2025年度/令和7年度大学入学共通テスト 試作問題『情報Ⅰ』第2問B

リュディアです。引き続き試作問題の内容を詳細に解説しながら見ていきたいと思います。試作問題は次のリンクを参考にしています。

第2問

次の問い(A・B)に答えよ。(配点 30)

B

次の文章を読み,後の問い(問1~3)に答えよ。

Mさんのクラスでは,文化祭の期間中2日間の日程でクレープを販売することにした。1日目は,慣れないこともあり,客を待たせることが多かった。そこで,1日目が終わったところで,調理の手順を見直すなど改善した場合に,どのように待ち状況が変化するかシミュレーションすることにした。なお,このお店では同時に一人の客しか対応できないとし,客が注文できるクレープは一枚のみと考える。また,注文は前の客に商品を渡してから次の注文を聞くとして考える。

そして,表計算ソフトウェアで生成させた乱数(0以上1未満の数値が同じ確率で出現する一様乱数)を用いて試しに最初の10 人の到着間隔を,この表1をもとに導き出したところ,次の表2のようになった。ここでの到着間隔は表1の階級値をもとにしている。なお,1人目は到着間隔0分とした。

表2の結果から10 人の客の待ち状況が分かるように,次の図1のように表してみることにした(図1は6人目まで記入)。ここで,待ち時間とは,並び始めてから直前の人の対応時間が終わるまでの時間であり,対応時間中の客は待っている人数に入れないとする。このとき,最も待ち人数が多いときは(コ)人であり(これを最大待ち人数という),客の中で最も待ち時間が長いのは(サ)(シ)分であった。

<解説>

全体にぼんやりした統計の問題と感じました。しかし問題に文句を言っても仕方ないので見ていきましょう。

表中にある(ケ)を埋める問題です。生成された乱数に対して到着時間の列はどのような規則で決まるのでしょうか?生成された乱数が表1の累積相対度数のどこに含まれるか見てみましょう。例えば表2の4人目の 0.41 は表1の累積相対度数で言えば 30以上~90未満に含まれます。その階級値は1分で、表2の到着時間の列には2分と書かれています。。同様に表2の7人目の 0.43 は表1の累積相対度数で言えば 90以上~150未満に含まれます。その階級値は2分で、表2の到着時間の列には3分と書かれています。同様の規則に従うと10人目の 0.95は表1の 390以上~450未満に含まれます。その階級値は7分なので表2の空欄(ケ)は8 になります。

(コ)(サ)(シ)は同時に見ていきます。シミュレーション結果(作成途中)のグラフに赤と緑でマークを入れた次の図を見てください。

赤で囲んだ部分に黒四角が縦に4つ並んでいます。これが同時待ち人数の最大値になります。つまり4人です。また最も待ち時間が長いのは緑の矢印で書いた部分で6人目の13分です。正解は次のようになります。
(コ)4、(サ)1、(シ)3

問2

図1の結果は,客が10人のときであったので,Mさんは,もっと多くの客が来た場合の待ち状況がどのようになるか知りたいと考えた。そこでMさんは,客が10人,20人,30人,40人来客した場合のシミュレーションをそれぞれ100回ずつ行ってみた。次の図2は,それぞれ100回のシミュレーションでの最大待ち人数の頻度を表したものである。

この例の場合において,シミュレーション結果から読み取れないことを次の0~3のうちから一つ選べ。

0.来客人数が多くなるほど,最大待ち人数が多くなる傾向がある。
1.最大待ち人数の分布は,来客人数の半数以下に収まっている。
2.最大待ち人数は,来客人数の1/4前後の人数の頻度が高くなっている。
3.来客人数が多くなるほど,最大待ち人数の散らばりが大きくなっている。

<解説>

項目を順に見ていきます。読み取れない項目を選択します。
0.来客人数が増えると、グラフの右方向に広がるのがわかります。これは最大待ち人数が多くなることを意味するのでグラフから読み取れます
1.来客人数10人のときに最大待ち人数が6人であるのでグラフから読み取れません
2.来客人数の1/4 前後に最大待ち人数のピークがあることがグラフから読み取れます
3.来客人数が多くなるほどグラフが横方向に広がる、つまり最大待ち人数の散らばりが大きくなっていることがグラフから読み取れます

グラフから読み取れないのは(ス) 1

問3

1日目の午前中の来客人数は39人で,記録によれば一番長く列ができたときで10人の待ちがあったことから,Mさんは,図2の「来客人数40人」の結果が1日目の午前中の状況をおおよそ再現していると考えた。そこで,調理の手順を見直すことで一人の客への対応時間を4分から3分に短縮できたら,図2の「来客人数40人」の結果がどのように変化するか同じ乱数列を用いて試してみた。その結果を表すグラフとして最も適当なものを,次の0~3のうちから一つ選べ。(セ)

来客人数20人の場合の特徴は最大待ち人数が10人ということです。1人あたりの処理時間を4分から3分に減らすので、最大待ち人数が大きく変化することはないと考えると0のグラフが正解となります。

(セ)0

今日はここまでとします。

では、ごきげんよう。

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