G検定 「ディープラーニングは万能ではない」という主張、次世代のAIを支える理論とは?

株式会社リュディアです。以下の記事が2021, 1/11の Gigazine に掲載されました。

よくあるタイプの記事だと思うのですが、そもそも Deep Learning が研究者の間だけで認知、利用されていた時代にはこのような「万能ではないよ」という警鐘記事は無く、一般の方が利用し始めると勘違いや暴走に対し良識のある偉い人が警鐘を鳴らしてくれています。そのような観点からディープラーニングの利用が相当に広い範囲で一般的になってきたと言っても良いのかもしれません。

インターネットが一般に普及した際にも同じようなことがありました。当初、大学や国立、企業の研究所が使っていた電子メールが携帯電話を通じて一般に普及し、インターネットがあれば何でもできる、というような記事や評論家の意見が散見されるようになった時代のことです。

ディープラーニングについても今は危険な時期で、何ができて何ができないか、使うにしてもどのような危うさがあるか、ということをしっかりと認識して利用する必要があります。AI というキーワードも本当にAIの技術が使われているのかどうかしっかりと考える必要があります。

AI、特にディープラーニングを応用した場面では「なぜ完璧に機能しているのかを説明できない」と言われます。その対抗策として説明可能AI、XAI の研究が行われているわけです。私どもリュディアでも以前にまとめを行っていますのでリンクを以下につけておきます。

この Gigazine の記事、あるいは元記事である IEEE Spectrum の記事も読んでみました。

IEEE フェローのスティーブン・グロスバーグ氏は古典的なAIの問題点の一つは、「脳の処理結果を真似ようとするのではなく、その結果を生み出すメカニズムを探ろうとしていること」と指摘しています。また従来とはまったく別のメカニズムを考案することが必要であり実際に彼は適応的共振理論(ART)という従来AI の代替モデルを考案しています。「脳がどのように新しい状況や感覚に適応して学習するのか」をモデル化したものであるそうです。

さらに究極的には能が心を生み出すメカニズムを理解するためのモデルであるとのことです。想像できない世界ですね。

ディープラーニングは計算パワーだけの問題で発想としては昔からあったもので AI 分野の進化というよりハードウェアの進化によるものと言われる方もおられます。確かに結果を見ればそのように言うことが可能なのかもしれません。

グロスバーグ氏の考案した ART は AI が次の世代に大きく踏み出すための基礎になるかもしれないですね。

では、ごきげんよう。


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