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スピッツ歌詞考察(第1回)ロビンソン


【基本情報】

ロビンソン
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:笹路正徳&スピッツ
4分21秒

<リリース日>
1995年4月5日(11thシングル)

<収録アルバム>
ハチミツ(1995年9月20日リリース 6thオリジナルアルバム)
CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection(2006年3月25日リリース)
など

<タイアップ>
フジテレビ系バラエティ『今田耕司のシブヤ系うらりんご』エンディングテーマ(1995年3月~4月度)
フジテレビ系ドラマ『白線流し』挿入歌(1996年)
キリンビバレッジ『午後の紅茶』CMソング(2001年)
映画『海でのはなし。』挿入歌(2006年)
など

<備考>
スピッツが大ブレイクを果たすきっかけとなった曲。
オリコン週間チャート最高4位、売上162万枚。
2019年9月2日に、ミュージックビデオ再生回数が1億回を突破。

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。

【考察】

スピッツの曲のテーマは「性(セックス)」と「死(デス)」です。
これは、カバー曲を除くスピッツの全曲で作詞を手がけている草野正宗氏が公言していることです。
では本当にそうなのか、邪推も交えつつ考察していきたいと思います。

「新しい季節」は、季節の変わり目は寒暖差に加え、新年度や新学期といった環境の変化もあり、体調面でも精神面でもバランスを崩しやすいです。
なんとなく切ないと感じる日々を過ごしていたのでしょう。
そんな中、主人公と河原を自転車で走る恋人がいます。

「レコード」とは、CDの一世代前の音楽を記録した媒体で、いわゆるドーナツ盤と呼ばれるもののことですが、「思い出のレコード」なので、ここでは「思い出の記録」のことかもしれません。
その場合は「思い出の記録」となり、「日記」とも読み取れます。
「大げさなエピソード」とは、記憶の中で誇張されていたり、美化された思い出のことでしょう。

直前の歌詞からもわかるように、この主人公はどうやら精神が不安定で、人生に疲れているようです。
そんな中、二人が思わず同時に口ずさんでしまう言葉とは?
「死にたい」
それは魔法にかけられたかのような、まるでマインドコントロールされているかのような状態が作り上げられています。

こうなったら、誰も止めることができない二人だけの世界です。
主人公は恋人と一緒に死にたいので、決して手を離しません。
「大きな力」=「強引に」
「空に浮かべたら」=「高いところから身を投げたら」
「宇宙の風に乗る」=「宇宙まで飛んで行くようなイメージで」

死にかけている捨て猫も、どこか自分たちに似ていると感じました。
だから無理やり抱き上げて頬をよせました。
いつもの交差点にあるカーブミラーはうす汚れてるけれど、ぎりぎり三日月が映って見えました。
そのままの解釈だとこのようになりますが、草野氏は「丸いもの=死」、「とげばったもの=性(生命力)」といった感覚を持っているようです。
となると、
「いつもの交差点で死を意識したが、うす汚れたままでも生きたいという感情がギリギリ残っている」
という意味かもしれません。

「驚いた君の瞳」とあるので、恋人はまさか今ここで身を投げるとは思っていなかったのではないでしょうか。
“君”を待ちぶせていた主人公が、半ば強引に無理心中を図ったと考えられます。

こうなったら、誰も止めることはできない二人だけの世界です。
「終わらない歌」=「未完成なまま」
「ばらまいて」=「自己主張」
「大きな力」=「強引に」
「空に浮かべたら」=「高いところから身を投げたら」
「宇宙の風に乗る」=「宇宙まで飛んで行くようなイメージで」

さて、今回の私の歌詞考察はいかがだったでしょうか。
草野氏は、各々が歌詞を解釈してくれれば良いと仰られております。
もちろん、これもたくさんある解釈のうちの一つにすぎません。
しかしこのように解釈すると、無理心中を図った二人の物語となり、テーマの一つである「死(デス)」に一致します。

「なるほど!」と思っていただけたでしょうか。
それとも、「そんなわけあるかい!」と思われたでしょうか。
よろしければ、皆さんの意見もお聞かせください。

ちなみにタイトルの「ロビンソン」は、草野氏がタイに行った際に目にした「ロビンソン百貨店」から仮タイトルに使用したそうです。
そして、曲自体がなんとなくロビンソン・クルーソーを感じさせる部分もあるので、このままで良いのではないかということで、そのまま本タイトルになったとか。

なので真相としては、そこまで深い意味はないのかもしれません!

NEXT→(第2回)チェリー

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