半導体産業について #6 前工程製造メーカー #1

株式会社リュディアです。今回も引き続き半導体産業についてまとめてみます。

前回までの 半導体産業についてのまとめ へのリンクは以下を参考にしてください。

今回は製造メーカー、特に前工程と言われるウェハーを扱う製造メーカーについてまとめてみます。最近、報道でもよくきくTSMCは前工程製造メーカーで世界最大です。また前工程製造メーカーは一般にシリコンファンドリーと呼ばれます。ここれはシリコンファンドリーという言葉を使います。

垂直統合メーカーとして紹介しているインテルやサムスンもシリコンファンドリー事業を行っています。つまり他社の製品を自社の工場で流しているということです。そのためシリコンファンドリーメーカーとしても名前が登場します。

以下のリンクに四半期ごとの世界のシリコンファンドリーの売り上げが出ていますので順に見ていきましょう。

まず世界最大のシリコンファンドリーはTSMCです。この積み上げグラフからも売上基準で世界の半導体の50%を作っていると言われることがわかります。いまや技術的にも世界最先端ですし世界の大口顧客を扱うのでものぐそい規模になっています。アップル、クアルコム、NVIDIA、AMDなど早々たるブランドが顧客として並びます。実際、アップルがTSMCの総売上高の20%を占めるというニュースもあります。以下を参考ください。

またインテルも自社工場以外にTSMCでも作っています。以下のようなニュースが 2021年12月に流れました。

皆さんの使っている iPhone や iPadなどで使われるアップルの Aシリーズのチップ、例えば A14などはすべて TSMC で作っています。ちなみにアップルは A8 まではサムスンで製造をしていましたが、A9 でサムスンと TSMC の双方で製造するようになりました。iPhone 6s の時代ですね。そのあと徐々に TSMC にシフトし今は完全に TSMC です。サムスンエレクトロニクスが Galaxy シリーズのスマートフォンを発売し始めたのでアップルにとって競合となったため、競合他社で製造するというのはまずいということが理由でした。

続いで売上基準で TSMC に続くのがサムソンです。TSMCとは圧倒的に差がついていますが第2位です。サムソンはグループ全体でみると最終製品まで作っているので、サムソンをシリコンファンドリーとして利用する場合は競合他社にならないという条件が必要ですね。

TSMC、サムソンの後はよく似た規模で3社が並びます。グローバルファンドリー、UMC、SMICの3社です。ここまでの5社でシリコンファンドリーの上位5社といってよいです。

とにかくシリコンファンドリーとしてはTSMCが圧倒的で、それにサムソンが続くと理解してください。3-5番手の3社は次回にまとめます。

半導体産業について に関するまとめの続きは以下からどうぞ。

では、ごきげんよう。


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