初等中等教育段階における生成AI の利用に関する暫定的なガイドラインについて#3

リュディアです。初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドラインを見ていきたいと思います。

3.⽣成AIの教育利⽤の⽅向性を見ていきます。内容は次のように(1)-(5)にわかれています。
(1)基本的な考え⽅
(2)⽣成AI活⽤の適否に関する暫定的な考え⽅
(3)「情報活⽤能⼒」の育成強化(全ての学校が対象)
(4)パイロット的な取組(⼀部の学校が対象)
(5)⽣成AIの校務での活⽤(準備が整った学校での実証研究を推進)

今回は(1) を見てみます。

まず背景に相当する部分には、生成AI について避けて通れないが、教育現場に取り込んだ場合の効果やリスクが見えていない、という懸念点が書かれていますね。またコンプライアンスについても書かれています。個人的には生成AI でコンプライアンスが今後問題になる部分ではないかと思うのです。

事前学習のデータに個人情報や著作権のあるデータが含まれていないかどうかというのは問題点として容易に想像がつきますね。実際、ネット上にある画像や音楽のうち、著作権が存在しないものはほぼ無い、と考えた方がいいです。多くの人が自分のブログなどに著作権違反をしている状況ではあるのですが影響が小さすぎてどうでもよい、と無視されているだけで違反であることも多いです。

また企業から見た場合、検索の時代にも言われていたことなのですが、社内の次のプロジェクトに関する情報を検索すると、検索エンジンを運営する会社に特定のIPアドレスを持つ組織が特定のキーワードに関するプロジェクトに注力しようとしていると推測されるという問題があります。これは機密保持の観点からコンプライアンス違反になりますね。

コンプライアンスについては教育現場というのは避けて通るか無視するか、という印象を持っています。避けて通るの意味は、コンプライアンスの観点から問題があるかどうか検討せずに「問題があると怖いから何もしない」という選択肢を採用するという意味です。また無視するというのは「これくらいならばれないし、ばれたとしても問題ないだろう、ちょっとしたことだから」と都合のよいように考えてしまうことです。いずれも是非とも避けていただきたい考え方です。思考停止に陥らないようにという意味です。

いろいろと際どい話はありますが最終的には資質・能⼒の育成を阻害しないか、教育活動の⽬的を達成する観点で効果的か否かで判断すべきとしています。さらにこの判断を行うためには、教師側にも生成AI に関するリテラシーが必要と述べています。もちろんそうなのですが、今のワークライフバランスや、働き方改革といってる時代に適用できますかね。最終的にAIリテラシーが向上することで働き方改革の求める結果に近づく可能性はありますが、今の働き方改革は単なる時短なのでAIリテラシーの向上が望めないというデッドロック状態にならなければいいな、と思います。

最終的に3つの結論になっていますが、確かにこれができれば、ということが書かれていますが、無理なのではないですかね。少なくとも数学の素養は必要だと思うのでどうするのがいいのでしょうか。結局、学校で使わせないという結論になるのではないでしょうか?

では、ごきげんよう。


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