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スピッツ歌詞考察(第31回)1987→


【基本情報】

1987→
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&亀田誠治
2分53秒

<リリース日>
2017年7月5日

<収録アルバム>
CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection(2017年7月5日リリース)

<備考>
読みは「いちきゅうはちなな」。
バンド結成30周年を記念して発売された「CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection」に収録されている。

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

なんかありそうな気がしてさ 浮かれた祭りの外へ
ギリヤバめのハコ探して カッコつけて歩いた
らしくない自分になりたい 不思議な歌を作りたい
似たような犬が狼ぶって 鳴らし始めた音

それは今も続いてる 泥にまみれても
美しすぎる君の ハートを汚してる

ヒーローを引き立てる役さ きっとザコキャラのまんまだろう
無慈悲な鏡叩き割って そこに見つけた道

それは今も続いてる ヒザをすりむいても
醒めたがらない僕の 妄想が尽きるまで

それは今も続いてる 泥にまみれても
美しすぎる君の ハートを汚してる
Yeah…

1987→(作詞:草野正宗)

【考察】

なんかありそうな気がしてさ 浮かれた祭りの外へ
ギリヤバめのハコ探して カッコつけて歩いた

この世界になんとなく未来がありそうな気がして、アマチュアからプロを目指した。
見栄張って、お客さんがギリギリ埋まるかどうか不安になるようなライブハウスを探した。

らしくない自分になりたい 不思議な歌を作りたい
似たような犬が狼ぶって 鳴らし始めた音

自分らしくないスターになりたい。
不思議な歌を作りたい。
弱い犬のくせに狼ぶって、自分たちに似合わない曲を作り始めた。

それは今も続いてる 泥にまみれても
美しすぎる君の ハートを汚してる

その頃の気持ちは、今も続いている。
泥だらけになっても。
そんな“僕”たちのことをずっと応援してくれている、美しすぎる心を持ったファンのハートに焼きつける。

ヒーローを引き立てる役さ きっとザコキャラのまんまだろう
無慈悲な鏡叩き割って そこに見つけた道

いつも人気者の引き立て役だ。
これからもきっとザコキャラのまんまだろう。
この情け容赦なく降りかかる現実を叩き壊すため、音楽のスタイルを変えて活路を見出した。

それは今も続いてる ヒザをすりむいても
醒めたがらない僕の 妄想が尽きるまで

その頃の気持ちは、今も続いている。
たとえ心に傷を負ったとしても。
ロック大陸の物語を完成させるという妄想から醒めたがない“僕”がいる限り。
 
それは今も続いてる 泥にまみれても
美しすぎる君の ハートを汚してる
Yeah…

その頃の気持ちは、今も続いている。
泥だらけになっても。
そんな“僕”たちのことをずっと応援してくれている、美しすぎる心を持ったファンのハートに焼きつける。

1987年に結成し、これからもまだまだ続くという意味で、このタイトルになっています。
前回の「醒めない」同様、スピッツ自身の半生を振り返り、ファンへのメッセージが込められた作品となっています。
歌詞の内容も「醒めない」に似ているので、少し寄せ気味で考察してみました。

「無慈悲な鏡叩き割って そこに見つけた道」という歌詞から、「死」からの「生」がテーマであるという印象を受けます。

ちなみに、アマチュア時代に最初に制作された「SPITZ」(カセットテープ作品)に収録されている「泥だらけ」という曲のパートが、イントロなどで
ほぼそのまま使われているそうです。
「泥にまみれても」という歌詞も出てきますし、「泥だらけ」のリメイク作と言えるかもしれません。

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