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日々に詠む 五・七・五・七・七の音

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短歌で日常と想いをふりかえります。ゆる~く続けていく所存。
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#日常

曇り空浮かぶ晴れ間にひっそりと祈る週末ひとつのゴールを|今週の短歌

 もはや『今週の』ではなくなってきているような気がするので、マガジン名を『きまぐれ短歌』に変えてしまおうかと、半ば本気で考えておる次第。  ひとまず、なしくずしの今週の短歌をどうぞ。 モンスター 狩るに狩れないもどかしさ 人の世の常なんて申せば マッサージ 一日さぼるはまあ些事で それでも人の身体は変わる 夢の中 ゆめゆめ叶うまいという あの日の存在振り向く心地 伝えども 言葉を如何に尽くそうと 生まれる齟齬に諦めるのか なにがほしい 己に胸に問いただす 応えは虚無

小説を書けど書けども進まない私の見てるあそこに行きたい|今週の短歌

 えー、あー、もう3月ですね。  いや、3月も末ですね。  タイトル詐欺もいいとこです。なにが今週の短歌や、今週のて。ほぼ1ヵ月分やないかい。  いっそ改名(改題?)する? いやでもそんなんすると初志貫徹の精神がうんぬんかんぬん……いやもう毎週更新できてない時点で初志貫徹もなにもあらへんがなうんぬんかんぬん……。  そんな迷いに迷っている私のとりあえず短歌を、どうぞ。 単純な思考行動見透かされ 夢見ることも見透かされてて 夢の中 呪いだ血だとえげつない 目覚めて不思議な

夢みてはふいにつかまるこの距離をいやとも思わぬ素直な心根|今週の短歌

思い込み 思い悩んで思い知り おもいおもいのねんに打たれる 新しい自分を見てはみないかと だれぞわたしにすすめる影は あいまいな気持ちをぷらぷらぶら下げてまるで人参わたしは馬ね 寝違えか首が痛くて回らない きっとお高い買い物したせい どうしてかわたしばかりが怒られる いつもわたしの話きくきみ きみが言う だからそうした大決心 この素直さをどうかみとめて 黄金の輝き纏うこの指に 視線が止まることは知ってる ねえねえと構って欲しいの声掛けに 疑問文での返信ずるい

歩き出す ひとりで踏みしめる土地は 新たな風を吹き上げる空 ~今週の短歌~

もう今回から文章はなし! 短歌たちを並べるだけでいきます。 いいんやで 諦め許し入り混じる 吐息にひそむは 嘘か誠か 夢ならば 覚めないでくれと願うけど 現実ならば 覚めておくれよ 友情も恋情もないあなたがいう またねに宿るは愛情なのか 誠実を求めるならば君じゃない 求めるほどに無知でもないし しんしんと 冷えゆく足元が入り込む 余地をこの熱持っている ゆく年を惜しんでしまう2020 くる年こそは自由であれと 別れとはなんであろうかと問い掛けてみればそんなのない

徒然をつらつら綴り手放した 〜今週の短歌〜

今週はなかなか忙しない1週間だったような気がする。 もう年末だからね、皆さん風邪には気をつけて。 年末は帰るのですかときくあなた 帰らなければ一緒にいれるの? 酔っ払い つないだ指と手幻か 素面では寄り添うこともできずに もう終わる今年は光陰矢の如し 来る年への期待はいかに 終わりにしよう 告げられない声もそのはずで そもそも始まっていなかったんだ 駆け引きなんてできないの あなた見て輝く顔と寄り添いたい心

師走が来 にわかにざわめく街並みに きみの姿を探す午後9時 ~今週の短歌~

 今週はお別れがあって、でもお別れのおかげでいい風に変わったものもあるような、そんな週だった。 鍋つつき 湯気の向こうの表情は 定かに見えぬ だから話せる さみしいと 伝える言葉に嘘はない けれど心は移ろうもので 会いたいとあんなに祈っていたけれど離れてみれば願わぬもので 笑い合い あなたじゃないと実感す こうして楽しいときは過ぎゆく 返信を待てど暮らせど未読のまま 夢の中で返信に泣く 霞む目を ごまかしごまかしいる場所で あなたわたしの目覚

鍛錬がまだまだ足りぬと言わんばかり 伝えもできぬものは真か ~今週の短歌~

 もう11月も半ば。今年もあっという間に終わりそう。 だんだんと冬の気配になる季節 心と財布も寒くなりゆく 会いたくて会いたくなくて会えなくてこのままなにもせずに消えゆく 胸の奥 疼いて消えぬ悲しみは 存在の不在を思い知らせる 教えてと言われてしまえばついもつい 知らぬことでも調べますとも 溺れたい 熱に浮かされ包まれて そうして現実忘れて燃えゆ あれこれが頭の中で浮かんで消えて 捉える杭が行方不明で 髪を染め心機一転しようとも 変わったねって訊かれてま

秋いずこ トレンチ出番はひと月たらずニットが早くも第一線 〜今週の短歌〜

 いやー、もうすっかり冬の風だよ。今週はnote関連でとても充実した1週間だった。  感想文をいただいたり、お守り短歌をいただいたり。感動と感謝の嵐だ。 会いたいと思ってるのはわたしだけ 分かっていてもどうしようもない 時計の針進む速度が遅すぎる 来るか来ないか分からぬ夕べ 誕生日 これまで毎年祝ってくれた 今年からは記憶だけ 懐かしい本を読んでは思いだす これまた原点回帰だと 夜の風 やおら吹いては拭ってく 顔の熱と心の熱と 言葉でも伝えきれないものがある そ

あったかい飲み物飲んでごはん食べ これぞ秋の至福とぞ思ふ ~今週の短歌~

 とうとう今年も残すところ僅か。  霜月というけれど、大阪では霜はまだのよう。  さて、今週の短歌を。 誕生日プレゼントだと出されたプリン お土産ですよねどう見ても 雨音の走る音にも君想う 今頃どこで雨宿りしてるの 不安さえ会話のスパイスにしてみれば 本気なのはわたしだけ 好きなもの 無花果柘榴赤ワイン 蠍座だからね 似合うでしょ 深夜2時 なにしてるんとLINEきて 迷惑がれないわたしを自覚 後戻り できないかもな この想い 未来もな

真夜中に ゾンビも魔女も歌うたい ひと時だけでもみんなお仲間 ~今週の短歌~

 さてさて、今週の短歌を。 夢の中 覆いかぶさる男が言う 「今じゃない」 夢のお告げか私の声か うちの夢 見たよと笑うあんたには もうちょいうちを 見て欲しいけど 女の話するあんたに ああそうなん?て笑顔で相槌 何おもてんの 裸の背 なぞるあなたの掌の まろい熱に わたしの身じろぎ 安心が ほしいと言うから胸を貸し 素直に甘える あなたに安堵 書きたいの 衝動指先迷走し 下書きばかり 溜まるこの夜 電話して 何度もすみませんと言いますが 本音を言えば 連携漏らす

秋風の冷たさしみる懐にまだ早すぎるカイロなあなた ~今週の短歌~

 日曜日、バタバタと遊びに遊んでいて、投稿できずだったので月曜日投稿。  さて、今週の短歌を。 逢いたいと 願う時間が愛しくて いざ逢ってみると 倦んでしまうの 連日の 会議をこなしながら飲む 珈琲ゆるりと 苦くなるよう 長雨が 続いて靄のかかる思考 まるで微睡み 覚めやらぬまま ごゆるりと 仮面の笑顔とご挨拶 笑んで会釈し 後ずさる 逢いたいと 望むときほど逢えなくて だから焦がれる これは幻 あなた待つ 華の笑顔が見たくてと 言葉にはせぬ