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スピッツ歌詞考察(第66回)不死身のビーナス



【基本情報】

不死身のビーナス
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:笹路正徳&スピッツ
3分23秒

<リリース日>
1994年9月21日(5thオリジナルアルバム「空の飛び方」)

<収録アルバム>
空の飛び方(1994年9月21日リリース 5thオリジナルアルバム)

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

雨降り朝までもう絶対泣かないで
知らないどこかへ行っちゃうその前に
二人で取り出そう 恥ずかしい物語を
ひたすら背中たたかれて バカな幸せ

最低の君を忘れない
おもちゃの指輪もはずさない
不死身のビーナス いつでも傷だらけ

疲れた目と目でいっぱい混ぜ合って
矢印通りに 本気で抱き合って
さよなら飲みほそう 生ぬるい缶ビールを
あくびが終わる勢いでドアを蹴飛ばす

最低の君を忘れない
悲しい 噂は信じない
不死身のビーナス明日も風まかせ

二人で取り出そう 恥ずかしい物語を
ひたすら背中たたかれて バカな幸せ

最低の君を忘れない
おもちゃの指輪もはずさない
不死身のビーナスいつでも傷だらけ

最低の君を忘れない
悲しい 噂は信じない
不死身のビーナス ネズミの街

さびしい目で遠くを見てた
不死身のビーナス 明日も風まかせ

不死身のビーナス(作詞:草野正宗)

【考察①】

雨降り朝までもう絶対泣かないで
知らないどこかへ行っちゃうその前に
二人で取り出そう 恥ずかしい物語を
ひたすら背中たたかれて バカな幸せ

雨降りの夜、朝まで一緒にいるからもう絶対泣かないで。
別れてしまう前に、二人で思い出を振り返ろう。
恥ずかしい写真を見て笑い転げて、ひたすら背中をたたかれ、バカみたいな幸せを感じている。

最低の君を忘れない
おもちゃの指輪もはずさない
不死身のビーナス いつでも傷だらけ
最低だけど最高の“君”を忘れない。
二人で買ったおもちゃみたいな指輪もはずさずにずっとつけている。
あちこち傷だらけでもいつも元気。
そんな“君”は不死身のビーナス。

疲れた目と目でいっぱい混ぜ合って
矢印通りに 本気で抱き合って
さよなら飲みほそう 生ぬるい缶ビールを
あくびが終わる勢いでドアを蹴飛ばす
疲れた目と目でいっぱい見つめ合い、♂♀の通りに本気でHした。
生ぬるい缶ビールを飲みほして、さよならしよう。
あくびが終わった勢いでドアを蹴飛ばして部屋を出る。

最低の君を忘れない
悲しい 噂は信じない
不死身のビーナス明日も風まかせ
最低だけど最高の“君”を忘れない。
悲しい噂は絶対に信じない。
明日も風まかせで生きていく。
そんな“君”は不死身のビーナス。

二人で取り出そう 恥ずかしい物語を
ひたすら背中たたかれて バカな幸せ
二人で思い出を振り返ろう。
恥ずかしい写真を見て笑い転げて、ひたすら背中をたたかれ、
バカみたいな幸せを感じている。

最低の君を忘れない
おもちゃの指輪もはずさない
不死身のビーナスいつでも傷だらけ
最低だけど最高の“君”を忘れない。
二人で買ったおもちゃみたいな指輪もはずさずにずっとつけている。
あちこち傷だらけでもいつも元気。
そんな“君”は不死身のビーナス。

最低の君を忘れない
悲しい 噂は信じない
不死身のビーナス ネズミの街
さびしい目で遠くを見てた
不死身のビーナス 明日も風まかせ
最低だけど最高の“君”を忘れない。
悲しい噂は絶対に信じない。
そんな“君”は不死身のビーナス。
でも、東京ディズニーランドでの最後のデートでは、さびしい目をして遠くを見つめていた。
明日も風まかせで生きていく。
そんな“君”は不死身のビーナス。

登場人物は、主人公と“君”です。
二人は付き合っていましたが、“君”の最低な行為(=浮気)が原因で別れることになりました。
主人公と別れたくない“君”は、最後のデートとなる東京ディズニーランドで、いままで見せたことのないようなさびしい目で遠くを見つめていました。
そしてその夜、雨が降る中、別れたくなくて泣き出してしまいます。
主人公は仕方なく朝までラブホテルで過ごすことにし、今までの思い出を振り返り、ちゃっかり最後のHもします。

主人公から見て“君”は、落ち着きがなくガサツで、おバカなのに気が強くてワガママで、自己主張が強くてパワフルで、ケガをしてても元気いっぱいで、明日のことなど考えずに生きている姿がたくましく、まさに「不死身」だと感じる存在です。
「最低」と言いつつも、主人公にとっては決して忘れることのできない存在です。

「最低」は「最高」であることの裏返しではないでしょうか。
好きな子に対して、「アイツなんか大嫌い!」と言ってしまうような感じの。

というわけで、「性」の要素が入った「生」がテーマの曲でした。

【考察②】

さて、上記考察①で「悲しい噂は信じない」「おもちゃの指輪もはずさない」「さびしい目で遠くを見てた」のは、“君”が主語であるとした場合でした。
しかし、主語がハッキリとしていないので、主人公の可能性も考えられます。
そうなると、内容がガラッと変わってきます。

雨降り朝までもう絶対泣かないで
知らないどこかへ行っちゃうその前に
二人で取り出そう 恥ずかしい物語を
ひたすら背中たたかれて バカな幸せ

雨降りの夜が明けて朝になるまで、もう絶対に泣かないでいる。
“君”が天国に行っちゃうその前に、二人の恥ずかしい思い出を振り返る。
ひたすら笑って背中を叩かれたのは、バカみたいだけど幸せだった。

最低の君を忘れない
おもちゃの指輪もはずさない
不死身のビーナス いつでも傷だらけ
ガサツで、おバカで、ワガママで、最低だけど最高の“君”を忘れない。
二人で買ったおもちゃみたいな指輪をこれからもずっとはずさない。
ケガばかりしてても元気な“君”は、不死身のビーナスだと思ってたのに…

疲れた目と目でいっぱい混ぜ合って
矢印通りに 本気で抱き合って
さよなら飲みほそう 生ぬるい缶ビールを
あくびが終わる勢いでドアを蹴飛ばす
疲れて眠いときでも見つめ合って、♂♀の通りに本気でHした。
さよなら…
生ぬるい缶ビールを飲みほし、あくびが終わると同時に悔しくて勢いよくドアを蹴飛ばして開けた。

最低の君を忘れない
悲しい 噂は信じない
不死身のビーナス明日も風まかせ
ガサツで、おバカで、ワガママで、最低だけど最高の“君”を忘れない。
悲しい噂は信じたくない。
明日も風まかせで生きる“君”は、不死身のビーナスだと思ってたのに…

二人で取り出そう 恥ずかしい物語を
ひたすら背中たたかれて バカな幸せ
二人の恥ずかしい思い出を振り返る。
ひたすら笑って背中を叩かれたのは、バカみたいだけど幸せだった。

最低の君を忘れない
おもちゃの指輪もはずさない
不死身のビーナスいつでも傷だらけ
ガサツで、おバカで、ワガママで、最低だけど最高の“君”を忘れない。
二人で買ったおもちゃみたいな指輪をこれからもずっとはずさない。
ケガばかりしてても元気な“君”は、不死身のビーナスだと思ってたのに…

最低の君を忘れない
悲しい 噂は信じない
不死身のビーナス ネズミの街
さびしい目で遠くを見てた
不死身のビーナス 明日も風まかせ
ガサツで、おバカで、ワガママで、最低だけど最高の“君”を忘れない。
悲しい噂は信じたくない。
不死身のビーナスだと思ってたのに…
二人で行った東京ディズニーランドの思い出を振り返り、さびしい目で遠くを見つめた。
明日も風まかせで生きる“君”は、不死身のビーナスだと思ってたのに…

あら不思議!
不死身だと思っていた“君”が他界し、主人公が思い出を振り返りながら悲しむという、「性」の要素が入った「死」がテーマの曲になりました。
(「ネズミの街」はどうしても「東京ディズニーランド」にしたいんかい!)

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