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海外トレンドから読み解くチャットコマースの未来

みなさん、こんにちは。
LINE Frontliner/株式会社ジールスCOOの遠藤です。

実は今、チャットコマースがグローバルマーケットで大きな注目を集めています。
外資系コンサルティングのBCGがチャットコマース(C-Commerce)の市場可能性について予測したレポートが先月公開され、ほぼ同時期にインドを中心に展開するチャットコマース スタートアップが100億円超の資金調達、メキシコ/ブラジルを中心に展開するチャットコマース スタートアップが50億円超の資金調達をしました。
(弊社ジールスも今年の4月に18億円の資金調達を実施)

更に、毎年Facebook社が開催する開発者向けカンファレンスF8でも、チャットアプリとコマースが最も大きいトピックとして語られ、InstagramのチャットボットAPIも遂にオープン化されています。
※Facebook社はMessenger、Instagram、WhatsAppを有する世界No.1のチャットアプリ企業

5年前からこの領域に賭けている身からすると遂に普及期が来た、という気持ちでいっぱいですが、海外がMessenger/WhatsAppなら日本はLINEだ!!!
ということで、より一層LINEの中でも拡大していくであろうチャットコマースのトレンドをBCGのレポートから読み解といていこうと思います。

チャットコマースって?

そもそもチャットコマースとは、LINEなどのチャットアプリの上で、購入や予約などのCVが完結する体験を指します。

図1

引用元:(ENGLISH)REPORT CONVERSATIONAL COMMERCE YALO.pdf

そして、2000年代がウェブサイトの時代、2010年代がモバイルアプリの時代だったように、このチャットコマースが2020年代の商取引の中心になっていくと言われています。

図2


引用元:(ENGLISH)REPORT CONVERSATIONAL COMMERCE YALO.pdf

なぜチャットコマースがこんなに注目を浴びているのか、本日はその理由を3つピックアップしてご紹介させていただきます。

1. ネイティブアプリの淘汰

感覚としての納得感がある方も多いと思うのですが、ネイティブアプリはどんどん淘汰されています。
スマホが普及した現代において、多くの方のスマホはすでにお気に入りのアプリで飽和している状態です。
そのため、頑張ってアプリを作ってリリースしても新規ダウンロードはなかなかしてもらえません。しかも、せっかく新規ダウンロードされたとしても3ヶ月後には7割のユーザーは使ってくれないのが現実です。

図3

引用元:(ENGLISH)REPORT CONVERSATIONAL COMMERCE YALO.pdf

こんな激戦をくぐり抜けて消費者に使い続けられている素晴らしいアプリに対抗するアプリを作ろうと思うと、開発費用もどんどんかさんでしまいます。
お金をたくさん投資をしても、そもそも誰からも使ってもらえないのであれば、ネイティブアプリのキングであるチャットアプリの上に構築する方が良いよね、という非常にシンプルな発想がチャットコマースが選ばれている1つめの理由です。

2. パルス型消費行動へのシフト

パルス型消費行動はGoogleが提唱し始めた概念ですが、スマートフォンなどの台頭により、人々の消費行動は、従来のカスタマージャーニー型から”瞬間的に買いたいと思った欲求でそのまま購買に至る”パルス型へとシフトしています。

空き時間にスマートフォンをチェックすることが当たり前になり、その行動様式に最適化されたアプリが登場した結果、エレベーターに乗っているたった数十秒の時間でさえも自分のSNSのフィードで、気になる商品の広告に出会う体験が現実に起こっています。

しかし、エレベーターに乗っている時間で、お財布からクレジットカードを取り出して、商品を購入する人はいないと思います。
かといって、商品をちゃんとブックマークしておいて後々購入する人もほとんどいません。情報がここまで溢れてくると、見た瞬間は欲しいと思っていたのに、次の日にはそれが何の商品だったかさえ覚えていないことも珍しくありません。このケースでは、欲しいと思ったその瞬間に購入までできるのかが大切です。

チャットコマースでは、チャットでいくつかのやり取りをするだけで購買が簡単に完結するため、このパルス型消費行動との相性の良さがチャットコマースが注目を浴びている大きな理由となっています。

図4


引用元:(ENGLISH)REPORT CONVERSATIONAL COMMERCE YALO.pdf

3. オンラインとオフラインの融合

最後がオンラインとオフラインの融合です。
OMO(Online Merges with Offline)を呼ばれる領域ですが、チャットコマースはオンラインとオフラインを繋ぐハブになると言われています。

OMOで重要なのは、両方が接続されることにあります。
オフラインで購入したお客さまがオンラインでも購入してくれること、
また、オンラインで購入したお客さまがオフラインでも購入してくれること
この両方の矢印が成立することが重要です。

オンラインにはバラエティ豊富な商品を簡単に買えるなどのメリットがありますし、オフラインには購買体験の楽しみや品質の確認などのメリットがあります。
どちらかにだけに寄せるのではなく、お客さまのケースに合わせて最適な選択肢を用意し、ユースケースに合わせてあげることが必要です。

そして、この選択を最適化させるには両方を繋ぐハブが必要で、この役割をチャットコマースが果たしています。

店頭で気に入った商品があれば、その商品についているタグを読み込むことでチャットが開いて、そのチャットで簡単に決済することができる、また、同じチャットから自分が気に入った別の商品を新しく購入することもできる。

こんな体験が少し先の未来のスタンダードになっているのでは、と私は思っています。

図5


引用元:(ENGLISH)REPORT CONVERSATIONAL COMMERCE YALO.pdf


チャットコマースの未来

本日はチャットコマースが注目を浴びている理由を海外レポートから一部抜粋し、ご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
2025年には14兆円もの市場規模に至るとも本レポートに書かれており、急速な成長が期待されています。

図6


引用元:(ENGLISH)REPORT CONVERSATIONAL COMMERCE YALO.pdf

チャットを制すものが2020年代を制す、つまり、LINEを制するものが2020年代を制すと私は本気で思っております。
ご興味持ってくださった方はぜひご連絡してもらえると嬉しいです。

今回も最後までお読みいただいて、ありがとうございました。


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