

今となっては何がたのしかったのか、わかりません。
こんなふうに、大人になるにつれ忘れてしまった感覚が
僕には沢山あるのでしょう。
掲句は、そんな昔の光景を思い起こしてみました。

それはさておき。
去年より始めた二十四節気を詠む企画が
先週の立夏で一巡しました。

一年続けて変わったことと言えば
散歩に出掛け、自然観察をするのが以前より愉しくなった、でしょうか。

以前も、人並みよりは自然の中にいるのが好きだろうと
思っていたのですが、
今の自分に比べると、ちっとも愉しめていなかったと
感じずにはいられません。

雑草や川を眺めるのが愉しすぎて
俳句は詠まなくてもいいかあ、とさえ思う始末です。
(おいおい)
この感覚の変化、なんでしょう?

もしかしたら、子供時代の僕も
なんてことのない雑草や雲の流れに
愉しさを見つけていたのかもしれませんね。


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[追記]

一年間にわたる二十四節気シリーズ、
おつき合いいただきありがとうございました。
来月からは月に2回ほどの更新で行こうかな、と考えております。

過去の記事でさんざん恥を書き散らしていたのですが
いくつか手直しをしました。

 「夏至」
      孔雀さかる拾萬色の夏至の庭

 「立冬」
      鳥去りし樹々へ口笛冬来る



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