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会社からの期待ではなく、自分の本音を優先して将来設計ができた。アサヒグループのLifeworks参加者に聞く、意識変容と行動変容

会社側からキャリア面のサポートをしてもらうことはあっても、それだけでは自分の悩みを解決しきれない。

わたしたちLYL(リール)は働く女性100人にインタビューをする中で、このようなお話を頻繁にお聞きしました。世間にある無数の正解にとらわれず、自分で自分の人生をリードするためにはどうすれば良いのか。そこで開発したのが「Lifeworks」です。

Lifeworks
1on1コーチングやワークショップを実施し、「Self / Family / Career」の多面的な視点から社員個人が大切にしているストーリーを明らかに。そこから周囲の人を巻き込んだチャレンジを創出し、組織の持続的な成長につなげます。企業の組織課題に沿って設計する、オリジナルのプログラムです。

これまでに数多くの企業に導入いただき、人事ご担当者やプログラム参加者の方からご好評の声をいただいています。そして、2022年4月からは、アサヒグループホールディングス様(以下、アサヒグループ)でもLifeworksを実施。

次世代のリーダーとなる20~30代の社員が、ご自身を見つめ直す機会として7ヵ月間を過ごしました。今回は、参加者のひとりである鈴木さん(仮名)へ、プログラムを終了したタイミングでインタビュー。ご自身の中に起きた意識変容、それに伴う行動変容などをお聞きしました。

最初は、自分の中で大きな変化を期待していなかった

——Lifeworksを初めて知ったとき、どのような印象を受けましたか。

受けたことがないタイプの研修だなというのが第一印象です。今まで社内では職種ごとのスキルアップ研修や、経営層を目指すリーダーシップ研修などを受けてきました。

ですが、今回のように、「Self / Family / Career」の3つの観点から人生を丸ごと考え直す研修は珍しかったので、どんな内容か気になっていました。

——主にキャリアに特化した研修を受けていたんですね。Lifeworksにはどんなことを期待していましたか。

正直なところ、研修の受講を上司から勧められたときは、あまりピンときていませんでしたし、自分の中で大きく変わりたいという気持ちはありませんでした。

会社が用意した研修の中では、こう言った方がいいのかな、こう伝えるのが無難かなと、会社の期待に応える答えを話していた気がして。内容をLYLさんから直接伺った後、今までとは違って、この期間は自分に素直に向き合いたいと考えていました。

——実際にコーチングを受けてみていかがでしたか。

まず担当いただいたコーチが「わたしと一緒に話しながら、自分が大切にしていきたいことを見つけましょう」と言ってくださって、コーチングのイメージが変わりました。

コーチはあくまで聞き手であり、コーチングセッションはわたしのための時間。過去・現在・未来を整理するだけでなく、今わたしが抱えている悩みも聞いていただきました。

ちょうどプログラム開始直前に部署異動があり、それに関係する悩みや、コロナ禍での仕事で積もり積もっていた処理できない気持ちも聞いてくださり、コーチにたくさんのことをサポートいただきました。

そして、最初は「本当の自分はどう考えているのか」を見つめることがすごく難しかったんです。コーチと対話する中で、こっちじゃない、じゃあこっちだ、と徐々に自分の考えが見えてきたし、見つけ方も分かっていきました。

——プログラムが進む中で変化はありましたか?

今までの自分の選択や経験の意味を考えられるようになりました。以前は、過去の出来事をそれぞれの事象として捉えていて。しかし、Lifeworksを受ける中で、さまざまな選択や経験が自分にとってどんな意味があったのかを見つめられたんです。今思えば、あの時これがあったから次にこんなことができたのだ、とつなげることができました。

さらに、過去から現在がつながったことで「未来はどうしたいのだろう」ということも考えられるようになっていきました。ほかにも、「自分はこういうタイプだから、こう思うんだよな」と客観的に考える癖がつきました。

Lifeworksに参加して、自分のことがよりわかるようになりましたし、それを言語化して周囲に臆せず話しやすくなったと思います。

Lifeworksを通じて、自身の中に起きた3つの意識変容

——Lifeworksを受けた7か月間は、どのような時間になりましたか。

いくつか気づいたことや考え直せたことがありました。

ひとつ目の大きな変化が、自分の過去のキャリアに対する認識です。わたしの職種は入社から数えて4、5回変わっています。東京だけでなく海外のアサヒグループで働いていたこともありました。短いスパンで人事異動があったため自分の中に「プロフェッショナルになりきれていないのではないか」という思いがありましたし、自分が自信をもって得意だといえることが何かわからなかったんです。

それをコーチに話したら「いろんなフィールドで働いてきた多様な経験こそが、鈴木さんの強みのように思える」と返していただきました。

言われてみれば確かに、わたしのように、多様な部署でいろいろな人と働いてきた人はそう多くはないだろうなと。過去を振り返ってみると、さまざまな部署や地域で仕事仲間をつくることができました。いろんな個性のある人たちと支え合って働いてきたからこそ見える景色があると思えましたし、また彼らと一緒に働ける日を楽しみにしている自分の存在にも気づきました。

コーチとのコーチングセッションによって、自分のキャリアをポジティブに捉え直すことができました。

ふたつ目は、「Self / Family / Career」すべてを同じ時期に大切にして良いんだと思えたこと。これは、同世代の参加者の皆さんと会話する中で気づきました。

当社に限らず、以前とは、女性の働き方が変わってきている部分が多いと思います。先輩方のお話を聞いていて、なんとなく20~30代は仕事の時期、30~40代は家族との時間がメイン、子育てが落ち着いたら自分の時間というように、「Self / Family / Career」が年齢ごとに切り替わるイメージをしていました。

しかし、「わたしたちが目指したいのってどれかひとつを選ぶ生き方ではなく、仕事も家族も自分の時間も共存させる生き方だよね」とLifeworksに参加した皆さんと共感したんです。

それからすべてを両立させるために自分にできることはなんだろう、という考え方になり少しずつ「Self / Family / Career」の観点から自分のやりたいことが見えてくるようになりました。

3つ目は、ダイバーシティという概念について考え直せたこと。ダイバーシティ施策として女性社員が注目されたり、その一環である研修に、わたしたち女性だけが集められたりすること自体に違和感を覚えていました。「別にわたしは“女性として”頑張っているわけではないのに」「女性=ダイバーシティになっている気がする」とモヤモヤしていたんです。

ただ今回のコーチングを受ける時間、参加者同士でワークショップで対話する時間を通して、「どうしても女性ならではのライフイベントはありうるから、女性のキャリアや人生に着目するのは意味のあることなのかもしれない」と思えるようになりました。

また、プログラム参加者同士で話してみると共感できることはありながらも、一人ひとりが違う考えを持つ部分も当然あります。同世代・同性という共通点はあっても、その中には多様性がある。改めて、ダイバーシティとは何かを考え直す良い機会になりました。

自己理解が深まり、「本音」のコミュニケーションができるように

——ここまでご自身の中の変化を伺ってきましたが、職場の方との関わり方は変わりましたか。

変化しました。まず、自分のキャリアについて本音で話しやすくなったのは大きな変化です。Lifeworks以前は、社内で今後のキャリアの希望を提出する際「これなら今の部署からのキャリアとしては順当だよね」と上司に思われそうな違和感のない部署の中から選んでいました。

キャリア希望の提出では、「長期的に何をやりたいか」「その実現のために、今何ができるか、直近何がしたいか」という問いが投げかけられます。しかし、将来的にやりたい仕事はこれだ、という確実なものが無かったので、そこから短期的な希望の逆算をするのは苦手でした。

プログラムの中で、コーチから「キャリアには山登りタイプと川下りタイプがある。山登りタイプは自分で決めた頂上に向かって一歩一歩進んでいく人。川下りタイプは、自分の目の前にあるチャンスやご縁を大切にしていきながら、いずれは大海へたどり着く人。どちらであっても良い」という話を聞きました。

会社にいるとどうしても、長期的な目標を先に明確に決めて進む山登りタイプでないといけないのではないか、と思っていたので、今までどこか引け目を感じていたのですが、コーチの話で気持ちが楽になりました。

そしてこの話をきっかけに、これまで話す機会が少なかった、歳が離れていたり役職が違ったりする方とも接点が生まれました。「周りの人はどういうキャリアのタイプなのだろう」と気になりだして、いろんな人に聞いてみたんです。

すると、意外にも川下りタイプの方が多く驚きましたし、話も盛り上がって親睦を深めることもできたんです。横のつながりだけでなく、上下のいろんな人とつながることで「鈴木さんと似た境遇の人がいるよ」と紹介してくれました。今は新たな応援者とのつながりが生まれているところです。

——職場でのネットワークが広がっているんですね。職場以外や、ご家族とのコミュニケーションはいかがでしょう。

「今日はこんな話をしたよ」と、プログラムの出来事をパートナーに話すことで、自然とお互いの未来の話をする時間が増えました。

ふたりとも、今を自由に生きてきたタイプだったので、共通の未来について深く話したことはなかったんですよね。今回のプログラムが、家族というチームとしてどう生きていくのか、考え始める良いきっかけになったと思います。

ライフイベントを迎えて、キャリアに迷いを感じている方に

——最後に、Lifeworksはどんな方におすすめできそうでしょうか。

ライフイベントとキャリアのバランスや今後の方向性に迷いがある人におすすめしたいです。

わたしの場合、やりたいことがないわけではないけど、明確になっていませんでした。結婚したこともあり、これからの「Self / Family / Career」をどうしていきたいのかモヤモヤしていたんです。でも、プログラムを通して、やりたいことを今すぐはっきりさせなくても大丈夫だから、前に進みながら考えていこうと思えるようになりました。

ライフイベントを迎えたことで、仕事と家庭が切り離せなくなっている人にとっては、そのバランスを考えられる良い機会になるはずです。

担当コーチより
1回目のコーチングセッションのときに印象的だったのは、「いろんな部署を渡り歩いてきたから、得意なことが思いつかない」と鈴木さんが話していたことです。ちょうどプログラムの時期と部署異動の時期が重なったこともあり、彼女が直面している課題として打ち明けてくれました。

ですが、話を聞いていると、悩んでいるとは言いつつも、新たな環境で自分はどう立ち回ったら組織に貢献できるのか、ご自身の考えをたくさん話してくれました。「鈴木さんの変化対応能力は高すぎませんか」という話もして、新たな環境にどう適応するかを考え慣れていることに、初めて気づいている様子でした。

ご自身の生き方に間違いなんてひとつもないので、Lifeworksで考えたことをどんどんアップデートしていってほしいです。コーチ全員で、陰ながら応援しています。


LYL(リール)は、コーチング×コンサルティングで個人と組織の両方から、企業課題の解決をサポートしています。D&I推進、女性活躍推進、リーダー育成、ウェルネスのお悩みをお持ちの企業様はぜひLYLへ。詳しくはHPをご覧ください。


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