電飾が光り波打つこの街はきれいであってもなじみはなくて　～今週の短歌～

　めっきり冬めいたきた今日この頃。
　街はすっかりクリスマス仕様。

見せかけの距離に揺蕩う心模様　明日はどっちの仮面を見せる

だれでもいいのかもしれない　となりに立つあなたでなくても欲しがる心

寒さ染む　心にひっそり入り込む　大きな笑顔　見ない振りして

なくしたくないと喚いて暴き立て　それでも砂は零れゆくもの

年代を感じる写真に懐かしさ　覚える人と覚えない人

ときめきが　高まりしびれになる頃に　心を見失い夜（よ）があける

髪型を変えたと訊かれる度に言う　変えてはないよ染めただけだよ

知ってるの　わたしをすきでいてくれること　だからわたしはそっちにいかない

さみしいの　言葉は便利で諸刃よね　どっちなんだか分かりもしない

早く寝る　決めていたのに眠れない　あなたがわたしといてくれるから

あくびして　酸素取り込み活性化　するのは胸のドキドキonly

とんとんと拍子で進むこの関係　はっときづいてブレーキかける