見出し画像

外国人の上司

現職ではありませんが前職時代に、2回ほど外国人の上司の下働いたことがあります。

世の中には様々な外国人の上司がいますが、私の場合は非常に幸運でした。

一人目の上司

一人目は英国出身米国在住で、エクスパットで日本に来ていた上司でした。その上司はビジネスマンというよりは学者肌で、現に大学の講師などもしていたようです。たまたま私が関わっていたプロジェクトがグローバルで見ても非常に重要だったため、その上司は部下を持ったりすることはあまり好きではなかったのですが、グローバルのトップに頼まれて着任していました。

まずほとんど管理しません。やるべきことを明確にするだけで、あとはこちらにほぼ任せきりでした。顧客とは週例ミーティングがあるので、その前に少し確認したりはしますが、細かいことはまず言いません。ですがいい加減なわけではなく、本国には顔は利きますし、顧客からの信頼も厚かったです。私を初めメンバーも怠けることなく成果を出し続けました。これはどのようなマネジメントスキルか、、私も説明や表現できませんが、東洋的価値観では「人徳」とでもなるのでしょうか。

一つ忘れられないイベントがあり、その重要顧客のプロジェクトの最中に、私が家庭のサポートで早退しなければならなかった時に「お前の家族は〇〇(日本最大顧客)より大事だからすぐ帰りなさい」といってくれ、その後2週間くらい休んでもいいように人繰りまでしてくれました。結局私はすぐ復帰できたのですが、ビジネスより家族を大事にする欧米人らしいですね。日本人もそうすべきなのですが。。

結局彼は短期間のエクスパットを終え、個人的事情により上海のオフィスに移り、数年前までそこで仕事をしていました。そのときも基本的にやりたいことをやっていたようですが、それが不思議と会社に貢献できるのですから。。甚だ羨ましいビジネスマン人生といえるでしょう。

二人目の上司

二人目の上司はオーストラリア人で、この人はまさに「人徳」の人でした。日本人でも彼より人徳のある人間は少ないのではないでしょうか。本国からであれ顧客からであれ部下からであれ常に誠実に対応する、これに尽きます。彼が非常に忙しい中でも、きちんと時間を取って相談に乗ってくれたり、行き詰まったり悩んでいる部下(部下の部下含め)も随分配慮してくれていました。

あまりにも信頼が厚いので、1度日本を去って本国へ戻ってからも、上層部に頼まれて2度3度と来日し日本の仕事をしてくれました。別に生活には困らないでしょうし、こちらで仕事をすると奥様とは別居になってしまうのですが、どうも断れきれずに引き受けてしまっていたようです。。最後の送別会の時は、私のようにかつて一緒に働いていた人間が沢山あつまって別れを惜しみました。

その後。。

この二人以外にも何人も日本人の上司の下働きましたが、もちろん皆さんと概ね上手くやれて総じて上司運には恵まれているのですが、この二人ほど私のビジネス人生に影響を与えた上司はいません。一般的に外資系はそんなに暢気なものではないのですが、そのような環境のほうが、メンバーさえまともであれば素晴らしい結果、共に頑張れる雰囲気を出せるのだということを学びました。そこには上司がどの国の生まれであるかは関係ないですね。

その後私は部下を持つ立場として十年以上過ごしています。とても彼らのようにはなれませんが、心の中にある鑑として仕事人生を過ごしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?