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「良い習慣」がもたらすもの

 選手としての能力を高め、「良いプレー」を発揮し続けていくためには、トレーニングを積み重ねる他に、たくさんの要素が必要となってきます。

 今回は、クラブがどのようなプロセス(過程)を大切にしながら、選手にアプローチしているのか、についてお話していきたいと思います。


 チームの戦略として、「プレーできる選手を育成していく」ということは前々回お伝えさせていただきましたが、プレーできるようになるためには、テクニックやインテリジェンス、フィジカルなどのピッチ内の能力を高めていくと同時に、ピッチ外の自らの行動に対して、責任を持って判断し、決断できる「主体性」の能力も高めていかなければなりません。

 ピッチ外における成長が、ピッチ内での成長をより促進させると捉え、「良い習慣」を身に付けたうえで「結果」がもたらされる、という考えを大切にしています。

 では良い習慣とは何か?

 クラブでは、良い習慣を「主体性を育むための行動」と定義しています。

 決して特別なことを行っているわけではなく、低学年には、「人の話を聞くときは喋らず、他ごとをしない」「自分の道具を散らかさずにまとめておく」などの最低限のことから、高学年や中学生には、「挨拶」「片付けや着替えを決められた時間内で行う」など、当たり前なことばかりです。

 まずは決められた基準の中で行動してもらい、その中で自ら進んで行動する(自主性)習慣がついた選手は、何も決められていない(言われていない)状況でも自分で判断して行動する(主体性)、という順序で身に付いていくと考えています。

 選手はピッチ外とピッチ内がつながっていると想像できないので、求めていることに意味を持たせ、「だから大切なんだよ」ということを伝えるようにしています。

 毎週金曜日のスクールに参加してくれている高学年の選手たちは、練習前後で使用した道具を、コーチが何も言わなくても、コートの外に綺麗にまとめて片付けるのが当たり前になっています。

 中学生も、小さなことですが、身だしなみや着替える時間の短縮、練習に対する集中力、練習後の掃除など、そういったことを徐々に気にすることができてきています。

 このように、まだプレーに反映されていなくても、着実に「当たり前」の基準が変わってきています。

 しかし、今回のテーマを「良い習慣」がもたらすもの、としましたが、簡単にはもたらされることはありません。

 選手が、これまでお話ししてきたことを習慣化し、「結果」につなげるまでには、年齢に関係無くとても長い時間が必要で、選手もコーチも、そして保護者の方もそこまで辛抱できるかが一番のポイントです。


 選手の中には、上手くいかないことが続くと、モチベーションが無くなり、諦めたり辞めてしまう子もいます。

 選手の最終的な目標は、ピッチ内で「良いプレー」を発揮し続けることにあると思います。 

 良いプレーを求めることはとても大事なことですが、結果(良いプレー)を求める前に、人としてやるべきことがたくさんあり、辛抱しながらその部分の重要性を伝え続けていかない限り、簡単に諦めたり、自分で責任を負わない選手になってしまうと感じています。

 良い習慣が良いプレーを生み出し、中身のある選手へと成長させると信じています。

 偉そうに話しをしてきましたが、私たちも選手たちと同じ立場です。

 成長をサポートできるように、今後も少しでも選手の力になれるような行動をしていきます。

 

 

 

 

 

 

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