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日々に詠む 五・七・五・七・七の音

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短歌で日常と想いをふりかえります。ゆる~く続けていく所存。
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2020年11月の記事一覧

電飾が光り波打つこの街はきれいであってもなじみはなくて ~今週の短歌~

 めっきり冬めいたきた今日この頃。  街はすっかりクリスマス仕様。 見せかけの距離に揺蕩う心模様 明日はどっちの仮面を見せる だれでもいいのかもしれない となりに立つあなたでなくても欲しがる心 寒さ染む 心にひっそり入り込む 大きな笑顔 見ない振りして なくしたくないと喚いて暴き立て それでも砂は零れゆくもの 年代を感じる写真に懐かしさ 覚える人と覚えない人 ときめきが 高まりしびれになる頃に 心を見失い夜(よ)があける 髪型を変えたと訊かれる度に言う 変えては

鍛錬がまだまだ足りぬと言わんばかり 伝えもできぬものは真か ~今週の短歌~

 もう11月も半ば。今年もあっという間に終わりそう。 だんだんと冬の気配になる季節 心と財布も寒くなりゆく 会いたくて会いたくなくて会えなくてこのままなにもせずに消えゆく 胸の奥 疼いて消えぬ悲しみは 存在の不在を思い知らせる 教えてと言われてしまえばついもつい 知らぬことでも調べますとも 溺れたい 熱に浮かされ包まれて そうして現実忘れて燃えゆ あれこれが頭の中で浮かんで消えて 捉える杭が行方不明で 髪を染め心機一転しようとも 変わったねって訊かれてま

秋いずこ トレンチ出番はひと月たらずニットが早くも第一線 〜今週の短歌〜

 いやー、もうすっかり冬の風だよ。今週はnote関連でとても充実した1週間だった。  感想文をいただいたり、お守り短歌をいただいたり。感動と感謝の嵐だ。 会いたいと思ってるのはわたしだけ 分かっていてもどうしようもない 時計の針進む速度が遅すぎる 来るか来ないか分からぬ夕べ 誕生日 これまで毎年祝ってくれた 今年からは記憶だけ 懐かしい本を読んでは思いだす これまた原点回帰だと 夜の風 やおら吹いては拭ってく 顔の熱と心の熱と 言葉でも伝えきれないものがある そ

あったかい飲み物飲んでごはん食べ これぞ秋の至福とぞ思ふ ~今週の短歌~

 とうとう今年も残すところ僅か。  霜月というけれど、大阪では霜はまだのよう。  さて、今週の短歌を。 誕生日プレゼントだと出されたプリン お土産ですよねどう見ても 雨音の走る音にも君想う 今頃どこで雨宿りしてるの 不安さえ会話のスパイスにしてみれば 本気なのはわたしだけ 好きなもの 無花果柘榴赤ワイン 蠍座だからね 似合うでしょ 深夜2時 なにしてるんとLINEきて 迷惑がれないわたしを自覚 後戻り できないかもな この想い 未来もな

真夜中に ゾンビも魔女も歌うたい ひと時だけでもみんなお仲間 ~今週の短歌~

 さてさて、今週の短歌を。 夢の中 覆いかぶさる男が言う 「今じゃない」 夢のお告げか私の声か うちの夢 見たよと笑うあんたには もうちょいうちを 見て欲しいけど 女の話するあんたに ああそうなん?て笑顔で相槌 何おもてんの 裸の背 なぞるあなたの掌の まろい熱に わたしの身じろぎ 安心が ほしいと言うから胸を貸し 素直に甘える あなたに安堵 書きたいの 衝動指先迷走し 下書きばかり 溜まるこの夜 電話して 何度もすみませんと言いますが 本音を言えば 連携漏らす