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LINE着せかえのアップデートQAの重要性

こんにちは!LINEヤフーコミュニケーションズ クリエイティブ部テーマチームのヤベです。

LINEを使っている皆さんは、LINE着せかえという機能をご存知でしょうか?

LINE着せかえは、LINEの画面を自分の好きなデザインに変更できる機能です。その魅力は、見た目が変わることで新鮮な気持ちでLINEを利用でき、日常のコミュニケーションがより楽しくなります!

昨年から導入された「ローテーション機能」により、着せかえを自動で変更(ローテーション)できるようになりました。これにより、たくさんの着せかえを持っている方も余すことなく楽しめるようになりました!

「まだ活用してないよ!」「知らなかった!」という方、ぜひお試しください。

アップデートの重要性

着せかえの機能を快適に使い続けるためには、定期的なアップデートとそれによる品質保証(QA)が必要です。今回は、私たちの業務でどのようにアップデートQAを行なっているかを紹介します。

アップデート対応がなければ

LINEでは、コンテンツの充実や機能の追加など、日々のアップデートが行われています。LINEのデフォルトのUIに合わせて着せかえもアップデート箇所にカラーや画像の適用を検討します。

もし、アップデート対応やQAが漏れてしまうと、ユーザー体験を大きく損なう可能性があります。例えば、テキストが見えなくなったり、ボタンとして認識できなかったりする問題が発生するかもしれません。現在リリースされている公式・クリエーターズ合わせて数十万種類の着せかえに影響することになります。

こうした事態を防ぐために、私たちテーマチームは日々努力しています

アップデートQA業務の概要

アップデートQAの主な業務は以下の大きく2つです。

  1. アップデート要素のカラー指定や画像対応

  2. 指定通りに適用されているかのテスト&チェック

カラー指定

アップデートでは、各箇所のカラーを適切に決定することが大切です。特に、着せかえでは同じテキスト要素でも色々なカラーが使われるため、どのカラーをどこから適用するかがポイントになります。

例えば、以下のようなエラー時に表示されるUIが追加される場合を想定します。

この場合、タイトルテキスト、説明テキスト、アウトラインボタン、そして背景といった要素ごとに分けて考えます。タイトルはメインテキスト・説明テキストはサブテキストとして位置付ける場合、その要素に合わせたテーマカラーを定義させていきます。

気をつけなければいけない点として、着せかえの背景はLINEの本体デザインとは異なり、各画面ごとに背景カラーが異なります。そのため、カラーを引用する場所によっては視認性も変わってしまうおそれもあります。

それぞれの要素に対して、背景色が同じで、かつ類似する既存のUIからカラーを適用することで、どの着せかえでも違和感のない適切なカラーを指定しています。また、もし既存のUIにもない新しい要素が追加された場合は、各着せかえにあったカラーの指定リストを新たに作成します。

画像対応

着せかえのアップデートにおいて一番大変なのがデザイン画像に関するアップデートです。例えば、以前にインプット領域のUIが一新され、アイコンの位置とサイズが変更になるアップデートがありました。

LINE本体のUIでは単純にアイコンが移動するだけですが、着せかえでは簡単にはいきません。位置やサイズが変更されると背景との視認性への配慮や画像のリサイズ、配置位置のバランス調整などの対応が必要になります。

小さいアップデートのようですが、このような対応も一つ一つ確認しながら行っています。

テスト&チェック

実際に適用するカラーや画像に問題がないか、テストやチェックを行います。確認する着せかえの数は公式とクリエーターズのカラースキン合わせ1400テーマ以上あります。これらの数だけ一つずつスマホにデータを入れながら確認するのは途方もない作業です。

そこで、私たちはチーム内で独自に擬似的なUIを作成して一括で確認できるテストツールを開発しています。これにより、適用するカラーの問題や視認性のテストとチェックを効率よく、かつ時短で進めることができます。

チーム内の連携と作業の効率化

チーム内の連携強化も大切

テーマチームの中でアップデートのQAを担っている人数は現在3人と少数ですが、少人数だからこそ、連携がしやすいというメリットもあります。QAチームとして確認漏れがないようにやっていることは以下の通りです。

  • アップデートごとの確認チェックシートの作成

  • Slackでのチャットやハドルでの共有や報告

基本的に在宅勤務を行なっているため、チーム内で確認箇所の抜けや漏れ、進捗を把握できるよう、同時編集可能なチェックシートを作成し活用しています。また、Slackのチャットやハドルを使って事前に確認箇所や懸念点を共有することで、QAをスムーズに進行できる体制を整えています。

生成AIの活用

最近はAIの発達も著しく、QAにも活用してます。
例えば、新しくアイコンが追加されるアップデートがあった際に、白と黒の2種類のアイコンのうち、着せかえによって視認性の良い方を適用する作業がありました。

従来では目視で確認して振り分けを行っていましたが、コントラスト値を算出することで、エクセルを使って一括で振り分けることができると考え、会社が提供する生成AIを利用して背景色と上に乗るカラーの情報から一発で出せる式を作成してもらった結果、従来の方法であれば1日以上かかる作業を10分程度で完了することができました。

今後もより効率的にQA業務できるように、AIの活用方法なども身につけていきたいと考えています。

まとめ

着せかえ業務におけるQAの重要性は、ユーザー体験の向上に直結しています。私たちが細かくチェックを行うことで、ユーザーに安心して着せかえをお届けすることができます。

今後も、より多くのユーザーに満足していただけるように、品質保証に努めていきます。ぜひ、LINE着せかえを使って、毎日のコミュニケーションをもっと楽しくしてみてください。

またリリースやアップデートだけで終わりではなく常に着せかえの改善にも取り組んでいます。こちらの記事にも詳しく記載していますのでご覧ください。