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箱根駅伝区間オーダーについての持論


みなさん、こんにちは!志方です。


昨日、1/3を持って日本の主要な駅伝の大会が終了しました。

一応、男子、女子の都道府県駅伝が残されていますが、単独チームで戦う駅伝としては、昨日の箱根駅伝が最後になります。

みなさんは観戦されましたか。


僕は家にTVがないものなので、SNSで結果を追うしかありませんでしたが、今回の箱根駅伝は結果を見て驚かされました。

そこで今日は、読者の方がランニングする上での情報ではなく、箱根駅伝の区間オーダー決めを志方なりにどういった選手を配置するかを書いていこうと思います。


これを読んで、来年以降の箱根駅伝の各大学がどのような思惑で区間オーダーを組んでいるのかを自分なりに考察するのも面白くなるのではないかと思います。


各区間配置のセオリー


10区間あるそれぞれの区間に配置される選手はこういう特徴があります。

  • 1区 出遅れることは許されないので、失敗が少ないかつ走力がそれなりに高い選手。 チーム内では2~4番手ぐらいの選手


  • 2区 エース区間。ラスト3kmは上りになるので10000mの走力もさることながら、20km走っても上り切れる馬力のある正真正銘のエース。 当然チーム1番の選手


  • 3区 下り基調のコースなので、スピードのある選手。近年では2区とセットで考えるチームもあるのでエースを投入してくることも。 チーム内では1~3番あるいは調子の良い選手


  • 4区 山登り前最後の区間。距離の変更によりこの4区が最重要になりつつある。チーム内2~5番手ぐらいの選手


  • 5区 箱根名物山登り区間。特殊区間なので走力があるというより、山上りの適正があることが最重要。順位の変動が多いので最も重要な区間。


  • 6区 箱根名物山下り区間。こちらも上り同様、下りを走れる適性のあることが最重要。こちらも順位の変動が多いのと、復路スタートということで重要。


  • 7区 ダークホース区間。繋ぎの区間ではあるけどアップダウンが多いので油断できない区間。チーム内7~10番手の選手


  • 8区 上り区間。こちらも繋ぎの区間ではあるけど上りの得意不得意で順位が入れ替わる可能性のある区間。上り適正が必要。 チーム内7~10番手


  • 9区 裏エース区間。2区のコースを逆走するのと距離が長いので復路のエースと呼ばれる。ここで順位がほぼ決まる。 チーム内3~5番手の選手


  • 10区 アンカー。勝負は大方決まっているが、それでも23kmもあるので順位を決定付けさせる安定感のある選手が任せられる。 チーム内6~10番手


決める順番としては、5,6区は上りと下りの適正があるかどうかで決まるので、割と早い段階で決まります。


その次は、2区、3区、4区とエース各が走る区間が決まっていくと思います。あとは調子の良い順に1区、9区、7,8,10区という感じです。


あえてセオリー通りいかないオーダー


セオリー通りに行くと他大学に戦略を読まれてしまうので、あえて外して別の区間で追い上げるオーダーとかもあります。


エースだけど、2区ではなく3,4区に回ってあえてエース級との争いを避けて、そこで一気に追い上げ、突き放すという戦略もあり


エースを1区に入れて、飛び出して大きく貯金を作って他大学の焦りを生まれさせるという戦法もあります。


ただ、こういったセオリーを外すというのはチーム内の選手層が厚くなければできません。


どこにエースが配置されるかにも注目すると、その大学がどこで差をつけたいかがわかるかと思います。


当て馬戦法


箱根駅伝には、当日変更が可能というルールがあり、それを利用してエースや力のある選手をわざと補欠にしておいて当日変更で配置するというやり方があります。


これによって他大学は、どこにエースが来るのかを予想しなければならず、大会前オーダーの時点から駆け引きが始まります。


当て馬にさせられた選手は、悔しいと思うので来年以降当て馬にならないように頑張ってほしいものです。


今回の箱根駅伝のオーダー


今回一番の注目は駒澤大学で、勝負ごとに絶対はないから駒澤が何かアクシデントがあれば、どこかのチームが勝てるかもという戦前の予想でした。


普通に行けば駒澤、もし勝てるとしたら中央、青学、国学院あたりかという感じで駒澤一強でした。


駒澤のオーダーとしては、1~3区までスーパーエース級をズラリと並べて、4区も力のある選手ということで、


3区までに勝負を決めて、4区でダメ押し、5区は安全にいって往路優勝してから、あとはリラックスして繋いでいって、9区でもさらにダメ押しをして完全優勝。


オーダーだけを見れば、1~3区までで戦意喪失するようなオーダーで、仮に1~3区で誰かアクシデントがあってもその3人の誰かがカバーできるそれぐらい、3区までの選手が強力でした。


他の大学もセオリー通りのオーダーで、2区にエース、3,4区に力のある選手で9区に復路のエースという感じでした。


中央だけは、7区に準エースを配置しましたが中央が往路3位以内であれば、7区でトップに立って逃げ切るという目論見があったのかもしれません。

まさかの青学の圧勝


1区が、前評判通りに駒澤が区間賞を獲ると、誰しもが今回も駒澤か…となったはずです。


しかし、ここから波乱が起きます。


2区の駒澤の選手よりも青学の選手の方が速く、追い上げを許してしまいます。


駒澤の選手もアクシデントがあったわけではなく、タイムも素晴らしいものでしたが、それ以上に青学の選手が速かったのです。


ここで順位が変わったわけではなかったので、3区の駒澤の選手が再度突き放すだろうと思いきや、


3区でも青学の選手の快走が止まりません。


駒澤の選手も素晴らしいタイムでいったのですが、ここでも青学の選手がそれ以上を行って、ついに順位が入れ替わってしまいます。


こうなると、青学の勢いが止まりません。


4区で、本来駒澤がやりたかったダメ押しを青学が見事決めて、そこで勝負はついてしまいました。


これを見ると、駒澤大学はこれまでずっと勝ち続けていたわけで、王者というプライドがありました。


そのプライドというのは、一度崩れたら脆いもので、レース中に立て直すというのは容易ではありません。


だから、戦力的には十分逆転可能でしたが、追う展開の経験の無さというのも露呈し、どんどん離されてしまい結果、6分30秒という差になりました。


いつも通りの走りができる区間オーダー


大学生というのは、まだ経験的には浅く自分の思惑と違った展開になると焦ることが多いです。


これが、トップで走る選手を追いかけきれないところで、後ろでタスキをもらうとどうしても前に追いつこうとオーバーペースになってしまいます。


じっさいにオーバーペースじゃなくても、気持ちの焦りからいつもより脈が上がりやすく、呼吸の荒さが目立つとおもいます。


逆にゆっくり走りすぎると、差が広がってしまうのでそこでも心理的に焦りが出てしまいます。


後ろでタスキをもらうのには、かなり精神的に落ち着かないと難しいのです。


だから、なるべく選手が普段通りの走りができるように、前半型オーダーにします。


そうすると順位が前の方で走ることができるので、精神的に落ち着いて走ることができ、普段通りの力を発揮しやすいです。


おそらく、駒澤も最初の3区間で一気に決めて、あとは普段通りの走りをしてもらえば優勝はできるはずでした。


ただ、こういうオーダーは前半に主力級を投入することになるので、今回の駒澤みたいに、それを上回られたときにかなりの精神的ダメージが起こります。


おそらく、4区、5区の選手は普段の走りができなかったのではないかと思います。


こう考えると、1区の選手を4区か7区に回して、1区を違う選手で先頭が見える位置でタスキを渡せればという戦略にしていれば、


今回の3区の時点でまさかの展開になっても、そのあとの4区あるいは7区で修正できていたのかもしれません。


たらればですけど、こうやってみると箱根駅伝は距離が長い分、区間配置というのはとても重要だとわかります。


こんな感じで各大学は、他大学の選手の情報を入れてどんなオーダーをしてくるかを予想して、チームのオーダーを編成します。


見る側としては、大学ごとにどこで勝負をしたいのか、どこで差を広げたいのか、あるいは追い上げたいのかというのがオーダーを見て予想できます。


予想をしながら観戦するとより駅伝も楽しく見れるはずなので、来年以降の箱根駅伝の観戦時に参考にしていただければと思います。

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