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#49 遠い星で、また会おう。

※この作品は、フィクションです。



 見慣れない景色がだんだん遠ざかり、自分たちの街の風景に変わってくる。タクシーは、とある病院の一本裏の細い道に入った。そこには、今まで見たことのないような、教会のような建物があった。入り口にはマリア像が置かれ、看板には「里中慈愛院」と書かれていた。やっぱり教会か?

 タクシーから降りると、黒いベールを着た女性が入り口から出てきた。松ヶ枝さんと一緒に施設に入り、応接間みたいなところに通された。

 「こんにちは。」

 「こんにちは。」

 「山元洋介君と、浩介君、だね。」

 「はい。」

 「私は、院長の松本と言います。ここは、『里中慈愛院』という児童養護施設です。みんな、あなたたちが来ることを楽しみにしていました。」

 「はあ…」

 そこに、一人の若い男性が入ってきた。上下ジャージを着ていて、いかにもスポーツマンといった風貌だ。

 「こちらが、あなたたちの担当職員になる、椋野先生です。」

 「こんにちは、椋野です。」

 「こんにちは。」

 「じゃあ、早速だけど、部屋に行こうか。」

 そう言われて、俺らは椋野先生の後を追った。松ヶ枝さんが「また今度」とあいさつしてくれた。




↑ 前話






この物語は、著者の半生を脚色したものです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054897740193



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