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「その広告は適切な情報を届けているか?」LINE広告に見る“健全な”広告とは?

こんにちは、LINE Frontlinerの若菜良平です。

今回はLINE広告を長く活用していくために欠かせない広告審査基準に関して、画像クリエイティブの事例をいくつか交えながら、抑えるべきポイントについてまとめていきたいと思います。

私自身商品購入を目的とする、ECコスメや健康食品の案件に多く携わってきました。
いかに法令や媒体審査基準を遵守しながら、レスポンスの最大・最適化をしていくかは、切っても切り離せない領域となっています。

広告業界やLINE広告のおさらいもしつつ、実際にNGになりやすい表現の事例や、広告制作時のポイントについてまとめていきたいと思います!

広告業界・LINE広告の現状

LINE広告などのディスプレイ広告の直近の広告関連売上収益をみると、50%前後の成長率を維持しています。

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※出典:Z HOLDINGS 2021年度第1四半期決算 プレゼンテーション資料

全体の広告規模の伸びも驚異的ですがその中でも、アカウント数・売上ともに1番手・2番手となっているのが、「コスメ」・「健康食品」ジャンルです。

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※出典:LINE広告2021年9月度月次定例資料

コスメジャンルのアカウント数・売上がかなりの割合を占めていますが、両ジャンルともに、薬機法や景品表示法といった法令の遵守が必須となっており、特に薬機法は今年の8月に課徴金制度の追加が行われ、取り締まりが強化される変更となりました。

LINE広告においては、今までも法令やメディアの健全性を保つための掲載基準はしっかりと整備されていますが、メディアも広告出稿を行う広告主や代理店・個人も、今まで以上に万一がないように表現に気をつけながら、広告を出稿していくことが重要となってきています。

LINE広告の審査基準について

LINE社からは、広告審査に関わるコンテンツが網羅的に用意されています。

私もLINEの広告サービス関連の情報が揃っている「LINE for Business」のサイトは定期的に確認していますが、広告審査に関しては、以下のページにて網羅的に注意点がまとまっているかと思います。

出稿にあたって、どういった手順で審査が行われているのか、また出稿自体がNGとなっている商材・サービス一覧もまとまっていますし、広告やLPの表現におけるNG例などは一通りまとまっています。このページに記載がある情報を把握した上で、準備を進めれば出稿までかなりスムーズに進行できるはずです!
(完全に余談ですが「友だち」表記に関しては、過去に「友だち追加(旧CPF)広告」を配信する際に、「友達」というワードで入稿してしまい、掲載不可になってしまったこともありました…笑)

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※出典:LINE for Business LINE広告審査ガイドライン

また、化粧品・健康食品・医薬品などに関しては、細かい種類ごとに、バナーやコピー上OKとされる効果効能・表現の範囲も具体例とともにまとまっています。

これらの内容を見ていくと、各種法令を遵守することはもちろん、LINEが提供するコンテンツが安全で幅広い人たちに受け入れられるために定めているルールも数多く整えられていることが窺えます。

具体的な審査事例と広告制作時のポイント

これらの情報や方針を踏まえて、広告クリエイティブの画像について、いくつかのNG事例と、私なりのOKラインに関する考察を紹介していきます。

今年の9月にLINE社より、直近の広告入稿・配信状況を踏まえ、以下のような内容の周知が行われました。

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※出典:【LINE広告】広告健全化への取り組み_2021年9月

こちらの内容は変更ではなく、あくまで再度わかりやすく周知したものになりますが、
上述の通り、幅広い年齢層のユーザーが利用する中で、情報の「正確性」「安心・安全性」を重視しており、そのことを改めて周知したことがポイントであると考えます。

こちらの資料においては、実際のNG事例に関しても紹介されていたので、ここから具体例の紹介をしていければと思います。

1. 商材やサービスとは関係のないと思われる表現

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※出典:【LINE広告】広告健全化への取り組み_2021年9月

こちらは商材やサービスと関連性の薄い広告表現に関する事例です。
具体例としては、育毛剤において動物であるゴリラを使ったり、借金返済の無料診断サービスにおいて、証明写真の女性をバナーに使用するといった事例となっています。サービス及び、テキストとの関連性が薄く、ユーザーにとって誤認の恐れがあるとしてNGとされています。

ゴリラは毛がフサフサかつインパクトはありますが、育毛剤はあくまでも人に使う商材なので、人が使用するシーンや理想想起を行うことが基本的になります。この例から言えることとしては、OKラインに近づけるためにはバナーにおいて、“適切な使用対象者”や“適切な使用用途”を表現することが必要です。

2. 視覚的に注意を引くことだけを目的としているように思われる表現

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※出典:【LINE広告】広告健全化への取り組み_2021年9月

こちらの事例は、アテンションを引くことを目的とした広告表現になります。
ここ1年ほど、CTRやCPAの実績も実際によく、多くの広告で同様の表現が見られてきました。(実際によく見たという方も多いかと思います。)
このNGにおける注意点としては、商材・サービスとの関連性に乏しい点と、重要なお知らせとしているが故に、広告と認識されづらく、誤認の恐れがある点にあります。

広告を他のコンテンツに馴染ませ、レスポンスを高める手法はネイティブ広告において一般的な手法かと思いますが、今回の事例は、重要かつ緊急性の高いお知らせと誤認されてしまうリスクや、本当に大事なお知らせが埋もれてしまう懸念がNG理由として大きいかと思います。

個人的には、文字で訴求する手法はLINE広告において非常に有効な手段であるとは考えています。特にトークリストやニュースなど、画像表示が小さい配信面においては、視認性高くシンプルに文字で伝えることで、興味を持ってもらいやすいと感じています。
その点も踏まえると、OKラインに近づけるためには「禁止」や「お詫び」というワードや「!マーク」「通知ボタン」といった瞬間的にアテンションを引く表現を避け、商品に関連付けた表現を盛り込むこと、過度に注意をひくワードを入れないことができれば、誤認を防ぎながら、わかりやすくメッセージを伝え興味を惹けるのではないでしょうか。

3. メディアの価値を毀損するおそれがある表現

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※出典:【LINE広告】広告健全化への取り組み_2021年9月

最後はメディアの価値を毀損する恐れのある広告表現についてです。
画質が荒いものや、広告の表現としてインパクトを重視するがあまり、不快な印象を与えてしまう表現が該当します。

ニュースなどのネイティブコンテンツと並べた時に、目立たせたいという意図自体は否定できないものの、ユーザーにとってどのような印象を持たれてしまうかという視点も同時に持つ必要があります。
また必要以上に効果に期待を持たせてしまう可能性もあるため、商品の価値を適切に表現することが審査を通過し、配信につなげるために必要になります。

そのため、OKラインに近づけるためには、

・使用後の変化イメージを現実的な範囲内に留める
※ただし、使用後のイメージを広告掲載すること自体、薬機法や業界ガイドラインで禁止されている商材もある点は注意が必要。

・過度な人物の表情は使用しない

・「末路」「地獄」などの不安を過度に煽るワードチョイスをしない

・過度に背景色を目立たせない

といった対応が必要だと考えます。

まとめ

ここまで記載したOKラインに関しては、あくまで私の個人的な見解となるので、この考えの通り制作すれば問題ないと保証する内容ではないという点はご認識いただければと思います。

特に広告を見て感じる印象に関しては、人それぞれ感じ方が違うため、明確な基準を引くのが難しい領域にはなってきます。
ただし、今回の事例のような広告がなぜNGと判断されるのか、理由をしっかり理解し、「正確性」と「安心・安全性」の観点でユーザーに受け入れられうるコンテンツになっているかという視点を常に持つことは、必須であると断言できます。

あらゆるコンテンツが溢れる中で、他の情報と比べ目をひくために何ができるかと追求することは非常に重要です。一方でメディアのルール内で行ってこそ、広告配信の土俵に立つことができ、継続的な配信のチャンスを得ることができるのも事実です。

広告規模の拡大に伴い、広告出稿を行う一人一人がこのような意識を持っていくことで、今後もLINE広告が発展を続けていくことと思います。

今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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