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クラフトビールってなに?

そもそもクラフトビールとは

ビールの歴史は意外と古く5000年以上の歴史があります。今でもビール大国と言われるドイツやベルギーなどから広まったのですが、実はクラフトビールの起源はアメリカにあります。1920年代にアメリカで禁酒例が発令され、小規模なビール会社が激減してしまい、ビールのバラエティも急速に減少。
1933年に禁酒法が廃止されても、ライトなラガービールばかりが流通している状況でした。。1970年代には、ラガービールに飽き足りたアメリカのビールファンたちが自家醸造をはじめます。自宅でビールをつくることができるホームブルーイングが解禁となったこともあり、小規模醸造所が爆発的に増えて、クラフトビール文化が発展しました。

日本でのクラフトビール

1994年に酒税法が改正され、ビール製造に必要な最低製造量が年間2,000㎘から60㎘に大幅に引き下げられたことで始まります。これにより小規模な醸造所が徐々に設立され、地ビールとして日本全国に広がっていきました。
しかし品質が良くないこと、大手メーカーの安価な発泡酒発売などにより、ブームは終わりを迎えます。
現在では品質の向上も図られ、日本全国には500以上のブルワリーが存在します。世界での評価も年々高まりつつあります。

クラフトビールの種類は150以上?

ビール造り方は大きく分けると2種類です。
上面発酵で造られる「エールビール」下面発酵で造られる「ラガービール」です。しかし「麦芽」「ホップ」「水」「酵母」「副原料」によって様々な味わいのビールを作り出すことが出来ます。
代表的なものには「ピルスナー」「ペールエール」「IPA」「スタウト」「ヴァイツェン」「フルーツビール」「バーレイワイン」などがあります。
代表的なスタイルの特徴などをまとめてみました。

ピルスナー

ピルスナーウルケル

日本の大手ビールメーカーが醸造しているビールのほとんどがピルスナータイプのビールです。発祥はチェコで世界で最も飲まれているスタイルです。
ピルスナーは、黄金の液体に白い泡が特徴的で、味わいはすっきりシャープな口当たり。モルトの風味がしっかりと感じられ、さわやかなホップ由来のアロマや苦味もあります。
止渇剤としての役目もあり、口の中をリセットするという意味合いもあることから、油を使う料理との相性が抜群です。

ペールエール

ロクムギ

イギリスで誕生したペールエール。ペールとは淡いという意味です。当時のビールは濃い色が多かった為、ペール(淡い)と名付けられました。
華やかなホップの香りが特徴的で、苦みも比較的少なく、どんな料理にも合わせやすいので、クラフトビールを飲んだことのない方や、初心者の方にはお勧めのスタイルです。
また香りは温度が上がるにつれて華やかになるため、少しぬるいくらいでも美味しく飲めるのも特徴です。

IPA

パンクIPA 東京クラフト華やかIPA

IPAとはインディアペールエールの略です。イギリスから当時イギリスの植民地であったインドにビールを送る為に造られました。輸送中に傷まないようにホップを大量に入れて造られたスタイルです。
ホップを大量に使っているので苦みが強く、アルコール度数も高めなものが多いです。IPAは派生のスタイルも多く、アメリカンホップを使用した「アメリカンIPA」やアルコール度数が高めの「ダブルIPA」などがあります。自分好み4もIPAをぜひ見つけてみてください。
IPAは強い香りと苦みがある為、合わせる料理もカレーや中華料理などの味の濃いものがおすすめです。

スタウト

エチゴビールスタウト ライオンスタウト

スタウトとは黒ビールの1種で、世界的にはエールビール(上面発酵)のビールですが、日本におけるスタウトとは「濃色の麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビール」と国税庁が定義しているように、下面発酵(ラガービール)でもスタウトと名乗れます。
ナッツやコーヒーのような香ばしい香りが特徴のビールです。しっかりとした苦味とすっきりとした後味のドライスタウトが主流ですが、アルコール度数の高いインペリアルスタウト、乳糖を加えたミルクスタウト、牡蠣のエキスを加えたオイスタースタウトなどもあります。

ヴァイツェン

銀河高原ビール 小麦のビール

ヴァイツェンとはドイツ南部のバイエルン地方発症の小麦を使ったエールビールです。原料の麦芽のうちの50%以上に小麦麦芽が使われています。
液体は白く濁っていて、バナナやリンゴのようなフルーティな香りと、クローブのようなスパイシーな香りが特徴。苦味は少なくまろやかな口当たりのビールです。ヴァイツェンいうと、ろ過していないヘーフェヴァイツェンを指すことが多いのですが、それ以外ににもろ過したクリスタルヴァイツェン、焙煎した大麦麦芽を使ったドゥンケルヴァイツェン、アルコール度数が高いヴァイツェン・ボックなどのスタイルもあります。
合わせる料理は魚系など淡白な味わいの料理に良く合います。

フルーツビール

リンデマンス

フルーツビールとは醸造の途中でフルーツやフルーツシロップを入れて造られるビールです。その名の通り、フルーツの香り、味が楽しめるビールです。桃、いちご、マンゴー、パイナップル、みかんなど、使われるフルーツも多く、いろんな味を楽しめるのも特徴です。またフルーツの香りも強いものが多く、麦芽やホップの香りに負けないくらいしっかりしています。甘く飲みやすいこともあり、ビールが苦手な人でも楽しめるビールです。
甘口のものは、デザートと一緒に飲んでも美味しいです。

バーレイワイン

ミッケラー、シエラネバダ

バーレイワインとは訳すると麦のワインという意味です。通常のビールは2~3週間の熟成ですが、半年~1年もの時間をかけて熟成させる、長期熟成のスタイルです。ボディの強さ、アルコール度数の高さが特徴的で、熟成を重ねたことによるカラメルのような香りも感じられます。
しっかりとした味わいを楽しむためにも、ワイングラスで飲むのがおすすめです。まるで洋酒のような味わいのものもあり、チーズやナッツと一緒に飲むのがおすすめです。

まとめ

クラフトビールの種類は細かく分けると。さまざまなスタイルが存在します。それぞれのスタイルにそれぞれの歴史や時代背景があり、クラフトビールに興味が無くても調べるだけでも興味深いものがあります。
また同じスタイルに分類されていても、味わいもそれぞれ異なるので飲み比べても面白いと思います。
みなさんも是非お気に入りの1杯を見つけてみてください。