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"ちょこっと"働く育児休暇を取りました。

まずはじめに

このnoteは、これから出産を迎える同じような境遇のパパママ「家庭を優先したいけど仕事しないと現場にも相当負担がかかってしまうという悩みを抱える同志たち」に宛てて書きました。スタートアップに限らず、幅広く当てはまると思っています。

僕は家族が、妻と息子と娘が大好きです。人生イチの、最大の幸運に恵まれたと確信しています。

ただ同時に、仕事やメンバーのことも好きでした。娘(第二子)の妊娠が発覚した時、わかってはいたけど具体的にどう過ごそうかとても悩んでいました。
・気持ちとしては家庭を優先したい
・だけど、仕事に穴を開けづらい
そんな悩みを解決すべく、全員に迷惑をかけすぎない方法を探していました。

もちろん当然ながらそれぞれに迷惑をかけてしまうことには変わりはないのですが、少しずつでもいいから軽減したい、そう願って、この方法に辿り着いたし、やって良かったなと振り返っています。

・育休ってどうなの?
・育休ってそもそも何?
・今の制度ってどうなってるの?

少なくとも僕はこうでした。同じような悩みを抱える皆さんにとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
(なお、この記事は育休制度を網羅的に説明するものではありません。この記事を読んですこしでも気になった方は厚労省のサイトをご覧ください)

少しでも家庭と仕事を両立できる、そんな生活を皆が出来るようになればいいなと思い、参考までに読んでみてください。

産後パパ育休って、知ってますか?

産後パパ育休とは

産後パパ育休とは産後8週間以内に4週間(28日)を限度として2回に分けて取得できる休業で、1歳までの育児休業とは別に取得できる制度です。

男性の育児休業取得促進のため、取得ニーズが高い子の出生直後の時期(子の出生後8週間以内)に、これまでよりも柔軟で取得しやすい休業として設けられました。

厚生労働省「育児・介護休業法改正のポイント」

私は出産日より4週間、産後パパ育休を取得しました。
第一子が帝王切開だったこともあり、第二子も必然的に帝王切開だったので、予め予定が決まっている予定帝王切開でした(第一子が帝王切開だとその後の出産も基本的には帝王切開です)。

私は、とある会社で、とある事業のビジネスサイド全般を掌る仕事をしています。時にはマーケティング、時には事業企画運営、時にはカスタマーサポート、時には採用やオンボーディングなど、需給のバランスを整える仕事を手広く、そして深くやらせてもらっています。

各所にそれぞれをメインミッションとして担当するメンバーももちろんいますが、私自身もかなり手を動かしながら意思決定をして事業を前に進めていくのが主な役割です。

第二子が安定期に入った頃から、

「第二子が生まれたら、どんな生活リズムになるんだろうか」

こんな漠然とした悩みがありました。

4歳児が居て、乳幼児がいる生活?とは?

長男は保育園に通ってますので、朝と夕方に送迎が発生します。元気盛りの4歳男児。今はとにかくいろんな言葉や行動をいろんなところから吸収してきて、ママやパパに「ねぇねぇ見て見て!」「ねぇねぇ聞いて聞いて!」と言ってみせて聞かせてみせて、歌って踊って遊んで食べて寝て「すごいでしょ」と顔をキラキラ輝かせる。

セミを捕まえて喜ぶ長男

それゆえに親としては嬉しい楽しいシーンは勿論、一方でハラハラドキドキしてしまうシーンもしばしばあるのですが、、、そんな、ずーっと毎日飽きさせてくれない元気いっぱいの長男くんと、生まれたばかりで首もすわってない乳幼児が一緒に生活することなどできるのか・・・?

先人たちを見れば当然できないわけはないのですが、僕たち夫婦からすると不安でいっぱいでした。そもそも、出産自体にも不安がつきまとうのに、その後育てていくことなどどうして楽観視できようかという状況でした。(もちろん、それ以上に喜びと楽しみがあったので、どう乗り越えていくのか、というスタンスで検討していましたが)

そして、そう簡単に仕事に穴は開けられない・・・

幸いにも、事業は右肩上がりでとても順調でした。それは結果的に今でも続いています。
嬉しい悲鳴とはまさにこのことでしょうという忙しない日々で、お客様からも世界中で働く仲間たちからも、様々なフィードバックをいただくことが出来、毎日様々な課題と向き合い、より良い未来を描いて解決に向けて奮迅していました。
そんな状況で、1ヶ月まるまる休むことなど…!?と思いました。

どうすれば、全員にとって最も好ましい状況で出産を迎えることができるのか、その状況を作り上げることは私自身の責務であると感じ、調べることにしました。

そこから色々調べてみると、どうやら2022年4月から育児休業制度が変わり、今まで以上にパパでも育休が取りやすい状況に変わっているということがわかりました。

簡単にいうと、

  • 子の出生後8週間以内に4週間(28日)まで取得可能になった

  • 1歳までの育児休業を分割で取得になった

みたいなところがわかりやすいでしょうか。参考までにサイトを添付しておきます。引用元は上述済

これらの条件を見つけたので、育休に対して若干ポジティブに捉えられるようになりました。

ただこれだけだと、「まるまる1ヶ月」僕がいない状態を作ることになる。
それは果たして「この状況の中」、僕自身が心残りなく家庭だけに向き合い、休むことができるのか?

というのが引っかかり続けていました。

さらに育休について調べていくと、こんなことを知りました。

育休期間中に就業した場合の制度について

段階的に用意されていたケーススタディ

詳細はこちらに掲載されているのでぜひご覧いただきたいのですが、育児休業制度は、原則はしっかり家庭や育児に向き合って休むことを正とされていますが、段階的に「働いた場合のケーススタディ」が用意されているってこと、みなさんご存知でしたか?(僕は知りませんでした&ちょっと解釈を捻じ曲げているかもしれませんが)

厚労省サイト

育児休業を取得すると会社的には休業扱いになりますから、会社から給与が支払われることはありません。その分、最大でも賃金の67%(最大額の規定あるので年収高い人は要注意)を国が給付金として補填してくれる制度です。

ですがよくよくみていくと、会社からの賃金支給があった場合、その額に応じて段階的に給付金の額を変えるよ、というものです。
これを見て僕は気付きました。

仕事を全くのゼロにしなくても大丈夫なんだ、ということに。

詳細を見ると、賃金が本来勤務時間の10%以上を超えると給付金が減額されていくという前提ですので、逆にいうと10%未満であれば働くことができるのでは?という思考に至りました。

ここで敢えて補足しておくと、給付金を満額受給したかったから10%未満としたのではなく、11%以上でも働いてしまえばそれ以上際限なく働き始めてしまう自分の性格的に、10%未満というのをルールにして、それ以上はやらないと決めるために10%未満をバーとしました。そもそも0か100かのものではないということを知れた、というのが大きかったです。(なお、10%未満であれば妻からの賛同も得られやすいかもしれない、などといった打算があったことも認めます)

しかしそう考えてみると10%とは意外とバカに出来ません。
1ヶ月の営業時間を160時間と考えると、16時間です。10%未満ということはつまり15時間59分までは働くことが出来ます。これは、毎週月曜、4時間弱だけ働くとすることができるというわけです。毎週必ず1日は稼働できるというのは、絶え間なく進み続ける事業やタスクのキャッチアップも出来るので、個人的にも大変助かりました。

あとはこの15時間59分で何をするか、事業の成長速度を止めず、少ない時間でも僕が成果にインパクトし続けられる、現場メンバーの支えになれる、そんな業務は何かをデザインするだけでした。

全員が、本当に大事なことだけに集中できた

  • 意思決定の線引き(細かい基準は割愛)として伝えたこと

    • 僕がいなくても決めていい、進めていいラインのもの

      • 僕の判断を仰がず、ガンガン進めてOK

    • 僕に判断を必ず仰ぐor一声ほしいラインのもの

      • 毎週月曜の定例でアジェンダ作って、意思決定できる状態で持ってくる

      • その場で決められなかった追加検討系は、判断基準を明確に伝えて来週には持ち越さずその週内で決めて進めて良いとしたこと

  • 同時に伝えたこと

    • 行った施策がどのような結果になろうとその意思決定を尊重・信頼するし、成功しまいが失敗しまいが、次に向けての「お勉強」に過ぎないので気にせず突き進めと強く伝えた

    • 投資額が大きい、時間的猶予がある、難しい意思決定で自ら僕の判断や思考を仰ぎたいとした場合はすぐに決められず進められなくても、翌週までの持ち越しをOKとした

当然ながら、他チームのマネージャーのリソースを借りて細かな質問を出来るようにしたり、そういった体制面で最低限のフォローはした上で、現場のタスクレベルまで解像度高く落とし込んだことにより(実際にはやりながらの部分もかなりありましたがw)、4週間、ちゃんと事業が前に進み続けたかなと思っています。

なお、これによってもう一つ思わぬ副産物がありました。
それは、僕が戻った後も同じ基準で仕事が進んだ=各メンバーの一時的な負担増による大幅な成長が促された、のです。これを目の当たりにした僕はとても反省しました。今まで過保護にしすぎていたのか、メンバーの成長を止めてしまっていたなと。それ以降は思い切っていろんな案件を任せるようにしています、というのは余談です。

戻ってきた後に1on1で言われてちょっと感動したのは、
「今まで自分がいかにるいさんに甘えてきたかがわかりました。自分で意思決定してるようでしてなくて、それを実感する1ヶ月で、とても緊張感がありつつ、ただそれ以上に充実した1ヶ月でした」

と。あーほんとにこのメンバーはマインドが決まったな、コミットしてるな、もうこれからは大丈夫だな、と思えた瞬間でした。

回想

最後に

仕事への向き合い方

  • 毎週月曜の4時間弱は意思決定と重要な仕事だけに時間を割き

  • それ以外は全てみんなに任せる

というチームみんなからの支えがあり、育休を取得することが出来ました。

チームのみんなはシンプルに負担が増えただけなので、美談っぽく書いてふざけんなよって思うこともあるかもしれませんが、、、汗

僕が本件を通して大事だなーと振り返ってるのは下記。

  1. 家庭と仕事のバランスを本気で取りに行くこと

    1. 僕の場合は10%でも周囲の協力を経て無事回すことができたのですが、きっとそれは職場環境や家庭によっても異なるはず。家族で役割分担など、話しながら&やりながら見つけましょう。

  2. 何事も明確にすること

    1. 家庭でも仕事でも、何を役割として担うのかを明確にしましょう。

    2. クリスタルクリアであることは安心に繋がる。プリンシプルを作って運用することがいかに重要かということです。

  3. やらないことを決めること

    1. 物理的にできないことをいくつかやめてみましょう。そしたら問題なく組織は回っていた。大事そうに見えてそうではないことって、きっとまだまだあるんだと思います。

おかげさまで、第二子(娘)の出産も無事滞りなく終えることができ(妻への土下寝感謝)、育休も乗り越え事業も好調を維持して推移できています。
関係者各位への感謝の意をここで表したいと思います。

先日3ヶ月を迎えた娘氏。最近、どんどんぷにぷにが増してきていてかわいいです

家庭への向き合い方

長男の送迎、昼食&夕食の料理、買い物や長男との遠出?遊び?を基本的な僕のタスクとして、あとは長男長女それぞれの世話をその時々の状況に合わせて妻とよしなに上手いことやってました。
2人とも「よしなに」が上手なので、フォローし合いながらやれてたのかな?まぁでもここは奥さんが決めることなので僕からは何も言えません。笑

ただこんなにも子どもたちのことだけを考えていられるのって本当に幸せなことだなと思ったし、ありがたいなぁ、、というのに尽きるなという感じだった。

おしまい

実は、生まれて間もなく娘がちょっとした病気で入院することになったり、結構色々心身ともにバタついた育休期間〜育休明けだったのですが、それはまぁまた今度機会があれば触れたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました〜!

僕が9割バスケ、1割は真面目なこととか他のことを呟いている今話題の「X」ではリアルタイムに色々呟いてるので、ご興味ある方色々やりとりしましょう〜

これを書いてる8/14は入院中で、ちょうど今から手術室に向かうところです。ではまた。




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