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LINE広告とYahoo!広告の相互配信・データ統合が広告ビジネスに与える影響

皆さんこんにちは!
株式会社オプト 運用コンサルタント兼Marry Wall代表の野嶋友博です。
LINE Frontlinerとして、いままでLINE広告に関する記事を数本執筆しています。

これまでは広告配信手法の各論に関する寄稿が多かったのですが、今回は先日の「LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT」でのリリース内容をもとに「LINE広告とYahoo!広告の相互配信・データ統合が広告ビジネスに与える影響」という広いテーマについて私の想定を交えて説明いたします。

1.「LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT」でのリリース内容サマリ

2021年8月24日〜25日に「LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT」の開催がありました。そこではこれからのLINEの法人向けサービスの様々なアップデート内容が説明されていました。

その中でも、広告メニューに絞り、特徴的なものを下記2つご紹介いたします。

① ビジネスマネージャーのリリース

1つ目はビジネスマネージャーのリリースです。LINEのアクションデータと、広告主様が所持しているデータ、またYahoo! JAPANのデータ(ID連携同意済ユーザーのみ)を広告主単位で統合して、一つのプラットフォームで管理・分析ができる機能です。

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(出典:LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT)

※1 配信オーディエンス
媒体や広告枠に対して広告を配信するのではなく、サイトへの訪問履歴や商品の購入履歴などユーザーのデータに基づき「人」に対して配信すること。

② LINE広告とYahoo!広告の相互配信のトライアルがスタート

2つ目はLINE広告とYahoo!広告の両メディアにおいて、広告配信面を共有するトライアルの取り組みが開始します。
2021年10月頃よりYahoo!広告からLINE NEWSの一部の面への配信が可能となります。また、2022年2Q以降(調整中)には、LINE広告からYahoo!ニュース面への配信が可能になる予定です。

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(出典:LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT)

これらが有効活用できるようになると広告プロモーションの幅が一気に広がることが予想されます。

2広告ビジネスに与える想定影響

それでは上記がリリースされたことによって具体的にどのような影響が広告ビジネスに現れていくのか?私の個人的見解も交えてお伝えいたします。

2.1 広告の学習最適化機能の精度向上

まずはLINE広告の学習最適化機能のアップグレードが期待されます。
そもそも学習最適化機能を有効活用するためには、広告配信情報が大切になります。これまではLINE広告配信面での配信実績・ユーザーのアクションデータといったLINEの中で許諾を得たデータのみを組み合わせて、配信の最適化が進められてきました。
またビジネスマネージャーにおいて、広告主様の所有しているデータも統合することによって、より各サービスに対してニーズがあるユーザーに向けた広告配信が可能となることが期待されます。

これまでのLINE広告ではなかなか広告効果を実感できなかった広告主様においてもアプローチしたかったユーザーに向けた広告配信ができるかもしれません。


2.2 プラットフォームを跨いだタッチポイントの最適化

ビジネスマネージャーを活用することで、LINE広告、LINE公式アカウントといったプラットフォームを跨いだ統合的な分析が可能となる未来を想定しております。

例えば、これまでLINE広告とLINE公式アカウントどちらも利用していた場合、同じユーザーに複数回異なるメッセージで同様のサービスに関する配信を行っている可能性があると思います。仮に、LINE公式アカウントのメッセージ配信だけでアクションしてくれるユーザーに対して、LINE広告を複数回配信している場合は、ユーザーにとって煩わしく感じられてしまう可能性も否めません。この場合はLINE広告の配信をしない選択をすべきでしょう。

また逆の視点で見てみると、LINE公式アカウントのメッセージ配信を見たユーザーは、その後LINE広告でアクションしやすい、といったことがあるかもしれません。この場合はどちらの配信もしっかりと行うべきです。

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このように、これまでは分断されていた広告メニューにおいて、現在はその実態を把握することができない状況です。これがデータとして分析ができるようになると施策の幅が広がることになりますので今後のアップデートがなされるようであれば嬉しいですね。

2.3  LINEの検索事業の広告ビジネスへの展開

最後にLINEの検索事業がいよいよ具体的な広告サービス展開へ近づいていくことが予想されます。今回の「LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT」では特に明確には触れられていませんでしたが、2019年6月に行われた「LINE CONFERENCE 2019」ではLINEが検索事業に挑戦していく旨が発表され、今日までアップデートが繰り返されてきました。
当時私もカンファレンスに出席していましたが、この発表には心が躍ったことを覚えています。

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(出典:LINE CONFERENCE 2019)

今回のYahoo!広告との連携を皮切りに、LINEの検索事業が具体的に加速していくことになるのではないでしょうか?
その理由については言うまでもなく、Yahoo!広告は検索連動型広告ビジネスが非常に強く、拡大を続けているプラットフォームだからです。

そうなると、これまではあくまで「ディスプレイ広告」の位置づけとして、「広告でユーザーの需要を喚起する」PUSH型のLINE広告が、「検索広告」として「ニーズが顕在化されたユーザーに対し広告を掲載する」PULL型の広告配信もできるようになります。

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今後の動向に目が離せませんね。

3.まとめ


いかがでしたでしょうか?
広告配信手法の各論から離れ、敢えて抽象的且つ、想定のお話を中心にさせていただきました。

特にYahoo!広告との相互配信トライアルをはじめとし、LINE検索事業など、これまで「LINE」メディア単体で見てきた状況から、大きく様変わりする変化が続くことになる点については、マーケターであれば注目必至かと思います。

ユーザーにとっても、何度も同じ広告に出会う煩わしさや、求めていた商品に対する情報をタイミングよく得られるきっかけになるかもしれません。


今回は以上です。

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