Art Your lyf -Behind the Scene-Interview with Natsuko Elgar
こんにちは!lyf Japanマーケティング担当のShinoです。
lyf Japanが今年2月に発起したアーティスト支援プロジェクト【Art Your lyf】。私たちlyf Japanチームとして初の取り組みで、試行錯誤しながら進めてきましたが、先日lyf銀座東京で開催した第1回目の個展が無事終了しました。予想以上に多くの方々から応募いただけたこと、そしてお互いの価値観を共有しながら、アーティストさんとこのプロジェクトをご一緒できたことに本当に感謝です!
今回のnoteでは、記念すべき最初のArt Your lyfアーティスト Natsuko Elgar(ナツコ エルガー)さんをフィーチャー。ぶっちゃけこのプロジェクトどうでしたか?に迫ったインタビューを大公開します。
Natsukoさんのこれまでのキャリアやアートに対する想い、Art Your lyfを通して体感したもの、そして今後の活動についてなどグイグイ聞かせていただきました!
Natsukoさんの世界観をお楽しみいただきつつ、まもなく第二期Art Your lyf プロジェクトの募集を開始しますので、応募時の参考にしていただけると嬉しいです。
前置きが長くなりましたが、早速まいりましょう!
<Natsuko Elgarプロフィール>
高校在学中に経験した上海留学をきっかけに、海外での生活に強い関心を抱き、マレーシア、フィリピン、ベトナムの5つ星ホテルでゲストサービスとして職に就く。
日本から離れた事で、日本古来の伝統芸術に惹かれ、興味本位で入った雅楽団体で「鳳凰」を表現する雅楽器「笙」に出会い演奏と舞の実演に没入。次いで古典装束への関心から、江戸友禅染工房で技術全般を習い「金彩」技法を修得。やがて「鳳凰」や「フェニックス」の不死性をテーマにした金彩描画の製作を開始。
2016年、金彩作品で渋谷にて初個展開催。
金彩作品に感性と表現方法を求めアクリル絵の具との融合を始め、2019年「渋谷芸術祭」にて、岡本太郎壁画記念の特別賞「明日の神話賞」を受賞。
「生と死と再生」の象徴であるフェニックスの燃え上がる生命力と復活エネルギーを、キャンバスいっぱいに表現するエモーショナルな世界観に集中して作品作りに取組む。これまでの作品は「見る人の気持ちをアップリフトする」との評価を多く得てきた。
現在は、2025年まで作品が大型看板として神奈川県川崎市にある商業施設「ラ・チッタ・デッラ」にて掲出中。
1)アートを始めたきっかけ、そしてArt Your lyfに応募する前はどんなアート活動をされてきましたか?
元々絵を描くつもりは全くなく、前職の友禅染の仕事を辞めてふらふらしていた時にたまたま出会った人から「あなたは絵を描いたほうがいい」と言われたことがきっかけです。友禅染を始めたとき、一生携わっていこうと決めていたのにそれを辞めてしまった。次にやるものは生涯継続したいと漠然と思いながら、いざ絵を描き始めたらとても楽しかった。絵に関しては完全な独学だし、今までやったこともなかったけれど、正解がない、ゴールがわからない中でもがくことに喜びを感じているのでこれまで続けてこれました。
ただ、描いた作品をどうやって世の中に送りだせばよいのかわからず・・・運よく海外のアートコンペティションやエキシビションに参画する機会をもらえたり、はありましたけど、横のつながりもゼロでしたし、とにかく広がらない。特に日本国内で、どうしたら自分の作品を見てもらえるかが全く見えず、自分の中で堂々巡りしていた時期がありました。
私の絵には、死んでも蘇ることで永遠の時を生きるといわれる伝説上の鳥、フェニックスがたくさん登場します。どうしたら世の中に絵を見てもらえるか分からず苦しんでいるときは、絵の中のフェニックスに自分自身がもがいている様子が反映されていて、生と死と再生の間のドロドロの状態を描いていたくらい追い詰められていました。
そんな状況下でどんどん描き溜め、気づけば作品が100点以上に。産みっぱなしの親のような状態で、もうこれは外に出さないと!と思い、アート展示会のブースを買って出展することに挑戦し始めました。
ー自分が大切にしている価値観との乖離
ブース出展を通じて、やっとの思いでギャラリーと繋がることができ、個展を開催できるようにはなったのですが、ここで価値観や方向性の違いに気づきます。ギャラリーは作品を売ることが仕事なので売れるものを出すけれど、私は自分の中にある様々な感情を表現し、多くの人に作品を目で見て楽しんでもらいたい。なので、自分のアートに対する活動方針と違うなと悶々としていた矢先、たまたまArt your lyfのプロジェクトに出会いました。
2)なぜArt Your lyfに応募したのかを教えてください。
コーディネーターがつく、実はこの一択です。
個展はギャラリーという箱があり、オーナーさんがいて、作品は何点でサイズはどのくらいで、と規定に沿って実施します。当然要望は聞いてはくれますが「売れるか売れないか」が前提になる。自分がやってみたいことをやろうと思うとギャラリーへの負担が大きいし、リスクが高い。あまりわがままを言ってはいけない、だから自分で自由に個展ができるところを探さなければと考えていました。
そんな中、インスタグラムでArt Your lyfの募集を見かけました。自分がやりたかったことに対してのサポートがつくし、個展費用かからない、更に日ごろ活動している場所から近い銀座が会場に含まれている。
これは運命だ!と思ったものの、最初は採用人数が2人ということで自分には無理だとネガティブになってしまい、すぐには応募しなかったんです。ただ、ずっとArt Your lyfが気になって仕方ない(笑)これだけ気になるならやっぱり出してみようと。最終的に、締め切りギリギリに応募しました。
3)Art Your lyfで実現したかった想いは?
とにかく大きい絵を描いてみたかった。
今までの絵は大きくても50号サイズ(1m)だったのですが、今回は2mに挑戦。小さい絵は、そのサイズに凝縮してまとめなければならない点が、私にとっては難しいところでした。
一方で、大きい絵の方が描き手として気持ちがいいし、見た人へのインパクトもあり、わあ!という感動もある。絵を見てくれた人が、なんとなくエネルギーを感じ取って、評論ではなく感覚でいいよねと言ってくれる、そして私自身としても、大きな絵を描くことで、体の中から湧き上がるエネルギーが爆発するような未知との遭遇があるのではないかと思いました。
コンペに参画するための作品だと、コンペに勝つことを狙って描いてしまうのですが、Art Your lyfは夢を応援するプロジェクト。失敗しても負い目を感じることはないし、ぜひ大きな絵を描くことをやってみたいと思いました。
あと、なんとなくですが絵画って実は正解が決められている業界なのではないかとも感じていて。でも私自身は、岡本太郎さんのような、アートや絵について何も分からない人たちの心を打つような作品を作りたい。そんな想いも、大きい絵への情熱になっています。
4)Art Your lyfの個展準備~終了の期間を経ての感想
ワンステップ、階段を上がれたと実感している
2mサイズの大きな絵を個展会期中に2枚描こうと決め、2枚目が完成したときに自分を出し切った、自分でもできたという達成感、殻が破れたという強い感覚がありました。大きな絵を描くには想像以上のエネルギーが必要で、1枚目完成後には既に意識が朦朧としていて(笑)2枚目を描き始めた時には体力的にも疲弊し、脳もパンパンでアイディアが出てこない。
そこで、2枚目は自分を癒す作品に転じることに。今回Art Your lyfの特典としてlyf銀座東京に宿泊させていただいたのですが、ホテルの部屋でゆっくりしているときに、私の絵にしばしば登場するフェニックスの「ピーちゃん」が神は細部に宿るんだよ・・・と私に囁きかけてきた気がして。
結果、本来苦手な細かい作業である細い木々を描いていたら、無意識にバランスがとれた作品を制作することができた。私の作品は、バランスを無視して思いのままに描いている作風が特徴で、これまで見てくださる人から度々、バランスを意識したほうがいいとアドバイスをいただきつつ、その真意がよく分からなかった。ですが、今回自分で体感したことで、絵を描く際のバランスの大切さに、心から納得しました。
また、家で1人で絵を描いていると、私は美大卒でもないし、アートに関する知識もないし、コンペで受賞していないし、というネガティブな気持ちになりがち。一方で、lyfの空間は本当にポジティブ。自分のことを変な目で見る人がいない、温かく見守ってくれている、応援してくれている感じがとても心地よかった。
大きな絵を描きながら、本当は人に見られている状況だし甘えられない、と自分を追い込んで、プレッシャーと高揚感の中で作品を仕上げていました。そんな中、あの会場の雰囲気、スタッフ、宿泊やカフェ利用で訪れるゲストの皆さまとお話しながらできあがった作品だったので、やりきれたことに感動したし、ようやく自分に自信が持てました。
今までやってきたこと全てが、1つに繋がっていく感覚を知識として教えられるのではなく、身をもって証明させてもらえたのがこのArt Your lyfだと思います。経験が糧になるというのはこういうことかと実感できた個展でした。
そしてもう1つ、私の挑戦したい気持ちをコミュニティマネージャーのKarenさんが、心からサポートしてくださったこともすごく大きいです。Karenさんの優しくおおらかなお人柄のおかげで、準備から会期終了まで、自分らしくのびのびと活動させてもらえたことに感謝しています。
5)今後の活動計画、ぜひ教えてください!
更に視野を広げて、もっと大きい絵を描いていきたいです。
今回のArt Your lyfで自分自身が成長したことに満足せず、今までの自分に一旦終止符を打ち、再出発する気持ちでいます。
そしてlyfさんとは
8月24日(土)~25日(日)lyf銀座東京
Natsuko Elgar Art Marche
*イベント名仮称
9月2日(月)~9月25日(水)lyf天神福岡
Art your lyf ~The CONNECT in Fukuoka by Natsuko Elgar~
この2つのイベント開催が決定していますので、絶賛準備中です。
そして最後にもう少しだけ・・・これから先もlyfさんと色々活動をご一緒させていただけることになっていて、ものすごく楽しみにしています!
インタビュー後記
いつも明るく楽しいNatsukoさん。Natsukoさんのお人柄も作風も、私たちlyfメンバーもこの個展が終了してしまい寂しく感じているほどlyfにマッチしており、会期中Natsukoさんの作品で彩られた空間は本当に素敵でした。
Natsukoさんの価値観や考え方などを知ることができた今回のインタビュー。通りすがりの人にも見てもらえるようなを大きな絵を描いて、たくさんの人にエネルギーを感じてもらいたいというパッション溢れるNatsukoさんの、これからのご活躍がますます楽しみです!