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スピッツ歌詞考察(第34回)Na・de・Na・deボーイ


【基本情報】

Na・de・Na・deボーイ
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&亀田誠治
4分2秒

<リリース日>
2007年10月10日(12thオリジナルアルバム「さざなみCD」)

<収録アルバム>
さざなみCD(2007年10月10日リリース 12thオリジナルアルバム)

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

彼女は野生の手で 僕をなでてくれたんで
ごちゃまぜだった情念が一本化されそうだ
イッキ飲みエスプレッソ HP増えていってんぞ
明大前で乗り換えて 街に出たよ

キラめいて 初めての 夢心地
笑い出した ここはどころう?

ナデナデボーイ糸切れて どこまでも 駆けてく
始まりは突然なのだ 止められない もう二度と
晴れ間が見えた

彼女は人間の声で 僕の名前を呼んだんで
汚れまくったフィルターも全交換されたようだ
今なら言えるアラッソ 乾いた風がサラッと
くすぐられてもこらえて カッコつけたよ

ゆらゆらと カゲロウが 逃げてゆく
楽しすぎる 本当にあるんだろう

ナデナデボーイ糸切れて どこまでも 駆けてく
巻き巻きが壊れても あきらめない ちょうど良く
流れ星見えた

ナデナデボーイ糸切れて どこまでも 駆けてく
始まりは突然なのだ 止められない もう二度と
晴れ間が見えた
ナデナデボーイ糸切れて どこまでも 駆けてく
巻き巻きが壊れても あきらめない ちょうど良く
流れ星見えた

Na・de・Na・deボーイ(作詞:草野正宗)

【考察】

彼女は野生の手で 僕をなでてくれたんで
ごちゃまぜだった情念が一本化されそうだ
「Na・de・Na・deボーイ」とは、主人公である“僕”のことです。
そして“彼女”は、“僕”が密かに恋心を寄せている年上の女性です。
“僕”は“彼女”の事が好きで好きでたまりませんが、自分には不釣り合いだと思っていたのでしょう。
しかしある時、“彼女”は「野生の手」で、つまり、欲情的に“僕”をナデナデしてくれたのです。
その瞬間、いままで整理がついていなかった“僕”の欲望が爆発しそうになります。

イッキ飲みエスプレッソ HP増えていってんぞ
明大前で乗り換えて 街に出たよ
“僕”はいったん落ち着くために喫茶店に入りますが、興奮冷めやらぬままエスプレッソを一気飲みします。
エスプレッソは子供が飲むものではありません。
しかし、大人なら一気飲みなどしません。
“僕”はおそらく、高校生か大学生くらいでしょう。
体力を回復させ、街へと繰り出しました。

キラめいて 初めての 夢心地
笑い出した ここはどころう?
街がキラキラと輝いているように見えます。
人生で初めての夢心地に、思わず笑い出しました。
明大前で乗り換えて出る街は、おそらく新宿か渋谷あたりですが、どこだかわからなくなるくらい浮かれています。

ナデナデボーイ糸切れて どこまでも 駆けてく
始まりは突然なのだ 止められない もう二度と
晴れ間が見えた
“僕”は制御不能で、どこまでも行ってしまいそうです。
恋は突然始まり、簡単には止められません。
心に晴れ間が見えました。

彼女は人間の声で 僕の名前を呼んだんで
汚れまくったフィルターも全交換されたようだ
「彼女は人間の声で」と表現されていますが、では“彼女”はいったい何者なのでしょうか。
それは、“僕”にとっての女神様です。
女神様なのに人間の声(実際は人間なので当たり前)がするので、「彼女は人間の声で」と言っています。
“僕”は“彼女”に名前を呼ばれるだけで、心が浄化されたような気分になります。

今なら言えるアラッソ 乾いた風がサラッと
くすぐられてもこらえて カッコつけたよ
「アラッソ」は韓国語で「分かった」という意味で、目上の人には使わないタメ口だそうです。
“僕”はふだん、年上の“彼女”にタメ口を使うことなどありませんが、仲良くなって距離が縮まり、今なら言える雰囲気になったということです。
とはいうものの、実際にタメ口を使うとぎこちなく、乾いた風が吹いたようにゾクゾクっとしてしまいますが、そこはグッとこらえて、何事もなかったかのようにカッコつけてやり過ごしました。

ゆらゆらと カゲロウが 逃げてゆく
楽しすぎる 本当にあるんだろう
ゆらゆらとカゲロウが逃げていくような感覚で、楽しすぎて本当に現実なのかと感じています。

ナデナデボーイ糸切れて どこまでも 駆けてく
巻き巻きが壊れても あきらめない ちょうど良く
流れ星見えた

“僕”は制御不能で、どこまでも行ってしまいそうです。
ゼンマイが壊れても諦めません。
そんな時にちょうど良く、流れ星が見えました。
“彼女”との仲を、願いを込めたことでしょう。

ナデナデボーイ糸切れて どこまでも 駆けてく
始まりは突然なのだ 止められない もう二度と
晴れ間が見えた
ナデナデボーイ糸切れて どこまでも 駆けてく
巻き巻きが壊れても あきらめない ちょうど良く
流れ星見えた

“僕”は制御不能で、どこまでも行ってしまいそうです。
恋は突然始まり、簡単には止められません。
心に晴れ間が見えました。
ゼンマイが壊れても諦めません。
そんな時にちょうど良く、流れ星が見えました。
“彼女”との仲を、願いを込めたことでしょう。

まあ、「ナデナデボーイ」と言われてますが、正確には「ナデられボーイ」やけどな!

ナデナデしてくれた“彼女”に対する感情が溢れ出す、「性」がテーマの曲でした。

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