夏酒ってどんなお酒?
夏と言えば「海」「花火」「ビール」が思い浮かぶ人は多いと思いますが、「日本酒」と答える人はまぁいないと思います。しかし日本酒の中には「夏酒」と呼ばれるお酒が6月頃からよく店頭に並びだします。
この「夏酒」とはいったいどんなものなのでしょうか。
夏以外の季節の日本酒
夏酒の説明の前に夏以外の季節の日本酒を紹介したいと思います。
日本酒造りはお米の収穫が終わる10月頃から本格的に始まります。
そして12月~3月頃にかけてその年のお酒が出来てきます。そのできたてのお酒を詰めて出荷したものを「新酒」と呼びます。みずみずしく、フレッシュな味わいが楽しめます。
もう一つ代表的なものに「ひやおろし」と呼ばれるものもあります。10月頃に造ったお酒を一度火入れを行ってから夏の間貯蔵し、秋口に出荷されます。香りがよく、まろやかな味わいが特徴的です。
この2つは知っているという人も多いでしょう。では夏酒とはなんなのでしょうか。
夏酒の定義とは
結論から言うと特に明確な定義は存在しません。
元々日本酒の需要は冬に集中していました。夏場には需要が落ち込み、日本酒が売れないことの打開策として、各酒蔵が夏にピッタリの暑い夏でもおいしく飲める日本酒を「夏酒」として提案したのが始まりです。この夏酒という言葉が生まれたのはここ十数年ほどなので、全然知らない人も多いと思います。
夏酒ってどんなお酒?
極端な話をしてしまえば定義がないので、どんなお酒だろうと夏酒として出すことは可能です。と言っていても仕方ないので、夏酒として出荷されることの多いタイプのお酒を紹介したいと思います。どのタイプも通年飲めるタイプではあるのですが、夏酒として提案されることの多いものを紹介します。
フレッシュな味わいが特徴の生酒
夏酒として1番多いのがこのタイプです。生酒とは通常2回火入れを行い出荷されるところを、火入れを1度も行わず出荷されます。なので非常にフレッシュでみずみずしい味わいを堪能することができます。そしてフルーティーで飲みやすいものも多い為、初心者の方にもおすすめの日本酒と言えます。
原酒
原酒と聞くと「味が濃い(しっかりしている)」「アルコール度数が高い」という印象があると思います。夏には重たいと感じるかもしれませんが、これも飲み方次第。氷を入れてオンザロックで飲めばすっきり美味しく飲めるはずです。さらに氷が次第に溶けることで、味わいの変化も楽しむことができます。
また、レモンやライムの果汁を入れたり、お好みのジュースを入れてカクテルにして飲んでも美味しいと思います。
にごり酒
にごり酒の中でもさまざまな種類がありますが、夏におすすめしたいのは活性にごり酒と呼ばれるタイプです。活性にごり酒は、もろみを濾してから火入れをせずに酵母が生きたままの状態で瓶詰めしたものなので、瓶内ではまだ発酵が続いています。ですので発泡が残り、爽やかなのどごしになります。
夏酒を飲もう
夏酒に明確な定義は無く、はっきりとした線引きがないのも事実ではあります。しかし各蔵元が思考を凝らして夏の暑い日でも美味しく飲める日本酒として造っていることも事実です。
暑いのに日本酒は・・・と思うかもしれませんが、1度は試してみる価値はあると思います。
暑い夏でも日本酒を楽しみましょう。