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大学がLINE公式アカウントを有効活用する方法

みなさん、こんにちは!
LINE Frontliner/スタディプラス株式会社の亀井昭宏です。

今回は、私の専門領域である教育業界、さらに一番多くお手伝いさせていただいている大学の学生募集マーケティングと呼ばれている受験生(高校生)向けのLINE公式アカウント活用についてご紹介します。

■大学を取り巻く環境と現状

現在の大学のおかれている状況としてはいくつか抑えておかなければならない 以下3つの事実があります。 

1.18歳人口の減少
2018年から毎年減少しており、今後もさらに減り続ける
2,私立大学の定員割れ
大学人気に偏りがあり、定員割れする私立大学が増加している
3.大学進学率の高止まり
徐々に増加してはいるが、さらに劇的に増加することはない

 これだけをとっても厳しい状況ですが、さらにマーケティング施策をみてもデジタル化の遅れが指摘されており、効率的に志願者を獲得する動きができていないのが現状です。私は、これは教育業界全体が1年で学年が1つあがるという”1種の周期”に影響されていて、それに伴い予算化や施策導入の周期も「1年で1サイクル」となっていることが一番大きな理由だと考えています。これによりすべてが1年で1つずつしか進まない状況を生み出していることが多いです。

■デジタルマーケティングへの取り組みとLINE公式アカウント活用の浸透状況

そんな中、多くの大学はデジタルマーケティングに活路を見出そうと、ネット広告や動画を含めたウェブコンテンツの拡充、SNS運用などにチャレンジしていますが、単発の汎用的な施策の繰り返しになっており、あまりうまく活用できているところが少ない印象です。
 
そのデジタルマーケティング施策の中に当然LINE公式アカウント活用は含まれているのですが、多くの大学がLINE公式アカウント の開設とシンプルな情報発信にとどまっています。LINE公式アカウントの開設自体は比較的早かったのですが、運用の中身としては他SNSと同様の情報発信のみといったかたちです。

■紙メディアや資料請求への依存

さらによくない状況としては、施策の中にまだ多く残る紙メディアへの出稿や資料請求者獲得施策です。またこれらは前年踏襲や過去実績をベースにしていることが多く、予算投下量もまだまだ多くなっています。デジタルマーケティング施策への予算シフトも徐々にされてはいますが、他業界のデジタルシフトと比較するとまだ比率としては少ない印象です。
また、多くの大学で資料請求数を増やしても大学への志願者・出願者が増加せず、相関がとれなくなってきている事実もあります。これは、多くの高校生の情報取得手法とメディア接触の仕方がかわっていることに起因しています。

■LINEマーケティング活用の誤解と間違い

先程も言いましたが、ほとんどの大学がLINE公式アカウントを開設しメッセージ配信を実施しているものの、うまく効果を発揮できてないのには理由があります。それは、LINE公式アカウントに対する誤解と間違った理解があるためです。

●  友だちは多ければ多いほどいいと思っている
●  メッセージを配信すればするほどブロック率が上がると思っている
(ブロック率に翻弄されている)

大学のLINE公式アカウントの効果の良し悪しに影響を与える1つの指標
まず、一般的な大学でのメッセージ配信の反応率をご覧ください。

※スタディプラスで実施したLINE公式アカウント5件の数値

これらの反応率は、何に一番影響されるかわかりますか?それは、「高校生がどれだけ友だちに含まれているか」=10代の比率 です

以下の一覧は、各大学のLINE公式アカウントの反応率と10代比率をまとめたものです。
見ていただいて分かる通り、LINE公式アカウントによって開封率、クリック率に差が発生しています。これに一番影響を与えているのが10代比率、つまり高校生がどれだけ友だちに含まれているかです。当たり前ですが、大学にこれから入学するのは大人ではなく主に高校生です。この部分を意識して運用することで反応率はかなりかわってきます。

※スタディプラスで実施した LINE 公式アカウント5件の数値

■大学でLINE公式アカウントを有効活用する3つの方法

ここからは大学での有効活用についてご説明していきます。

1.対象となる高校生の友だちを増やす
2.LINE公式アカウントの友だちの属性と興味を把握する
3.興味内容にあわせてコンテンツを配信する

1つずつ説明していきます。

1.対象となる高校生の友だちを増やす

最も友だちを効率よく獲得できるのは、オープンキャンパスなどのイベント申込時の友だち追加です。サードパーティ製のマーケティングツールでのLINEログインの活用で、LINE公式アカウントでのイベント申込と同時に友だち登録をおこなってもらうことが可能です。あとはイベントの集客に集中していけば、同時に友だち追加も増えるということになります。その次にくる施策が広告による友だち追加です。LINE広告で年齢によるターゲティングをかけたCPF課金での配信が有効になります。

2.友だちの属性と興味を把握する

そういった施策で高校生の友だちを増やしつつ、次におこなうのは属性と興味関心の把握です。LINE公式アカウント内にアンケートフォームを設置しエリアや学年、興味関心が何かを直接聞く形で情報を収集します。純正機能であればリサーチ機能になりますが、そのアンケート情報に基づいた配信はできないので、もしそういったご希望がある場合は、サードパーティー製のマーケティングツールを接続して情報取得を行いましよう。

3.取得情報に合わせたメッセージ配信

学年や興味関心情報を十分な数で取得できてきたら、次はその内容にあわせてメッセージをわけて配信していきましょう。シンプルに開封率やクリック率の向上につながります。

■連絡手段としてのLINE公式アカウント活用

さらに、継続コミュニケーションの追加施策として、イベント申込後の連絡手段としてLINE公式アカウントを使うこともできます。こちらもサードパーティ製のマーケティングツールの活用になりますが、イベントの細かな情報発信(時間の変更や追加申込)が気軽にLINE公式アカウントでやりとりできれば参加者側の安心にもつながると思います。

■大学でのLINE公式アカウント成功のポイント

10代比率の定期的な把握を行いつつ、興味関心情報を取得しその情報にあわせたメッセージ配信を行う、これを繰り返していくことで、ブロック率上昇の抑止、メッセージ配信に対する反応率の改善ができ、1年〜1年半という長い大学選びでも高校生と継続的なコミュニケーションが可能となります。

今回は大学でのLINE公式アカウント活用についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?大学で学生募集という一種特殊な世界ではあるものの、若年層マーケティングの1つでもあります。10代をターゲットとするその他の業界や業種でも参考になる部分もあるのではないでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今後も、自身の活動の中でLINEを活用して得られた情報を発信できるようにしていきたいとおもいます!

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