半導体産業について #5 製造装置メーカー

株式会社リュディアです。今回も引き続き半導体産業についてまとめてみます。

前回までの 半導体産業についてのまとめ へのリンクは以下を参考にしてください。

今回は製造装置メーカーです。製造装置といってもいろいろあるのですがここでは製造装置全体でまとめて扱います。細かく分類していくと大変なので。

今は半導体の製造において自社で製造装置を準備する会社はほぼ無いといってよいと思います。例外的にTSMC、Intel、Samsung は一部の製造装置を内製しています。製造装置メーカーから装置を買うだけなら資本があれば誰でも作ることが可能なのか、というとそうではありません。製造装置メーカーと製造メーカーが協力しあって製造装置を設計、製造し、さらに製造装置をどのように使うかが重要となります。どのように使うかということをレシピと言い、このレシピが機密事項になっています。

製造装置別のシェアであれば意味があるのですが、ここでは半導体の製造装置という大きな括りですので、時価総額で見ていくことにします。時価総額の情報は今回のまとめでも使っている以下のものです。

まず ASML(オランダ)Applied Materials(米国) は過去のまとめで紹介しました。この2つは別格の巨大さです。

これに続くのが Lam Reseach(米国)東京エレクトロン(日本)KAL(米国)の 3 つです。日本の東京エレクトロンも大きな会社です。こちらも材料メーカーの信越化学工業と同様、日経平均に大きな影響を与える会社で時価総額10兆円です。

オランダのASMLも米国の本社がオランダにあるだけで米国の意向が強くかかった会社であることを考えると東京エレクトロン以外は製造装置の上位は米国が支配していると考えてよいと思います。そのため米中貿易戦争と言われる今の世の中で米国が最先端の半導体を製造するための装置を中国に輸出禁止にしたため中国の製造メーカーは大きくダメージを受けたわけです。ただし米国の製造装置メーカーも売上でダメージをうけているはずです。なかなか難しいですね。

他には Advantest(米国)、Teradyne(米国)、日立ハイテック(日本)、KOKUSAI ELECTRIC(日本)、ニコン(日本)、SEMES(韓国)、ASM(本社はシンガポール)、ダイフク(日本)あたりが続きます。

以前は日本のニコン、キヤノンといった光学メーカーも主要なプレイヤーだったのですが今はあまり名前を聞かなくなりました。そう思っているとキヤノン、ニコンが半導体バブルで「蚊帳の外」の深刻、微細化技術で落伍の末路というニュースがありました。途中から有料記事なのですが、要はインテルに依存していた製造装置メーカーはインテルと共に倒れていくという内容です。

またニコンとキヤノンの半導体の製造装置部門が統合されるという雑誌の記事もありました。

結局、垂直統合の会社ではなく世界の主流になったファンドリービジネスにどれだけ参入できていたかで製造装置メーカーの今後が決まるということのようですね。日本だと東京エレクトロン一強です。

製造装置メーカーは売上も大きく時価総額も大きいので巨大企業が多いですね。材料メーカーに続き日本の製造装置メーカーも頑張っていますがいかんせん米国が支配しているマーケットであることがわかりました。

半導体産業について に関するまとめの続きは以下からどうぞ。

では、ごきげんよう。


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