【手記#3】徹夜

微睡む横目で眺める時計の秒針が随分とゆったり廻るだけに、目が醒めた時の感覚はタイムスリップに近い。それゆえ、眠れず明かす夜、窓際がだんだんと白んでゆく様子を見て、毎日当たり前に存在する筈の夜を、どこか新鮮に暴く。そこにある確かな時間を、なぞるように。些細な後悔を携え、次第に重くなる意識とせめぎ合いながら。

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