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スピッツ歌詞考察(第28回)プール


【基本情報】

プール
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ
3分52秒

<リリース日>
1991年11月25日(2ndオリジナルアルバム「名前をつけてやる」)

<収録アルバム>
名前をつけてやる(1991年11月25日リリース 2ndオリジナルアルバム)

<タイアップ>
フジテレビ系アニメ『ハチミツとクローバーⅡ』第2話挿入歌(2006年)

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。

【考察】

君に会えた 夏蜘蛛になった
「夏蜘蛛」という単語は存在しません。
なのでここは「君に会えた夏、蜘蛛になった」という解釈で良いと思われます。
蜘蛛は巣を張り、獲物を捕らえます。
主人公は“君”をひっかけることができたので、蜘蛛になったと言っているのでしょうか。

ねっころがって くるくるにからまってふざけた
風のように 少しだけ揺れながら

寝っ転がって、絡まりながらくるくるとまわってふざけたり、抱き合って風のように少し揺れたり。
要するに、ずっとイチャイチャしている様子です。
このイチャイチャも、獲物が蜘蛛の巣に絡まっている様子と重なっているのでしょう。

さて、この曲のタイトルが「プール」なので、夏に男女がプールでイチャイチャしているシーンを想像してしまいそうですが、実はベッド上での出来事をプールに喩えて描いているのではないかと考察しました。
プールサイドで寝っ転がって、絡まり合いながらくるくるとまわることは、なくはないでしょうが、背中が熱くてちょっと大変そうです。
こういうことをするなら、大きなベッドの上でしょう。

街の隅のドブ川にあった
壊れそうな笹舟に乗って流れた
霧のように かすかに消えながら

もしベッドの上でのお話であれば、この部分は「街の隅のドブ川沿いにある、今にも壊れそうな古びたラブホテルに、霧の中を消えていくようにこっそりと入った」となります。
寝っ転がって、絡まりながらくるくるとまわってふざけたり、抱き合って風のように少し揺れたりしていたのは、このラブホテルのベッドの上です。

孤りを忘れた世界に 水しぶきはね上げて
バタ足 大きな姿が泳ぎ出す

「一人」「独り」ではなく、「孤り」と表現しているのは、孤独を強調しているのでしょう。
孤独を感じなくなった世界に喜びを感じ、ベッドの上で大きくバタ足をかいて、まるでプールで水しぶきを上げるかのようになっています。

もう少しエロ目線で考察してみると・・・
「水しぶきはね上げて」は、性交であがるしぶき。
「バタ足」は、性交時の激しい動き。
「大きな姿」は、二人がひとつになっている様子。
「泳ぎ出す」は、感じ合っていることを表現しているのかもしれません。

君に会えた 夏蜘蛛になった
ねっころがって くるくるにからまってふざけた
風のように 少しだけ揺れながら

“君”に出会った夏、“僕”は蜘蛛になった。
寝っ転がって、絡まりながらくるくるとまわってふざけたり、抱き合って風のように少し揺れたり。
 
孤りを忘れた世界に 白い花 降りやまず
でこぼこ野原を 静かに日は照らす

「白い花」=“君”
「降りやまず」=常に想う気持ち
常に“君”がいるから、孤独を感じなくなった。
「でこぼこ野原」は、二人を含めたベッド上のシルエットをあらわしています。
「静かに日は照らす」は、太陽の光が差し込んでいるか、もしくは部屋の灯りが点いていて、ベッド上の二人の身体を照らしている状態です。

君に会えた 夏蜘蛛になった
ねっころがって くるくるにからまってふざけた
風のように 少しだけ揺れながら

“君”に出会った夏、“僕”は蜘蛛になった。
寝っ転がって、絡まりながらくるくるとまわってふざけたり、抱き合って風のように少し揺れたり。

蜘蛛の足は全部で8本です。
人間は手足が4本です。
しかし、二人合わせると全部で8本になります。
「夏蜘蛛になった」は、「夏に身体を重ね合った」ということを表現しているのではないでしょうか。
完全に「性」がテーマの曲ですね。

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